自宅サーバーに向くパーツ構成

自宅サーバーといっても、Webサーバー、メールサーバー、ファイルサーバー、プリンタサーバー、などありますが、基本的にはデータの移動を中心とした機能になるわけです。
そうすると、自宅サーバーに向くパーツ構成は一般的に良く見る構成よりもずっと頭は弱くても足回りが強ければ良いことになるはずです。

いいや、うちのサーバーはプログラムがごりごり動いているぞ。という場合でも、演算処理はあまり無く、データ処理が基本なのではないでしょうか?

そうなると、ここ数年SIMDなど浮動小数演算処理を重点に性能を伸ばしてきた最新の高性能CPUを使用することはさほど重要なことではないと気付きます。
最新で高性能なCPUに予算を割く位ならメモリとストレージに回す、という位の方がベターかもしれません。
速いメモリやストレージは結果的にCPUを待たせる時間を減らす効果も生みますので、CPUもより楽に(性能が不要に)なります。
また、大容量のメモリは絶対的に遅いストレージへのアクセスを減らしてくれるでしょう。
そして、もう一方の重要事項。消費電力です。連続稼動させるPCですから、消費電力は重要な要素です。これは何も金銭的な話だけではありません。

PCにおいて消費電力とはほとんど発熱量とイコールのものです。発熱は地味に(いや派手にかも)故障の原因を増やしてくれる厄介者ですので、発熱しない≒低消費電力に越したことは無いのです。

例えば、冷却ファンが故障しただけで、システムがお釈迦になる可能性も増すのです。
これらを勘案すると現時点で有力な候補はAtom + 945GSE。そう、ネットブックで大量に採用されている構成です。
(945GCはサーバーとしては不要な機能(IGPが高クロック)のため電力無駄食いでサーバーには向きません。)

マザーボード単体でも販売はされていますが、若干値が張るのとネットブックに比べて消費電力が高いのが残念なところです。
JetwayのNF94-270-LFでアイドル20W弱くらいらしいです。)

ネットブックは液晶とキーボードが不要と言えば不要なのですが、GbEが不要でストレージ容量に不足がないのであれば、良い選択肢かも知れません。価格も安いのを探せば2万円台前半~あります。恐らくアイドルで10Wを切ると思います。

ただ、幾ら発熱が少なくても、ネットブックの小さく放熱性の悪そうな筐体はちょっと不安になりますので、発熱の状況を見て、画面を開いた状態で運用するなり、ひっくり返した状態で運用するなりした方が良いかもしれませんね。
今秋にはチップセット機能がCPUに統合された新Atomの登場が予定されています。130μmプロセスだったチップセットが45μmプロセスになりますし、今までCPU-チップセット間通信で費やされた電力も大きく削減できるので、さらなる低消費電力化(低発熱化)が期待できます。メモリクロックも現在の533MHzから800MHzにアップ。しかもCPUにメモリコントローラー内蔵ですからレイテンシの低減も期待できます。ちょっと残念なのがメモリ最大2GB(1スロットのみ)らしいことです。

実はノートPCで良ければ、PentiumM世代のノートPCでもアイドル10Wを切れる製品が多くあります。足回りは若干Atomより弱いかもしれませんが、もしこの世代のノートPCが余っているならサーバーに転用するのも手かも知れません。中古品をわざわざ購入するほどのものではないと思いますが。

ちなみにうちの自宅サーバーはPentiumM-1.6GHz(Banias)でDDR-266を1GB積んだ、画面が暗く黄色っぽくなってしまったVaio Zです。ひっくり返して置いています。普段は600MHzで動作していて、アイドル9Wです。Apache + PHP + WordPress + GlassFish + Java + PostgreSQL + MySQLと結構てんこ盛りなWebサーバーですが、見る人もほとんど居ないのでCPU負荷は0.5%とかです。メモリは1GBフルに使い切ってます。スワップは発生していません。ファンも回らない程度の発熱です。

2009-05-16

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