Mouse WN892
2016年7月購入。お値段\17,980。
筆者はベッドに寝そべって長文を書くことがあります。そのため、埃を吸わないファンレスノートPCをToshiba LibrettoM3、Dell LatitudeX1、Sony VaioP (VPCP11AKJ)と愛用してきたわけですが、Sony VaioP (VPCP11AKJ)では画面が小さいのと、できればもう少し高さが欲しいなという思いから8.9インチの画面サイズを持つキーボード付きWindowsタブレットを導入してみました。
解像度的には1600x768→1280x800ですので、縦解像度はわずか32Pixelsしか増加していません。これだと文章では2行弱しか増えませんね。まぁ、それでもとりあえず良いことにします。
サイズ的に約182.4x87.6mm→192x120mmですから、縦が欲しいという筆者の要求にはがっちり噛み合っています。
この機種は拡張性が非常に乏しい(充電兼用のUSBポートが1つしかない)のですが、USB接続のカバー付きキーボードを標準で付属するところが美点です。
やはり、ことキーボードについては有線接続の応答性の良さは揺るがないわけで、無線ではバッテリー消費を抑えるために通信がスリープ状態に入って復旧するときにどうしても少々のラグが発生して、それが文章作成のリズムを崩してしまいます。出来の悪い無線キーボードだと、勝手に同じ文字が数十個打たれてしまう等の動作不具合を起こす割合も高いですしね。
その標準添付のキーボードですが、主要キーピッチは約16.4mmでSony VaioP (VPCP11AKJ)とほぼ同じです。ですが、本体幅が14mmほど狭くなりますので標準キー以外の配置は少々キツく、変則配列にもなっています。さらにFnキーの列を丸ごと省略されて数字キーの列と合同にされていますので、ちょいちょい操作に困ることがあります。
そのまま使おうとして一番困るのが[Esc]キーです。一般的な配列では左上隅なのですが、このキーボードでは[Fn]+{Shift]+[BackSpace]キーの三点押しが必要で、[Fn]+{Shift]は左下、[BackSpace]は右上、あまりに操作性がかけ離れています。
それだけでは済まなくて、[Esc]を押そうとするだけで[Shift]キーを使ってしまいますから、[Esc]と[Shift]を絡めるようなキー入力は事実上できません。有名どころではタスクマネージャーを呼び出す[Ctrl]+{Shift]+[Esc]。まぁ、Windows10ではその辺のことを分かっているのか[Win]+[X]キーを押して[T]でタスクマネージャーを選択呼出しできるようになっているのでそっちを使えということなのかもしれません。
[Del]キーが[BackSpace]キーと合同になっちゃって[Shift]+{BackSpace]になってしまっているのも地味に不便な点。
[Enter]が小さくなっていて、特に高さ方向が普通のキーと同じになってしまっているので、慣れるまで注意しないと"["か"]"を打ってしまうことになります。
日本語変換で割と多用するFnキーは[Ctrl]+{U][I][O][P]を使うように練習し直しました。
[Esc]と右クリックについては、あまりに不便なのでレジストリを弄ってキーの認識を一部変更させて使用頻度の低いキーに割り当てています。([無変換]→[Apps](右クリックに近い動作をする)、[CapsLock]→[Tab]、[Tab]→[Esc])
タッチパッドが残念な代物で、筆者の大嫌いなクリックボタン一体型。クリックしようとすると確実にポインターがずれ動いてしまいます。左クリックはまだ同じく筆者の嫌いなタップ操作でなんとかするという手もあるのですが、右クリックはどうしようもないです。
あとこれは筆者の使用スタイルが悪いせいでもあるのですが、文章入力時にタッチパッドが誤反応を起こしてしまうことが多いです。感度調整ができると良いのですが、Windows10はこういう調整項目を意図的に殺すので、今のところ調整の手段がありません。
酷いと文章入力中にクリックだのドラッグだのが瞬間的に多重で発生し、最悪そこでテキストエディタが異常終了なんてことも体験してます。(ただし、これはどうもWindows10のスリープとMS-IMEの出来の悪さが引き起こしている可能性も大)
タッチパネルも少々癖があって、機嫌が悪いと反応が非常に不安定で、勝手に掴んだり放したりあらぬ方向にすっ飛んでいったり、お前ら自由過ぎんぞ! って感じになります。
珍しくまともに動くと思っても、長時間使用しているとおかしくなってきます。熱の所為かどうか分かりませんが。(Solitierワールドツアーをやるとタッチパネルのせいで順位が落ちていきます)
