ポータブルデバイス再生音質主観評価(ローレゾ)


2017年04月に行った手持ちのモバイルおよびポータブルデバイスで再生音質を主観評価した結果のまとめです。

評価に用いた曲は自作曲である「I want just only……」。作曲からマスタリングまで全て自分で行っている、かつ、確実に1000回以上は聴いている曲なのでかなり細部までイメージが脳みそに出来上がっている曲です。主観評価とはいえ、かなりの精度が期待できるのではないでしょうか。

ポータブルデバイスでの再生を念頭に入れているため再生音源はQAACのABR128による圧縮を掛けたものになります。AACに対応していないデバイスでは他の形式での再生になりますが、レベルの近い機器と聴き比べをし直しています。

曲作成時は、最終的にE-MU0404USBから出た音を基準にしています。ヘッドホンで聴く場合はAKG-501Kを、スピーカーで聴く場合は安物ですがTIME DOMAINスピーカーで聴いて作成しています。

このときのイメージに近い方が、音質が良いと判断します。

今回の聴き比べで使用したイヤホンはMDR-NC33を電池抜いて(ノイズキャンセリングホンなので)。モバイルを考慮しての選択です。

WindowsPCはMPC-HCで再生。WindowsMobileはGSPlayerKで再生。AndroidはClean Musicによる再生を基本としています。ちなみにAndroidに最初からプリインされている再生アプリはどうにも音質が悪いので何かしら他の再生アプリを入れて聴いた方が幸せになれます。


■なぜ、急にこんなことはしたのか

goo (covia) g07 (グーマルナナ)を常時携帯するスマホとして利用し続けたくなかったので、せめて他の用途として、例えば音楽再生機として使えるかどうか検証してみよう、というのが事の発端でした。


それでは最下位から順に発表します。


■第11位 Mouse WN892

文句なし、ぶっちぎりの最下位です。想像でしかないけど、多分100均で買えるラジオの音質より酷いと思われ。ノイジーなうえに低域も高域も出ていない。通話くらいしか想定していなさそうな音質。それにしても、逆に今どきどうやったらここまで酷いモノにできるのか不思議なくらい。

このデバイスで音声を愉しむならHDMI出力に賭けるしかない。(充電できなくても良いならUSB出力という手段もなくもない)

ちなみに既に容量的にも処理性能的にも不足感の強いToshiba LibrettoM3は今回視聴しなかったが、こちらも結構音質が悪かった記憶。ノイズ量はこちらの方が酷かったかも。いずれにしろ、WindowsPC系は総じて音質悪い傾向にある。


■第10位 Lenovo IdeapadS12

ワシャワシャする。ノイジー。でも、音そのものはMouse WN892よりかはきちんと出てる。勿論、聴く気にならないレベルでの争いだが。


■第9位 SHARP Hybrid W-Zero3 (WS027SH)

ぱっと聴きクリアなのだが、情報量少ないし低域不足。画面オンオフ時に必ず音が途切れるのは論外。

スマホ・タブレット系での最下位は残念ながらこの機種に。こちらもWindows Mobile6.5とWindows系なので、Windows系が総じて音質軽視になるのは何か理由があるのだろうか? と勘ぐりたくなりますね。


■第8位 Dospara DG-Q10S

Android系の最下位はこちらの機種に。やっぱ、ただの中華端末横流し機種はいろんなところで性能悪いですなぁ。

ぱっと聴きはクリアで好印象だったんです。なので最初は6位にしていました。

よく聴いていると、何か音が変。ぶつ切り感というか、ある一定以下の音量を勝手にミュートしている感じ。なので、フェードアウトしていくような音がちゃんと伸びずにぱっと消えてしまう感じで音の繋がりが拍ごとにかまぼこのように切れる。

ぱっと聴きクリアな印象というのは大げさなノイズリダクションにあるんじゃないかという気がします。

品質の良くない圧縮音声を聴くときには良い印象を与えるかもしれませんが、WAVをそのまま再生したときにはガックリきました。

ツイートしていときは「我慢すれば使えなくもない」という判断にしていましたが、「無理」ですね。場合によっては9位や10位にしても良いくらい。


■第7位 goo (covia) g07 (グーマルナナ)

