色再現性

ノートPCで色再現性にこだわることは難しいことです。

ノートPCでは6bitパネルが標準

PCでは当たり前のとなっている、Full Color (True Color とも呼ばれます) を実現できるノートPCは本当にごく僅か。厳密に言ってしまえば時期によっては存在しないと言っても良いでしょう。

ノートPCの世界では6bit LCDパネルを使用するのが当たり前となっているためです。

6bitとはすなわち、1Pixelの色をRGB (赤緑青の光の三原色) それぞれ6bit (=2^6=64階調) で表すということです。つまりはTotalで 2^18 (64x64x64) = 262,144色の表現ができるということになります。

フルカラーはこれが8bit。すなわち、各原色が 2^8=256階調。Totalでは 2^24 (256x256x256) = 16,777,216色の表現ができます。

ノートPCでは消費電力や発熱、そしてコストの制約も厳しいため、ここのスペックが虐められることが多いのです。逆に言うと、画面表示は未だに結構負担になるものなのです。

フルカラーでも安心できない

仕様表に「1,677万色」とか書かれているなら大丈夫なんじゃないか。そうとも限りません。

6bit + FRC (Frame Rate Control) パネルというものが存在します。これは、パネルそのものの表現能力としては各色6bitしかないが、めまぐるしく色を変化させることで人間の目にはその中間色であるように見せようという仕組みをもっているものです。

例えば、赤と黄が交互に頻繁に入れ替わったらオレンジに見えてくるでしょう。それを各色64階調の中でやりくりして、まるで各色256階調あるかのように見せようというのがFRCです。

時間間隔を4つに区切って、各時刻の階調が

  • 0 0 0 0 なら、平均 0
  • 1 0 0 0 なら、平均 0.25
  • 1 0 1 0 なら、平均 0.5
  • 1 1 1 0 なら、平均 0.75
  • 1 1 1 1 なら、平均 1

と、0,1の2階調だけで5階調分の表現が理論上可能になるのです。これを6bit = 64階調で行うと256階調……、にはならなくて253階調にはできます。

つまり、6bit + FRC では 253x253x253 = 16,194,277色の表現が可能という計算になるのです。

あれ? でも、確かに一時期「約1,619万色」「約1,620万色」という仕様をよく見ましたが、最近は「約1,670万色」とか「約1,677万色」とか書かれてますよねぇ。

そう、これが気持ち悪い6bit + FRC 第二形態。4つで足りないなら増やせば良いじゃない。例えば、これを5つにしたらどうでしょう?

そう理屈上5倍の階調表現が可能になるのです。つまりは64階調から316階調を擬似的に作り出してしまいます。

そして、恐ろしいことにそのうちの256パターンのみを実際の表示に適用するのです。まだ理屈上の話なのに既に破綻していることにお気付きでしょうか?

その擬似的な階調は段差が均一でないのです。ただ単に、スペック上8bitパネルと全く判別できない「約1,677万色」という表記をするためだけの悪手です。

確かに理屈上フルカラーですが、均一な階調が実現できていないフルカラーの価値って如何なものでしょうか?

それだけではありません。

時間で階調を揺らす。液晶の応答速度はスペック上数msということになっていますが、中間色領域ではおおむね2,30msのレベルです。違う単位で言うと30〜50Hzくらいということです。

この応答速度の遅さを改善するためにオーバードライブという、わざとオーバーシュートさせる制御を行なっていたりします。これは簡単に言うと、 0 → 1 へと階調を変化させるときに、そのまま 1 と指示したのでは液晶の反応が遅いので、一旦 2 と指示して、実際の階調が 1 になったときに 1 って指示しなおせば速く 1 にできるよね、っていう制御です。

もちろん、現実的にこんなにぴったりとうまく行くわけがなく、一旦1を超えてしまったりとかもするわけです。

頑張って揺らしまくってもこの液晶の応答性では、精度も悪いし、見る人にも分かってしまう場合があったり、認識はできなくても気持ち悪くなったりしてしまう場合があったりします。

できの悪いパネルで全画面単一色表示とかすると本当にジラジラと落ち着かない表示をしてくれます。

8bitパネルでも安心できない

ならば、8bitパネル採用と謳っている製品なら大丈夫なんじゃないか?

ノートPCで8bitパネルを採用している機種は少ないです。

しかし、そこまで色にこだわるのであれば単に8bitであれば良いとはならないはず。

そう、液晶の特性だってリニアとは限らないんです。

つまり8bitだからって理想的な階調表現ができているとは限らないのです。

実際、高級なDisplayでは理想的な階調表現を実現させるために、それよりも細かい10bitや12bitを表現できるハードウェアを使用してその中から理想に近い256階調を選択表示しています。

ここまでやっていると明言しているノートPC……、筆者は知りません。

ノートPCはちょっとこだわるだけで物凄く価格に転嫁される製品です。下手に色にこだわるくらいなら、外部ディスプレイの使用を検討した方が良いかもしれませんね。

広色域であることの意義

NTSC比137%とか、AdobeRGBカバー率99%とか、色の表現能力が高い画面って良いですよね。

でも、ここまでの話でだいたい想像が付くかとは思いますが、残念ながら、「色鮮やかだね〜」以上の意味はありません。

本当に色にこだわるなら階調の特性も重要、しかし、そこまで完璧に色に充実な画面を持つノートPCは存在しない。だから、「色鮮やかだね〜」以上の意味を持てません。

むしろ、広色域過ぎると、なんでもかんでも必要以上に鮮やかに表示されてしまうという問題が生じるため、作り手の想定と大きくずれた表示を見続けるハメにもなりかねません。
(sRGB対応くらいならあっても困らないし、それなりに意味があるかもしれません)

せっかく広色域であってもやっぱり6bitパネルなんて製品もあったりするので、本当にそれにエクストラコストを支払う価値があるのか考慮した方が良いでしょう。
(止めはしませんが)

ちなみに広色域にするためにはバックライトを強化してカラーフィルターをより濃い色にする必要がありますので、消費電力や発熱の点で不利になります。

[内容更新日: 2013-09-25] ※誤記訂正等は含みません

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