システムを起動したままディストリビューションを変更した
Ubuntuを使用している人にはLTSが出たときのみアップグレードする、という方も多いのかも知れません(知らない)が、筆者は半年に一回の通常版を渡り歩きます。
その理由は、筆者が良く使用するアプリが機能改善やバグ修正を結構しっかりやっているため、なるべく最新版を使いたい、というのがありました。
具体的にはTexStudio,Texlive,Inkscape,Krita,Gimp辺りですかね。
逆に最新版だと不具合にぶち当たる(った)経験のトラウマで、LibreOfficeは安定版であっても最新版は追いかけたくなく、常にいっこ古いメジャーバージョン(今だと6.4.7)に入れ直します。
で、実を言うと、先に上げたInkscape,Krita,Gimpも、ディストリビューションが入れてくれるバージョンではちょっと古いことが多いのて、自分で入れ直すんです。
筆者はディストリビューションというものをちゃんと理解できていなかったので、これまで何の疑問も持たずに半年に一回、アップグレードをしてはこういう入れ直し作業をしていたんですね。
ただ、今回の20.10、筆者が使ってきたUbuntuStudioでは大きな変化が起きました。
デスクトップ環境がXfceからKDE Plasmaへと変更になったのです。
この大きな変更によりUbuntuStudio20.04から20.10へのアップグレードは推奨されておらず、新規インストールした方が良いよ的なことがどこかに書かれていました。
筆者はここで悩みまして、最初の頃は、近々ハード変更したいからそのときにまとめてやるか、とか思っていたのですが、そもそもKDEが自分の肌に合うのか、という点が気になり始めました。
それに、筆者は通常版を渡り歩くので、2021年3月でサポートが切れる、という大いなる勘違い(今はたまたま20.04なのでLTSなのでした)をしていて、ハード変更がそれより後になることも考えると、移行の検討だけでもしておこうか、と思うようになりました。
VirtualBoxにUbuntuStudio20.10を入れて様子を見てみます。
KDE PlasmaはモダンなUIの割に軽量という評判です。
ただ、筆者はUIの無駄なエフェクトって大嫌いなんですよ。
まず先にどれだけエフェクトを切れるか、ってところが非常に気になります。
ですが、不慣れなデスクトップ環境ということもあって、なかなか見つかりません。
とりあえず、見つけられたところは片っ端からOFFっていったのですが、なんかもっさりしてんなあ。
あと、これも単に筆者の調査&調整不足なんでしょうが、ショートカットが効かずにポインタ操作を余儀なくされることが多いのも嫌。
スタートメニュ―(?)の枠を広げることすらできないのはなんでじゃ?
総じて感じたのが、劣化Windows10。
Windows10も出た当初は本当に酷いものでしたが、現在では少しマシにはなってきています。
KDE Plasmaは確かに多くの人には割と好感を持たれるUIなのだろう、とは思います。
私は嫌です。
私はPCで作業をしたいのであって、UIのアニメーションを毎回堪能して悦に入りたいのではありません。
いちいち待たされるのが本当に鬱陶しいんじゃああああ!!! すっと切り替えろし!!!
ファイルマネージャなんかのノリも、いずれはこういうのにも慣れなければいけないのかもしれませんが、ほぼほぼ自分でディレクトリを整理している身からしたら、ディレクトリ構成が一目できないようにされているマネージャは使う気になれません。
まあ、こういうので、古い人間は淘汰されていくのかもしれませんが、私は古い人間ですので、シンプルに出来ていたことをわざわざ煩雑に分かりづらくされる変更って大嫌いなんですよ。
だから、メインPCのOSだってWindowsを止めたんだし。
と、愚痴っていても仕方が無いのですが、とりあえずKDEは今回は無いとして、そうすると、必然的にUbuntuStudioから離れて行かなければならないことになります。
まあ、良いか。
なんだかんだ言って、結局、筆者はUbuntuStudioのStudioならでは利点をほとんど活かせておりません。
lowlatency-kernelだって、多分、筆者にはむしろ普通のカーネルの方が向いているんだよなぁ。lowlatencyであることが重要な作業なんてしてないもん。
UbuntuStudioで標準インストールされるアプリ群も、良く使う奴は自分で最新版にインストールし直したりしているわけだし、自分でインストール出来るならディストリビューションとして拘る必要無いんだよなあ。
というわけで、ここでUbuntuStudioで続けることを断念しまして、どうせ離れるならいっそ別のデスクトップ環境、LXqtも試してみようか、と思いLubuntuもVirtualBox上で試してみました。
うん、悪くはないし、今筆者がXfce環境でやっているカスタマイズも大半は似た感じには出来る。
ただ、まあ、細かいところで機能不十分な感じはちょこっとして、まあそれくらいならアプリ入れりゃ良いんだし? とか思って「sudo apt install thunar」ってコマンド打ったところでハタと気付きました。
LXqt上でXfce(のファイラーだけだけどコアパッケージも入るんだよね)導入とかしたら、LXqtにする意味無くなるんじゃないの? って。