残念なことに2016年末発売の最新に近いこの機種がこんな低い順位に。音楽再生機としても使う気にはなれません。

ただ、想像でしかありませんが、ハードが悪いというよりも(決して良くもなさそうですが)チューニングに大きな問題があるような気もします。

まず、超低域がカットされないデバイスは筆者の手持ちのデバイスの中でこれだけです。30Hz近辺の音がカットされないどころか強調されている感じなので、この辺りの成分が除外されていないソースを聴くと気持ち悪くなります。

筆者が聴き比べていたソースも30Hzの音圧が結構残っていたため、聴き比べをしていてどうしてもこの機種だけ気持ち悪くなるという現象に苛まれていました。

それは筆者が作ったソースが悪いんだろう、ということで低域をバッサリカットしたソースを作り直したわけですが、それで気持ち悪くなる現象は収まったものの……

若干音割れ気味。そして、イコライザー等のエフェクトを全く掛けていないにも関わらず常にエコーが勝手に掛けられているかのような音です。強制お風呂場モード。


音割れ気味の方は若干こちらで対策することができました。Engineering Modeに入ってボリューム調節のパラメタを変更すると多少マシになります。

Audio Playbackという設定画面に入って、Headset PGAの値を調整します。これが我々が普段調整できるボリュームの前段階のボリューム調整に当たるようで、ここの値の大小で基本音の大きさが変わってくるのですが、ここの値が大きいと中音域だけが膨らんだ音割れ気味の大音量になる傾向にあります。

初期値は124で88~160の値がセットできる(124はちょうど中央値)のですが、筆者はこれを最低の88にセットしました。これにより、音割れ傾向は大分改善されました。音が小さくなるのでボリュームは少し上げる必要が出てきます。


超低域が全くカットされていないどころか強調されている節すらある点は、実は市販のCD音源でも超低域がカットされていないものが多くて、結局、筆者の曲だけカットしても意味がありませんでした。ここはイコライザーを使って低域をバッサリカットするように調整するしかありません。

この機種で音楽を聴くのであればイコライザーは必須です。


しかしそれにしても、常時エコーっぽい感じはどうにも改善できず。

ハードのせいでないとすると、恐らくチューナー担当がドンシャリ好きなんでしょうね。もわんもわんしてれば音質が良いって思っちゃうタイプのお方。

エコーが欲しけりゃ、後付で幾らでもできるのだから、強制エコーにしないで素の音も聴けるようにしておいていただきたいところです。

ハードのせいなんだったら、まぁ、この機種の美点はMT6570T,3GB,32GBのスペックにしてはそこそこ安いという点だけが取り柄なので、仕方無いですね。


■第6位 covia FLEAZ F4 (CP-F03a 8G)

筆者手持ちのデバイスの中でも小型軽量の部類なので、それも含めて勘案すれば「我慢して使えなくもない」という領域になります。

特段酷い欠点はありませんが、決して音質が良いと言えるほどでもない中庸な性格。

ただ、ほんの僅かではありますが、この機種も勝手にエコー掛けている感があります。でも、筆者の勝手な想像からすると、こちらはチューニングというよりハードの問題というか限界のような気がします。汎用品を特に配慮もせずに基板に付けただけだとこんなもんなんだろうなぁ、って感じ。


この機種だけ液晶画面が半壊している個体がもう一つあるのですが、試しにこちらで聴いてみたらなんかこっちの方が音質が良いような気がする! 勝手なエコーが減ってクリア感が増してる。なんじゃ、この個体差は?

聴き比べてみるとこっちの個体の方がフラットに出てる感じ。

ちなみにこんなことを言うとオカルト感が増して筆者の感覚が疑われそうですが、Bluetoothをオンにすると少しパワー感が積み増しされる気がします。


■第5位 Sony VaioP (VPCP11AKJ)

WindowsPC系で唯一、聴けるデバイスです。ただし、ACアダプタを繋いでしまうと盛大にノイズが乗りますのでバッテリー駆動時限定。

いかにもSonyな感じのステレオ感と薄っすらホワイトノイズ。

全体的に薄っすらともやに包まれたようなスッキリしない感じがあります。


■第4位 SHARP W-Zero3[es] (WS007SH)

あー、なんとスマホ系での最上位はスマホ系で最も古いこの機種と相成りました。なんで?

