SHARP W-Zero3[es] (WS007SH)

2006年09月購入。お値段¥24,800か\29,800(失念)。

PHSでブラウジングができる京ポンことKyocera AH-K3001Vからの移行です。
当時はまだ大きい携帯はダサいという風潮が強くて、初代のW-Zero3(WS003SHやWS004SH)を耳に当てて喋ったりすると「プププっ」ってなる人も多くて、目立たないサイズまで小さくなったW-ZERO3[es] (WS007SH)はそう意味でも入手しやすかったと思います。
ただ、今から思えば、画面の大きい方が良かったな、という気もします。ただし、WS003SHはメモリが少ないので、WS004SHですかね。しかし、画面が大きい割にバッテリー容量が少ないのでこれはこれで苦労しそうです。WS007SHでも決して電池持ちが良い方ではないですから。
キー配列が独特なので慣れが必要、かつ、打ち間違いが無くならない、という問題があるので、その辺りは次のAdvanced W-Zero3[es] (WS011SH)が大変羨ましいのですが、こちらは画面を小さくし過ぎなので入手まで思い切ることはできませんでした。
SHARPさんは初代W-Zero3のサイズ問題をやたらと根に持ってしまい、病的にサイズダウンばかりを追って行ってしまいます。最終的にキーボード搭載を捨ててしまって、「意味あんのこれ?」状態になってしまってWindows MobileはThe ENDです。あと、キーボード搭載して増えたサイズや重量をバッテリー容量やスペックを落とすことで解決という手法もキーボード搭載マシンを壊滅させた要因の一つなんじゃないかなと思います。コストは確実に上がって、値段も高価になるのに、スペックは低いはバッテリーは持たないわで。サイズと重量を妥協すべきだったのに初代の怨念を引き摺り過ぎです。結局、キーボード欲しい人は重量とサイズ増しても外付けで付けるようになっちゃってるんだから。

色々できそうで、でも色々やるには色々と性能が不足していて工夫しながらでないと使えない状態でした。
例えば、日本語変換でATOKがプリインストールされているのですが、これの変換機能が貧弱なうえに学習キャッシュが非常に少ないので、文章を長く入力しているとちょっと前に入力したものが忘れられるなんて日常茶飯事です。
また、テキストエディタで、現在Androidで有名なテキストエディタであるJota+の前身であるJotが使用できたのですが、W-Zero3上で動作させているとやがてメモリ不足に陥って異常終了するという状態でしたので、適度に再起動しながら使用していました。
カメラはピンホールカメラみたいなものなので、粗い記録用途にしか使えません。

それでも、それ以前を思えば、随分いろんなことができるようになったものです。
特殊なところではSSHクライアントを導入して、このマシンから自宅Webサーバーの管理をできるようにしたりとか。
地味に一番使えたのが、音楽再生用途です。下記に詳しく記述しますが、AACの再生が可能でmicroSDHC32GBも認識(ドライバ入手要)します。絶対的に音質が良いとは言えないものですが、ややぼやけた感じはするものの勝手に飾り付けたりそぎ落としたりしない素直な音なので、ポータブルデバイスの中では割と使える方なのです。
2017-04-11に筆者手持ちの小型ノートPC,タブレット,スマホ,音楽再生のできるポータブルデバイス計11機種をかき集めて、主観音質評価をしたところ、11機種中4位。上位機種のうち2機種はAACに対応していなかったりリスト再生や連続再生ができないなど音楽再生を主体とした機種ではないため、音楽再生用途に向くポータブルデバイスとしては9機種中2位と評価できるほどでした。
実際、こういった比較評価をする以前に、後継機であるSHARP Hybrid W-Zero3 (WS027SH)を通話・通信用として携帯するようになってからも音楽再生用(&文章作成&ゲーム用)としてこれも常時携帯し続けていました。

キーボード搭載機種で入手に踏み切れるほどの製品がその後出てこない(あるいは出てもキャリア縛りで手が出せない)ため、携帯文章作成機としての後継機危機を感じバックアップ用に同じ機種を集め始めてしまいます。
W-Zero3シリーズでよくある故障モードとしてフレキシブルケーブルの断裂というものがあります。
スライドを繰り返していくと両者を繋ぐケーブルに破断が起きてくるというもので、実際、筆者もフレキ断裂による故障を体験しています。
そういったこともあって、手頃な価格の中古品を見かけるたびにゲット。最終的に合計5台、バッテリー7個とちょっとやり過ぎなくらい集めてしまって、現在は持て余してる状態です。(故障している個体もあるので分解・ニコイチを実施して完動品は3台)
あらゆる端子に蓋が付いているんだけど、使用頻度が高いと取れるの必至。(^^ゞ

