気になるPC#4「FRONTIER UX」
当記事には根拠に欠ける邪推や妄想が混入しています。
事実の確認は各自の自己責任においてお願いします。
色気の少ない素のネットブックだが、よく見ると結構なこだわりっぷり。
メーカー直販サイト : FRONTIER UX
ああ、懐かしい。思えばもう16年も前の話になるが、初めて購入したDOS/V(IBM PC互換)機はここFRONTIER神代(当時の社名。現在は神代をローマ字表記して「KOUZIRO」となっている。)のP5-90。Intel Pentium 90MHzにFP-DRAM 16MB、SCSI HDD 630MB、SCSI CR-ROMドライブのオールSCSIマシン。378,000円だった。(モニタ・OSは別売)
半年後でも100MHzで373,000円だったので、当時としては結構良いタイミングを狙って購入したものだ。(それ以前は60万円代だったのだ。)
あれ?そういえば、Socket939のマザーボードとAthlon64 3500+の特売もここで買ったなぁ。
さて、FRONTIER UX。かなり質実剛健な感じである。
まず、目を引くのがキーボードが斜面になるようにくさび形とした筐体だ。
くさび形筐体は体積や厚さが稼ぎづらい面があって、特に小型ノートPCでは採用し辛い形である。多くのノートPCは本体はほぼ直方体で足の高さを前後で変えることによって少しであるが傾斜を付けるようになっている。薄さをアピールするネットブックもほとんどが底面側の外形部分を絞り上げているだけであって基本は直方体である。
キーボードは奇をてらわない普通のものの印象。カーソルを一段下げることも無く、コンポーネントは長方形なのでコストを掛けてまで操作性に気を配るつもりはなさそうだが、日本語キーボードとしてキー配置は素直で無理が少ない。
タッチパッドが異様に大きい。これは何も本体が小さいから大きく見えるだけではない。横幅が80mmを超えているから普通のノートPCとしても大きめの部類だ。これについては邪推を後ほど記述する。
そして一番の見所!交換可能な光学ドライブベイである。
ネットブックにしては珍しく、この製品では光学ドライブを搭載できる。そして、これが脱着可能となっていて、HDDドライブやSSDドライブをセカンダリーストレージとして装着することが可能なのだ。これができるノートPCはビジネス用途向けが中心で数も多くない。ましてや、これが最安34,800円~というネットブックで可能とは!
構成も比較的自由度が高いため、SSD + SSD + 入換用HDDなんて組合わせでも購入できたりする。HDDは640GBまで選択可能だから640GB×2で大容量サーバーみたいな使い方にも対応できる。
GPSを内蔵可能で、内蔵時にはナビゲーションソフトを添付してくれたりする。
カーナビゲーション専用機ではなく、あくまでノートPCであることを念頭に置く必要はあるが、ナビゲーション用として考えればネットブックの画面解像度(1024×600)も高精細だ。
で、ここで、ナビゲーションならば液晶タッチパネル。といきたいところだし、そういう製品もあるが、この製品はこれに大型のタッチパッドを搭載することで対応したと考えられる。
ノートPCの操作性向上のためにタッチパッドを大型化したのであればホームポジションの中央に位置するように配置すべきであるが、この製品のタッチパッド搭載位置は本体の中央であり、キーボードのホームポジション中央からは右にずれている。
(光学ドライブベイの配置からしてこれ以上左側には搭載できない可能性もある。)
ナビゲーションとしてみればカーソルの動きを目で追わなければいけないようなポインティングシステムよりは、液晶タッチパネルでダイレクトに指示できるほうが圧倒的にUIとして優れているのだが、この辺がコストとの兼ね合いなのか質実剛健方向のベクトルとの妥協なのか残念ながら二兎を追っている感がしてしまうところだ。
とはいえ、デザインでしか特徴が出せないとも言われるネットブックでこれだけ特徴を出して、かつ、高くないというのは魅力的だ。保証を考えなければ、自分でパーツをゴロゴロ入換えて遊んでも楽しそうだ。
OSなしも選択できるし、OSを付けても下位のエディションならば差額は5,000円と安めなのでネットブックを購入する時の選択肢の一つとしてエントリーするのに十分な資質を持っているのではないだろうか。