Ideapad S12もCPU電圧・Clock調整

せっかく『Vaio P いまさらチューニングネタ ~CPU電圧・Clock調整』でIntel Atom N・Zシリーズのチューニングについて調べたので、所持しているもう一台のAtomネットブックであるLenovo Ideapad S12もチューニングしてみたが……

電圧が下げられない

Ideapad S12に搭載されるCPUはIntel Atom N270 1.6GHzでFSBは133MHzで動作するためアイドル時には133MHz×6=800MHzまでClockが落ちます。が、その時のCPU電圧は0.9Vと高め。そして、チューニングでもこの0.9Vを下回る電圧の設定は無視されてしまいます。つまり、このCPUの最低駆動電圧は0.9Vです。0.9Vなんてヘタしたら1.6GHzでも動作しそうなくらいの高電圧、というかAtomZは0.85Vで1.6GHz動作しちゃってるんですけど。

Atom NシリーズはC6ステートがサポートされずC4までとなっているし、CPU電圧も0.9Vまでしか落とせないというのでは、いくら元々省電力な設計だと言っても実態にそぐわないっすよ、Intelさん。ようするにIntelさんは何でも最高峰のグレードにしか十分な機能は付けてやらんってことなんですねぇ。

しかも、さすがに最高峰なZ560と違って、こちらはネットブック向け最底辺のN270。0.9Vのまま倍率を上げていくと10倍=1.33GHzが限界。最高Clockである1.6GHz駆動のまま電圧を下げていくと0.975V辺りが限界っぽいです。

さすがにパフォーマンスが不足しているので、簡単に1.6GHzまで上がるようなセッティングにしました。

消費電力が下がらない

元々、Vaio ZやLatitude X1と同じように6セルのバッテリーを持ち、省電力が売りなはずのAtomを搭載したIdeapad S12ですが、バッテリー駆動時間のカタログ値からして前者に劣ります。また、ファンがずっと回っているので予想されていたことでもありますが、このPC、消費電力が高いです。

消費電力が高いと言っても、高負荷時の電力は少なくて20Wに届くことがあるかどうか程度なのでこの辺はVaio Zよりは少ないと言えますが、Latitude X1よりも多く、そもそもCPUの性能的にはこちらの方がハッキリと劣るので全く期待外れです。
低負荷時も12W(画面の輝度は中間よりやや暗め)で全然下がりません。バックライトOFFでも11Wで全く話になりません。Vaio Zより6年、Latitude X1より4年後の製品が性能だけでなく消費電力でも劣るなんて……

ちなみにバックライトOFF・アイドル時でVaio Zは9W、Latitude X1は8~9W、Vaio Pは4Wでした。

デル株式会社

製品として省電力を意識しているかが重要

今回分かったことは、消費電力の多くを占めるパーツが省電力なものであるからといって、省電力な製品になっているとは限らないということでした。恐らくIdeapad S12は使用していないデバイスにも常に給電してしまうような仕組みになっているのでしょう。無線LANの物理ON/OFFスイッチがある以外はBIOSでもLenovo省電力ツールでも未使用時にオフとできるような項目は出てきません。バックライトOFFで1Wしか下がらないということはGPUの描画も止めていない可能性すらあります。
(LEDとはいえ12.1インチWXGA 1280×800の画面ですよ。)

あと、AtomもNシリーズは危険ということ。最近は特にFSBが166MHzに上がった結果、アイドル時のClockも×6=1GHzと上昇していますし、最新のN5xxシリーズでもc4ステートまでのサポートになっています。

製品を選ぶ指標としてJEITA測定法によるバッテリー駆動時間があります。この方法は実用に即さないと良く言われますが、アイドル時の消費電力の少なさを推し量るには向いているかもしれません。

起動時間が長くて、アイドル時間も長い場合のPC選びはCPUなどのパーツ性能に限らず、製品全体でどうか吟味する必要がありますね。

2011-06-06

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