仕様概略
OSWindows Mobile 5.0
CPUIntel PXA270 416MHz
Memory64MB
Strage128MB
LCDVGA(640×480) 2.8in
Camera1.3MPixel
WLAN-
Bluetooth-
AudioTexas Instruments TLV320AIC29
SpeakerMono
I/FMiniSD Slot
W-SIM Slot
miniUSB x1
平型イヤホンマイク端子
KeyBoard特殊配列
Battery3.7V 1500mAh
バッテリ駆動時間通話約7時間
寸法56×135×21mm
重量175g

セットアップメモ

古い機種でも用途を限定すると、最新の機種よりも使い勝手を良くすることができる場合があります。
(Willcom) SHARP W-ZERO3[es] (WS007SH)は筆者が1台目を2006年09月に購入して以来、なんだかんだで計5台入手し、使い続けている端末です。
ここでは、筆者のWS007SHの使用方法やセットアップをメモしておきます。

ハードの弱点その1 : フレキシブルケーブル

横スライド式のW-ZERO3全般に言える弱点がスライド部分に使用されているフレキ(フレキシブルケーブル)です。
スライドを繰り返しているうちにケーブルに亀裂が入り、最終的に使用不能に陥ります。
多くの場合、初期症状として、10キーの操作が利かない、タップが利かないなど、が挙げられますが、このことはケーブルの亀裂の入るところがほぼ同一であることを伺わせます。
寒いときはケーブルが硬化していて、スライド時に亀裂が入り易いのではないかという意見もあります。
筆者の見解としては、機種の精度のバラつきにもよるのかなと思っています。というのも、フレキへの負担はスライド格納時に折りたたまれ、展開時に引き伸ばされるのですが、展開時の引っ張りによる破断という故障モードも充分に考えられるからです。
確固たる検証もしておらず、個人の感想の域を出ないのですが、4台ともバラした感じからすると、やはり新しいものの方がガッチリしているというか、対策がされているような気がします。

(使っているうちにヤレてきているせいかもしれませんが、1台目が一番ガタつきが多い印象です。)

という訳で、2台目からはスライド操作をゆっくり丁寧にするように心掛けているのですが、成果があるのか、それ以降、フレキ断裂の憂き目には会っていません。

ハードの弱点その2 : 平型イヤホンコネクタ

今回経験した故障がこれ。平型イヤホンコネクタが基板から外れて本体の奥へと消えていきました。
バラした基板を見てみると、コネクタの固定が非常に貧弱であることが分かりました。他にも幾つかコネクタはありますが、平型イヤホンコネクタの固定は特に貧弱です。
コネクタの左右両脇1箇所ずつを半田で基板に接着しているだけ。しかも、基板によっては半田の量が少なくて、ちょっとした力で直ぐにもげてしまいそうです。

(外れてしまったコネクタを再度基板に接続するのは難しそうです。そのうちチャレンジしてみようとは思いますが。)

今回は全ての基板の平型イヤホンコネクタと、ついでにMiniUSBコネクタの固定をグルーガンで補強しました。
本体ケースの形状上、多く盛れない部分もありますが、割りと余裕はある方ですので、結構補強できたと思います。本体に収まらない部分はカッターナイフや爪切りなどで削り取りながら調整しました。

