自作を諦めるときが来たかもしれない

まあ、筆者の場合は貧乏自作だったのでなおさらなんですけど。
筆者のPCパーツ選定の優先順位はだいたいMemory → Strage → CPU → その他もろもろで、基本的にはコスト優先の貧乏自作で、筆者にとってあまり必要性が無い(無かった)GPUはできればCPU一体型で、自作のくせに実は拡張ボードを1つも挿さなかったりしています。(もちろん挿していた頃もあります。)
電源は割と昔からGoldだのPlatinumと効率を重視しつつも容量はなるべく小さいものを選択して来ていました。

あんたそれ、自作している意味あるの? って感じですよね。
でも、今までは自分でパーツ選定して組んだ方が自分にあったPCが作れていたんですよ。
それがここ最近ではすっかり自分には合わないパーツばかりになってきてしまって、しかも高い。
それに、なんか、もう自作市場そのものが死に体っぽいですよね。
ピカピカ光らせるゲーマーしか相手にしていない、みたいな。

そうこうしているうちに、ちょっとショッキングな製品を見てしまいました。
そうです。巷で話題のLenovo ThinkCentre M75q Tiny Gen2 価格.com限定(タイミングによってはリンクが切れている場合があります)。
これ見たときに、「あ、これもう自分は自作PCじゃなくて良いかもしれない」って思いました。

もちろん、今の使い方そのままがこの製品でできるのかと言うと、出来なくはないけど凄くお金が掛かる、という状況ではあります。
そういう意味では昔から変わっていないのですが、そのハードルは随分下がりました。
いつの間にか、ストレージの問題さえなんとかできればこういう製品で全然問題無い、むしろ筆者の理想により近い(低消費電力でそこそこ高性能)環境を構築できそうなのです。
筆者は現在、SSD2台をそれぞれUbuntuStudioとWindows10のブートドライブにしていて、4TBの3.5inHDDをデータドライブとして使用しています。
これをどうにか工夫して、USB外付け対応などしながらでも折り合い付けることができれば、それで済む話です。

一所懸命投資してきた、先を見越したパーツたち(主に電源とDIMM)が無駄になってしまうのがもったいないのですが、自作に拘っているともう筆者にとってはむしろ無駄が多いし結果的に高く付く、という状況になりつつあるみたいです。
自作で進むなら次はCezanneAPU + A520Chipsetで、と思っていたのですが、このAPU + M/Bの値段で上記のPC買えてしまいますよね。
SO-DIMMを新たに購入しなければいけない分やストレージの整備、外出し化など追加費用も掛かってしまいますが、自作マザーボードだとDisplayPortを欲するだけで値段が跳ね上がるのに対して出来合いのPCはその辺が充実しているので、その点でも自作が不適になってきています。

メモリを買い直すくらいならDDR5待ち、という考えも出てくるのですが、遠いよなあ。
差し当たり、CezanneAPUでこの製品の後継が同じような価格で出てきてくれるのであれば、もうそこで転んで良いかな、というような気もしています。
DDR5ががっつりこなれるのにはヘタしたら2027年とかなるかもしれませんし(未来のことは分かりませんけど)、6年使えば今のPCよりも電気代として2万円近くは取り戻せる計算になるので、うん、早くCezanne来て欲しいです。

イレギュラーがあるとすると、未来の自分がより強力なGPU性能を欲した場合にこのような出来合いのPCでは対応出来ない、という問題があるのですが、逆に言えばそういうケースが発生した場合は今の自作PCをベースにどうにか折り合いを付ける、という手が残りますので、まあ、無駄があるといえばあるんですけど、ちょっと自作を止めることも視野に入れとかないとなあ、と思った次第です。

けどまだ右往左往している

往生際が悪いことこの上ないのですが、結局まだ悩んでいます。(悩み過ぎは時間の無駄なんですが(^^ゞ)
と、いうのが、現状Zen3で最安のRyzen 5 5600Xと最安のA520チップセットマザーボードを購入したとするとお値段約¥46,360。
一方で、上記のThinkCentreで最安(8GB RAM, 256GB SSD)+USB TypeCの構成で¥57,200。SO-DIMMメモリ16GBを¥8,000で追加(合計24GBならまだ我慢可能)したとして合計約¥65,200。
差額¥18,840ということで、おおよそ6年くらい使い倒しても電気代を含んだトータルコストは逆転しないことになります。
(電気代の差についてはZen2APUに移行したいで検討した25W差を1日10時間、再生可能エネルギー発電促進賦課金を含んだ3段料金で計算して年間約¥3,100という計算結果を元にしています。)
ちなみにThinkCentreの初出では4GB RAMと128GB SSD+USB TypeCの構成で¥50,600にできていたのですが、その場合はSO-DIMMメモリを16MB×2追加購入することになって(20GBでは容量不足かつDualAccessが8GB分しかされないというのでは我慢できない)¥15,000追加で合計約65,600となり、どっちみち¥65,000強のレベルにはなってしまいます。