Xfceとの付き合いが長い分、慣れもあれば最適化カスタマイズも進んでいる、というせいも多分にあるのでしょうが、Lxqtにすることのメリットデメリットを考えたときに、そこまでして移行したいか? いいや。ってなりました。
というわけで、今回はXfceを続行する、ということで、Xubuntuへの移行をすることにしました。
筆者の現在のメインPCはAMD Ryzen 7 1700とRadeon RX550を使用していて、カーネル5.8系列でどうやらCPUもGPUも制御に手が入っているっぽく(すみません詳細は忘れましたので気になる方は各自でお調べになってください)、Ubuntu系で配布されている最新が5.8系列になっているので、Xubunutu20.10を導入しよう! となりました。
とか言いながら、実はディストリビューションを20.10に上げる前にカーネルだけ5.8genericを先に導入してlowlatencyでなくなるデメリットが無いかどうか確認してたんですけど。(^^ゞ しかも、カーネルだけ上げてheadersとかmoduleとかもろもろを上げ忘れててトラックボールが動かなくなってウワアアとかなっていたことは秘密(公開)。
sudo taskselで大きな変更もラクラクできる、……のですが、taskselって結構大雑把なやつで、インストールに使うのは良いですが、アンインストールに使うのはちょっと……って気がします。
実行中に落ちて中途半端な削除とかままありますし、デスクトップ環境の削除でなぜか自分で入れたパッケージもまとめてごっそり削除されたりします。
taskselで複数のデスクトップ環境をインストールしたりすると、同じアプリがランチャーに複数登録されたりして、めっちゃ汚くなったりします。
なので、taskselを削除で使うときは、全消しされても構わないとか、最初からやり直す、くらいの気概があるときだけにとどめた方が良いかもしれません。
筆者はtaskselで何度も入れたり削除したりを繰り返してすっかりぐちゃぐちゃになってしまったので、最終的には「Xubuntu minimal instration」のみにまで落として(削除中にコケて不完全ですが)、aptの方でxubuntu-coreとかインストールして整えることにしました。
ログアウトしたり再起動したりしなければ、既に立ち上がっているシステムが急に動かなくなったりとかしないので、ずっとGUI上でゴネゴネして(できて)いました。Windowsでは考えられん……便利だ。
どっかで20.10へのアップグレードもしたんだけど、ぐっちゃぐっちゃ作業してたので作業方法をスマートに提示することができません。ごめんね。20.10へのアップグレードのダイアログが「20.04にアップグレードしています」とかでてたのはご愛嬌だったけど。
いずれにせよですね、多少のゴミは残っているのかもしれませんが、筆者はGUIを起動したまま、UbuntuStudioからXubuntuへディストリビューションの移行を果たし、かつ、20.10へのアップグレードも無事済ますことができました。
というかですね、厳密にはUbuntuから一歩も動いてなくて、フレーバーを変更した、ってだけのことなんだろうと思います。
/homeが生きたままですので、アプリを再インストールすれば、すぐに元の設定で動いてくれます。なので、復旧が速いです。
今回の作業を通して、カーネルとデスクトップ環境が安定して動き、パッケージが充実さえしていれば、環境構築および復旧は極めて楽であることを学ぶことができました。
これだったら、ぶっちゃけ、ディストリビューションなんて要らんな、っていう勢いです。
今回、「Xubuntu minimal instration」の20.10にしたので、次回以降、上記で記したようなアップグレードのたびにアプリを再インストールするという作業も不要になるかと思います。
GUIを立ち上げたまま、ほぼほぼクリーンインストールみたいなことをしたので、今まで若干不整合というか上手くいってなかったところも幾つかすっきりしたので、気分もすっきりしました。(体調は劣悪ですが(^^ゞ)
これだったら、ArchとかGentooとかにも踏み込めるんちゃうか? ともちょびっと思ったりもしたんですけど、豊富なパッケージに助けられているからこんな戯言言えるのであろうとも思うし、そこまで環境構築ばかりに時間を掛けるのも何なので、当面はXubuntu minimalで続けてみようかと思います。
スクリーンショット
適当に撮っていたところだけ。
メニューの様子。
UbuntuStudioの時の。
Xubuntuになってから。
OSの状況表示。UbuntuStudioの時の。
UbuntuStudioも現在ではただのフレーバーということで、このような表示では普通にUbuntuって出ます。
Xubuntuになってから。
Xubuntuになった、というよりも、20.10にアップグレードしたよ、ってのが分かるだけですね。
taskselの状況。UbuntuStudioの時の。
Xubuntuになってから。
taskselが削除処理中に落ちてしまったりして幾つかのアプリが中途半端に残っていたりしますがまあ許容範囲です。
2D/3D creation〜とか*印残ってますけど、Blenderとか消えてますからね。(必要になったらaptで入れるんで別に構わない)
20.10にアップグレードしようとするときのダイアログ。
アップグレード中になると、なぜか「20.04にアップグレードしています」という文言でこちらを不安にさせてくる。(ちゃんと20.10になりました)