自宅用と持ち出し用の2台体制

もう7年も経っているので、今風の使い方は一切出来ません。ネットに接続して云々という作業には一切期待していません。
しかし、WS007SHには最新の機種ではなかなか代替し難い魅力があります。それは、キーボードと音楽再生機能です。
キーボードは日本では絶滅、世界でも絶滅危惧種であるので分かるとして、この機種で音楽再生機能を魅力に挙げるのはおかしいと思われるかもしれません。この点については後述したいと思います。
さて、幾らハードウェアキーボードが付いているからといって、最新の入力機構や変換機能に太刀打ち出来ないのではないか? と。ある程度はそのとおりです。しかも、WS007SHのキー配列も決して褒められたものではありません。
しかし、操作の煩雑さは思考を妨げます。最新の入力機構や変換機能は確かに便利な反面、やはり、思考を妨げられやすいのです。しかも、予測変換により、場合によってはこちらの思考が矯正されてしまうことすらあります。
紙からPCへの移行ですら、その操作の煩雑さにより、少なくとも筆者はある程度思考を妨げられてしまいます。タブレットの入力機構が幾ら優秀でも、この点に置いてハードウェアキーボードを超えることはできていません。トータルで見て、まだ、古臭いWS007SHを叩いている方が効率が良いのです。
さて、もう一点の音楽再生機能ですが、これはカスタマイズにより初めて活きてくるものです。
実はハードウェアとしてはWS007SHは48KHzでの再生に対応しています。しかし、初期状態では22KHzに抑えられています。これを改修することでかなりの音質向上を果たせます。
あくまで個人の感想の域を出ないのですが、若干ボヤけた印象があるものの情報量はきっちりと出ている感じがします。最新の機種ではクリアな印象を持つことが多いですが、同時に細かいニュアンスが削ぎ落とされている印象も否めません。そういった意味ではこの48KHz対応WS007SHはなかなか優秀だと思うのです。
また、WS007SHでは画面のON/OFFで音楽再生が途切れないという利点があります。同じ再生ソフトを使用しても後継のWS027SHでは音が途切れるのです。
また、これは完全に音楽再生ソフトウェアのおかげなのですが、余計な機能を省けるお陰で古い機種でも動作がスムーズなのです。筆者は一時期Androidタブレットへの移行を真剣に考えて居たのですが、頻繁なアップデートでどんどんと重くなっていくことには流石に閉口しました。アップデートしないようにすれば良かったのかもしれませんが。また、筆者の安タブではやはり画面のON/OFFで音が途切れたのです。曲数を多く保持しているとソフトの起動も重くて耐えられませんでした。
という訳で、枯れたWS007SHは安定、かつ、スピーディー、そして、そこそこの音質での音楽再生環境を提供してくれるのです。

(ついでに言うと、イヤホンに物理ボリューム付き中継ケーブルを繋ぐのは止めた方が良いです。音質が明らかに劣化します。筆者はずっと機種本体のボリュームは最大値にして、物理ボリュームで絞った方が便利だし、音質にも良いだろうと思い込んでましたが、あるとき、ふとボリュームを外してみたら明らかに音質が向上しました。音が大きくなったせいではありません。機種本体でボリュームを絞った方が明らかに音質が良かったのです。無駄に余計なものを挟み込んだせいでボヤけた音を聴き続けるハメに陥っていたのです。そのことに気がついて以来、平型→3.5Φ変換は仕方が無いとして、極力変換デバイスは使用しないように心掛けています。)

(筆者はまだ試していませんが、2chにmicroSDXC 64GBの認識報告がありました。容量の点でもSDHC対応に留まっている機種を超えられる可能性があります。)

WS007SHの設定(共通編)

設定の「音と通知」で「低電圧」の通知を全て外し、「致命的な低電圧」で通知するようにします。これはWS007SHの標準ではバッテリー残量25%という結構残っている状態で出てしまう通知をもっと少ない10%で出すようにするものです。通話もする場合は25%での通知でも良いかとは思うのですが、筆者は通話には使用しませんので25%での通知は早過ぎるし、何度も警告されるので、それの解除操作だけでどんどんバッテリーを消耗してしまってよろしくありません。また、バッテリーのヘタリ方によっては早々に10%まで落ちてそこで粘るというふうになることもありますので(というか筆者のWS027SHがそういう状態)、いずれにしろ25%での警告は余計なお節介だと思います。
WS007SHの標準ではイヤホン出力が意図的に抑えられています。実際のところ、イヤホンで聴く分にはこれでも大き過ぎるくらいで、通話もする場合には通話音量とイヤホン音量の調整に手間取ったりもします。この出力レベルが「Pocketの手」で変更可能なのです。それが「ヘッドホンボリューム」という項目。標準では68になっていますが、イヤホンで聴くには少々大きく、外部スピーカーに出力するには少々小さい値です。そこで必ずイヤホンを付けることになる外出用では60に、外部スピーカーに出力することを想定している自宅用では100(最大値)に変更しました。

デル株式会社

WS007SHの設定(個別編)

外出用では、

その他、必要に応じて「es Silencer」とか「SinPocketStopWatch」とかエミュとか入れてみても良いかもしれません。

2017-04-25 2013-09-10

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