つまるところ、先行投資をしていたDDR4-3200 DIMM 16GB×2の存在のせい(お陰?)で、まだ自作で生き延びるという手段もある、という計算になるのです。

ThinkCentreは非常に魅力的ですが、一旦これにしてしまうと、システムの部分補強はほぼ出来なくなって、性能不足に耐えられなくなったら全とっかえ、という未来を覚悟しなければなりません。
自作PCを続けると消費電力的には不利ですが、パーツ部分入れ替えによるシステム延命の道が一応まだ残っている、という利点があります。
未来がどうなるかなんて分からないですからね。自分のPCの使い方がいつまでも同じとも限りませんし。
そもそも、元を辿れば、筆者はIntelのiGPUでも十分と考えていた身でしたが、現在はもうドラゴンクエストビルダーズ2をSteamでやる都合上、最低でもVega7(もちろんVega8が良いですけど)としか考えられなくなっていますし。
GPU性能を考えるなら、それこそ、DDR4メモリの限界にぶち当たっているCezanneよりも、DDR5で確実に性能が伸びるRembrandtを待った方が良いわけです。
そんなことを言い始めたら、いつまで経ってもPC新調できませんが。

でも、だからこそ、いつ踏ん切りを付けるかで悩むんですよね。
筆者は簡単に売買できるような環境に無いので、中古を売って入れ替えるというやり方は労力ばかり掛かってほとんどお金にならないので、基本的に古いパーツは使い物にならなくなるまで使うか保管されて最終的には廃棄になります。
すると、頻繁なパーツの入れ替えはゴミの増加を招き、廃棄にも労力やコストが掛かる時代ですので、購入の頻度そのものを落としたいわけです。

そうやっていろいろと考えると、やはり、DDR4世代は既に散々先行投資してしまった自作で粘って、ThinkCentreのようなより小型で低消費電力なスマートな製品への移行はDDR5普及世代になって、そのときに自分の使い方がそれに見合っているなら、とした方が良いのかもしれません。
数年後に、やっぱもっと性能欲しい、って言って結局自作PCを続けている可能性だって、無くはないのですから。

なお、性能を妥協すると、2021年1月に出ると言われるXの付かないRyzen 5 5600でさらに¥8,400ほど出費を抑えられると予想されますので、それで妥協でも良いかもしれません。
「ASCII.jp:Zen3の圧倒的性能を発揮!「Ryzen 7 5800X」「Ryzen 9 5900X」速攻レビュー (9/9)」「TDP and Per-Core Power Draw - AMD Zen 3 Ryzen Deep Dive Review: 5950X, 5900X, 5800X and 5600X Tested」の記事などを見た感じ、5600Xの電力の使い方が図抜けてスマートで、5800X以上はとにかく電力リッチに振り過ぎている印象を受けました。
確かに高いシングル性能は魅力なのですが、そのためにつぎ込む電力が一昔前で言うところのオーバークロックですので、ここはぐっと堪えて4.4GHz以下で大人しく使った方が美味しいと言えます。
それでもRyzen 7 3700Xのブースト4.4GHzと同じクロックですし、IPC向上分の性能はまるまる享受できますので、なんら問題ありません。
Ryzen 5 3600Xと3600の差が0.2GHzですので、もし同じ差で5600が出てくるのであればベース3.5GHzブースト4.4GHzですよね。
無理の少ない電力で、それでもシングル性能はZen2の全てをぶっちぎるので、良い妥協点になるんじゃないかと期待します。

もっとも、5600相当のCezanneがDesktopに出てきてくれれば、迷いなく(とか言いながら8コアと悩むはず)そっちにすっ転びますけど。

2020-11-07 2020-11-02

この記事のタグ

PC

トゥベタ