とりあえずAndroidタブやスマホでは体験したことのない出来の悪さです。
あと、これは筆者個体の不具合かどうか分かりませんが、電源回りの管理がおかしくて、スリープが不安定です。特に電源供給しているときにスリープに入ると非常に大きな確率で復旧できません。シャットダウンしているわけでもなさそうで、普通の長押しで起動もしませんから、一旦30秒くらい長押しして強制電源オフしたのち改めて起動からやり直さなければいけなくなります。
さらに謎なのが、ときどき、シャットダウンしていたはずなのにバッテリーがすっからかんになる現象が発生します。Windows Updateが勝手に起動掛けてバッテリー食いつぶしてるんじゃないかと思ってはいるのですが、原因特定はできていません。(あ、あと高速起動が勝手にオンにされて勝手に起動はするけどハイバネーションに失敗して電力消費状態のままハングアップとか可能性があります。ハイバネーションも高速起動も今は殺してますけど)
一回バッテリーが上がると、給電を始めてもバッテリーの充電率が少し復旧するまで起動できないという不便さがあります。この辺はACアダプタ繋げばバッテリーに関係なく起動できるノートPCと大きく異なるところです。
そもそもWindows10のスリープが信頼性に欠ける出来ではあるのですが、スリープ中にUSB接続であるはずのキーボードを見失い、キーボードをどんなに操作しても無反応。電源ボタンでスリープ解除してもポインタすら出てこない、なんてことも平気で起きます。
Windows10のシャットダウンは画面が消えてもまだ暫くは裏で作業をしているようで、あまり早くにカバーを閉じてしまうとシャットダウン途中でスリープが優先されるのか分かりませんが画面真っ暗なままバッテリー消費を続ける状態に陥っていそうです。(まだ完全な確証は掴めておりませんが)
あと、バッテリー駆動時と電源接続時でのスリープやシャットダウン操作の設定は変えない方が良いです。例えば電源ボタンの設定をバッテリー駆動時はスリープ、電源接続時はシャットダウンとかしていると、スリープから復帰させたいときにキーボードが反応しなくて電源ボタンを押そうとするときにうっかり電源が接続されていると、そのままシャットダウンへと移行してしまいスリープさせていた意味が皆無になります。(そもそもキーボードが無反応になるのが悪いんだけど)
スペックと価格でAndroidに対抗したかった故なのでしょうが、スペックに現れにくいところでの質がかなり悪くて残念な感じです。
例えばイヤホン端子で音楽を聴いてみるとします。これがまたバカにしてんのか! って言いたくなるくらい音質が悪くて、30年前のカード型ラジオじゃねえんだから、くらい酷い代物です。(筆者が2017年04月に一斉比較した11機種中で文句無しダントツ最下位、というか論外)
カメラは未使用ですが、画素数からして使う気起きません。スマホ持っていればそっちを使いますよ。
AtomといってもCherry Trailの4コアなので、初代PentiumM(Banias)の4コアくらいのつもりでいたのですが、若干動きが引っかかりますね。特にブラウザの起動が遅いです。ただし、これはWindows10の所為である可能性も高いのでなんとも。(セキュリティチェックなのか情報収集なのか分からないがWindows10は速いマシンでも妙に引っかかるときがある)
冷静に比較すればSony VaioP (VPCP11AKJ)より確実に速いのですが、ぱっと見そう思わせないような引っかかりがWindows10にはあります。
しかし、アイドル時の消費電力は画面輝度最低で1W表示となり(画面オフでも1W表示)ぶっちぎりの省電力性能を持っています。
画面の大きさ感と消費電力、処理性能で勝ってはいますが、正直、使い勝手はSony VaioP (VPCP11AKJ)に劣るので、画面の大きさを我慢してSony VaioP (VPCP11AKJ)に戻ろうかな? と思う気持ちが無いわけでもないです。CPU RAM GPU Game Strage 6.1 5.5 4.5 - 6.6 CPU Intel Atom x5-Z8300 1.44GHz / TB 1.84GHz
Cherry Trail 14nm LLC 1MBx2Chipset (Soc) Memory DDR3L-1600 2GB Strage eMMC 32GB LCD WXGA(1280×800) 8.9in VGA Intel HD Graphics WLAN Realtek RTL8723BS IEEE802.11b/g/n Bluetooth V4.0 +LE Audio Intel SST + Nuvoton Nau88L24 Speaker Monoral Camera Intel AVStrem 2MPixel + 2MPixel Sensor Broadcom GNSS 4752 GPS, Kionix KXCJ9 3-axis accelerometer I/F microUSB2.0×1
