Atom x3に気を付けろ!
ようやく最近、最新世代のAtom x7,x5,x3Intel Atom SoCを搭載する製品の発表、発売が増えてきました。
やっと14nm世代のモバイルが一般庶民にも手に入る時代になってきたわけですが、ちょっと注意があります。
それは、Atom x3シリーズ。
実はこのシリーズだけはむしろ、世代後退とも言える製品なのです。
Atom x7,x5シリーズは従来からのIntel自社製造によるれっきとした14nm世代のSoCです。
でも、Atom x3シリーズはIntelで製造されるものではありません。しかも、28nm世代のSoCなのです。
やたらと普及しているAtom Z3735FはIntel自社製造による22nm世代のSoCです。
つまり、廉価版だけはより廉価にするためのモデルチェンジなのです。基本性能は向上しない。
スペック上、ちゃんと比較出来るのはCPU性能だけになってしまうのですが、
基本的には同等とされるコアが4つ。ここは変わりません。
しかし、2次キャッシュの量が2MBから1MBへと半減。
クロックもベース1.33GHzから1.2GHzへ減速。ターボモードでも、1.83GHzから1.4GHzへと減速です。
発熱および消費電力の(ある程度)指標となるSDPは2.2Wから2Wへと微減していますが、
プロセス世代が後退している影響はモロCPU性能に出てしまっているのです。
RAMの帯域幅も10.6GB/sから4.2GB/sへと激減。
ちなみに、GPUはコアがどうなっているのか筆者は知りませんので比較できません。(クロックだけでは比較できません)
もちろん、Atom x3の方が新しい製品ですので、通信機能とかがより最新の情勢に合わせたアップデートなどされているのでしょうが、少なくともCPU性能は劣化。そもそも、基本的にプロセス世代が後退している、はっきり言うと安物なのだ、という意識を持っている必要があるかと思います。
当然、それでも充分なんだという用途もあるはずなので、存在意義が無いとは言いません。
Atomとしては劣化かもしれませんが、ARM Cortex-A7 クアッドコアなんかもほぼ28nm世代で1.2GHz辺り。コア性能はAtomの方が上ですから、ここいらには勝てる製品なのです。
ただ、安直に最新世代だと期待していると裏切られますよ、というお話でした。