なぜ、わざとタッチパッドの使い勝手を悪くするのだろう?

確かに、出始めからして、タッチパッドは「仕方のない」デバイスだった。
ノートPCでポインティングデバイスも一つの筐体内に収めるための消極的な選択肢だった。

トラックボールは筐体を薄くできない問題があった。
ポインティングスティック(GHBキーの間ににょっきり顔を出す、ジョイスティックの小さいやつみたいなの)は慣れを要するし、センターに戻らずに、微妙に同じ方向にずっと動き続けるという現象を、どうしてもハードウェア的には解決できない問題がある。

タッチパッドは薄くできるし、ノートPCの形状からして、キーボード下のパームレスト部分に場所がある。
だから、ノートPCに搭載するには好都合だった。
でも、多くの人はやたらとタッチパッドを毛嫌いし、ノートPCを使っていても、わざわざマウスを別付けするという人が後を絶たなかった。

確かに、キーを打つときに、触れてしまってポインタが予期せぬ動きをするとか、煩わしい現象に見舞われることもある。
でも、ちゃんと調整されたタッチパッドだと、そんなこと起きない。ちゃんと調整されていなくても、調整できることが多い。
でも、調整が必要なくらいだったら使わない、って人が圧倒的に多かったのだろうと思う。

あと、タップ機能を推したのが最大の失策。
メーカーはクリックボタンのコストをケチりたかったのだろうが、タップはそもそも、ポインタ位置の微調整との区別があいまいに過ぎて、調整でどうにかできるレベルじゃないくらいに誤作動が発生する。
キーを打つときに、うっかり触れてしまったとき、ポインタが動いてしまうのならまだ良いが、タップ扱いされたら、それこそ悲劇を生みかねない。

ただ、クリックボタンをケチりたい気持ちも分からなくもない。
クリックボタンは圧倒的に押される回数が多いために、故障の一番手になりやすいのだ。
マウスだったら、新品を買えば済むけど、ノートPCだと、本体そのものの使い勝手が途端に悪化する。

筆者はデスクトップPCでもタッチパッドがスペースキーの下にある、ノートPCと同じタイプのタッチパッド付きキーボードを愛用しているが、どうしても、クリックボタンが真っ先にヘタるのだ。
そして、1万円を超えるバカ高い値段ながらも、他にまともな製品が無いためにスペア(2台目)まで購入したのだが、その2台目も最近怪しくなってきた。

すると、次が無いのだ。
もう、まともな配置の、まともな使用感のタッチパッド付きキーボードが、製造されていない。
はっきりいって、右側にタッチパッドが付いているなんて製品は、ライトユースにしか使えない。マウスが別個になるのがウザいと思う人向け。
キーボードとポインティングデバイスとを頻繁に行き来する場合に、この配置はあり得ないのだ。

マウスばっかり動かしているなら、確かにタッチパッドよりもマウスの方が数段優れたポインティングデバイスといえよう。
でも、キーボードとの連携が頻繁に発生すると、出来の良いタッチパッドの方が筆者は格段に優れていると思う。
ただし、クリックボタンを省略しないこと、タップ機能を使わないこと前提でだが。

ただ、それも、選択肢が全くなくなったことで、筆者の次は、効率悪化を余儀なくされることが決定した。
もっと、メーカーがちゃんとしていたら、タッチパッドもこんなに悪者扱いされずに済んだはずなのに……。

次はどこにいったら良いのだろう。
一応、予備として、凄く小さなトラックボールが付いているというキーボードは2台購入済みではある。
でも、Bluetoothなんだよね。
世の中の進む方向である、と思って購入したけど、やっぱり有線接続の方が安定している。
USBでポインティングデバイス付きで、まともなのって、また、Lenovoにするしかないのかなぁ。
当のLenovoも、キー配置が安物に変わってきていたりして、やっぱり効率悪化は免れないのだけれども。
しかも、現在使用中の2台。同じ配置で、パーツの相互入れ替えも可能なほど似ている製品だが、1台目はIBMロゴ、2台目はThinkPadロゴでLenovoに移ってからのものだったのだが、2台目のキータッチは明らかに劣化していた。
ので、Lenovoも不安なんだよなぁ。

でも、筆者所有のVaioPもポインティングスティックだし、慣れておいた方が良いか、と思って、タッチパッドではなくポインティングスティックを使うように練習している今日この頃です。

2015-11-21

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