microSD Card Slot
Sound 1Out
microHDMIKeyBoard 16.4mm Pitch 64Key Battery ? バッテリ駆動時間 約5.75時間 寸法 231×137×9mm 重量 約383g(キーボードカバー含め約658g)
付属のキーボードを諦めて安定性アップ
何とも皮肉な、本当に皮肉な話ですが、 この製品を選んだ最大の理由である付属の USB 接続キーボード、これを使わなくすることで、安定性が向上しそこそこ使えるようになったと言う、何度も言いますが本当に皮肉なお話です。
一体、何のためにこの製品をわざわざ選んだのか……
タブレット本体に合うようにデザインされた、しかも USB で接続されるキーボードを持つと言う特徴を最も優先したために、USBポートが一つしかなく、ACアダプタ接続もそのUSBポート経由であるため、充電中は一切USBを使用できないという劣悪デメリットに目を瞑ってまでこの製品の付属USBキーボードに賭けていたというのに……
結局ですねぇ、このキーボード、配列は特殊だし、Fnキーの列が省略されているから変則押し、複数キー押ししなければいけない場面が多発するんですね。その割に同時押しが3つ辺りまでしか認識しないので、上記でも触れていますが、例えば[Ctrl]+[Alt]+[Del]を指示したい場合に[Del]は[Fn]+[BackSpace]で入力しなければならないので、[Ctrl]+[Alt]+[Fn]+[BackSpace]と押さなければならなくなるのですが、当然のように反応してくれません。
んで、せっかくのタッチパッドも誤動作ばかりで使い物にならず。
最悪なことに、USB 接続のキーボードであるにも関わらず暴走するんですよ。同じキーを連打したかのような動きをすることが頻発するんですね。
これがまだ、日本語変換入力の途中だったりしてまだ未確定の場合なら[Esc]キーで連打を止めてキャンセルすることもできますが、[BackSpace]を勝手に連打されてしまったりして、そこが履歴復元不可能なところだったりしたら大損害です。(サクラエディタはある程度履歴がキャッシュされているのでもの凄い大損害というところまで行ったことは……無くも無いな。ごっそり消されたことがあります。)
んで、メインPCのキーボードをBluetooth接続化に踏み切ったときに、そのキーボードはトラックボール付きなんですけれども、同じ製品の色違いも筆者は持っているんですね。それで、色違いの方をこのタブレットPCで使ってみようか、と思い立ったんです。
メインPCと配列もサイズも同じキーボードが使えるのであれば作業効率が上がるだろうし、トラックボールが付いているからタッチパッドが無くても困らない。
そもそも、付属のキーボードは変則過ぎて使いづらくて、Sony VaioP (VPCP11AKJ)に戻りたいと思わせる大きな要因でもあったので、本当に皮肉ですが、この製品を選んだ最大の理由である付属のキーボードを捨てて、Bluetooth接続のキーボードを使用するように変更したのです。
結果、随分と作業効率が改善しました。(^^ゞ
杞憂だった反応の悪さは、むしろ付属のキーボードよりもマシ、良好です。USB接続よりBluetooth接続の方が安定かつ機敏ってどんなだよ? って感じ。
勝手に連打みたいな状況は現在でも偶に発生するのですが、その頻度はかなり少なくなりました。
タブレット本体の方の使いづらさも、筆者が多少学習したせいもあって、以前ほど苦戦はしなくなっています。
例えば、スリープから復帰できないという現象は、スリープ中に充電したりケーブル外したりといた状態変更をしないように徹底することである程度回避できます。(Windows側で勝手に起こしてアップデートして再起動とか掛けてたりするっぽいので完全に防ぐことはできないのですが)
あと、個体差の可能性もありますが、このタブレット、電源ボタンの接触が良くなく、しっかり押さないと押した判定がされません。なので、押しているのに無反応、とかいうときは、そもそもちゃんと押せていないかもという可能性を考慮することが肝要となります。
これらの点を踏まえて運用すれば、そこそこ使えるようにはなりました。
恐らく熱暴走するのであろう、このタブレットでMicrosoft Solitaire Collectionを遊ぶのは止めました。そのせいか、タッチパネルの荒ぶりやポインタがぶっ飛ぶ現象も見なくなりましたよ。
ここまでやると、本当にこの機種を選んだ意味というものが皆無。全くの皆無なんですけどね!