ただし、この機種、そのままで使用すると22050Hzでの再生となってしまうため、48KHzまで開放するおまじないをした上で聴いています。(ハード的に48KHz対応できているものをなぜか22050Hzに抑え込んでいるのです)

クリアという印象もなく、若干小煩い感じもしなくもないですが、勝手なエコーや勝手なミュートが無くて、情報量の欠損が少ないように感じます。

ですので基本性能は決して良くないのかもしれませんが、変な小細工がされていない分結果的に聴いていられる音になっています。

無駄に5台も購入した意味が少しは報われたか?

つか、もっと最近の機種頑張れよ! って感じですよねぇ。


ちなみに、こちらも個体差というかレジストリでベースの音量(本体で調節できるボリュームの前段階の音量)を弄っていまして、イヤホン向けに合わせてデフォルトよりも若干小さいボリュームとした黒とスピーカー向けに最大値にしてある白があるのですが、白はイヤホンで聴くと若干音質悪いです。音割れ気味だしノイジーだし、かといって最大にしてもスピーカー音量としては足りないのでスピーカーのボリュームを上げないと聴けない。

まぁ、それでも、他のスマホやタブレットよりは音量大きくなるので調整代は少なくて済むのですが。

でも、黒の方が音が良いな。デフォルト音量合わせても黒の方が音が良い。

あと、平型コネクタはどうしても変換を一回多く挟まざるを得ない都合上、音質的には不利。どうしても、直結より劣る。ボリューム付きの変換ケーブルなんて論外。


■第3位 OLYMPUS PJ-25

こちらは小型のラジオサーバーでして、録音の方が主要機能。勿論、再生は出来ますが、語学学習の方面に力を入れているため再生速度の変更とかが出来る反面、連続再生は出来なかったりMP3とWMAにしか対応できていないという難点があります。

ですので、第3位とはしていますが、これを持ち運んで音楽再生機として使おうという感じにはなかなかならないです。

AAC非対応ですので、MP3やWMAの試聴。素性がそこそこ良いことは分かっていたので、上位機種とだけ比較試聴しました。

まあでも、何の感動も無い中庸な音質です。特別、うわっスゲとかならないならない。

その反面、決定的な欠点も見当たらない。というか、最大の欠点はAAC非対応であること。さらに言うとWAVも聴けないということ。非圧縮での音質比較が出来ないので素性が分かりにくいです。

でも、この機種は本来の用途のとおり、ラジオの録音と語学学習に使いましょうねぇ。


■第2位 ASUS ME173X

「Sonic Master搭載」とか、なんかわけわからんアピールしていますが、そのアピールがあながちただのブランディングではないことを示す結果となりました。

そんな凄い感動するものでもないんですけど、フラットだし、欠点が無いし、ちゃんとしてる。何度も取っ替え引っ替えして聴き直しても、やっぱり常にこっちの方が良いな、ってなるので、地味ながらも高順位に付けました。

でも、この「地味」って大事。物足りないという意味ではなくて余計なことを勝手にしないという意味で。それができている機種は意外なほど少ないんだということを今回の聴き比べでは知ることができました。


■第1位 OLYMPUS LS-20M

堂々の第1位は録画機能付きPCM録音機であるLS-20Mでした。ぶっちぎり!

この機種も本来の用途が音楽再生ではないためAAC非対応なのが残念。連続再生もできないし。WAVとMP3だけの試聴となります。

MP3はそもそもMP3圧縮特有の音の荒れ方が筆者は好みでないのですが、正直、必要以上に尖って聴こえてしまいます。あ、MP3はLAMEで圧縮したものです。MP3だけを聴いていたら1位にはしなかっただろうなぁ。

WAVで聴いたときに、これだ! って思いましたね。この自作曲はこういう風に作っていたはず、という音をズバーンと出してきました。

勿論、WAV同士でASUS ME173Xとも聴き比べしましたよ。ダントツでこっちです。録音機であることが勿体無いくらい。

この音がスマホで出せたらなぁ。そのスマホを常時携帯するようにするんだけどなぁ。


というわけで、常時携帯するスマホではちゃんと聴けるものが存在せず、ちゃんと聴けるものは常時携帯に向かないというなんとも歯痒い結果になりました。ちゃんちゃん。

!この文字が見える場合、コピペされています(ブラウザ非対応でも見えます)! from Gradual Improvement (dodoit.info)

[記事作成日: 2017-05-03] ※誤記訂正のみの更新等は含みません

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