VaioPのポインタ暴走を直すぞ
近年、悩まされ続けたVaioP(Sony VaioP (VPCP11AKJ))のポインタ暴走。
もしかしたら、こんなことで解決したかもしれません。
マクロ撮影がどうしてもボケてしまうので見にくいとは思いますが、これ、スティックゴムの周囲にセロハンテープをぐるっと一周貼り付けています。
対処、終わり!! うっそだろ!? わらわら……
ここのところ、もう起動中ずっとポインタが右上にすっ飛ぶか稀に左下にすっ飛ぶかで作業もろくにできなかったVaioPでしたが、この処置をしただけでポインタ暴走がピタリと止まりました。
もちろん、たまに少しずつ滑っていくポインティングスティックならではの挙動は残ってはいるのですが、いわゆる、元の暴走してない状況には戻せたわけです。
本当、これまでの苦労はなんだったのだ? って感じです。
デバイスに埃が噛んだか? それとも水か? あるいはどっか固着したのか?(ずっと一方向にポインタが暴走するので) とエアダスターで吹いてみたり、ゴムを外して中の突起をペンチで掴んで折ってしまって泣きながら接着剤でくっつけ直したり、さんざん悪戦苦闘しても悪化する一方だったのに……。
もう、今からセロハンテープ貼り直すのも面倒臭いのでテープ剥がした写真は取りませんが、ゴムの側面の真ん中からやや上のところにスポンジケーキのクリーム層みたいに白い模様が層になっているのが分かりますでしょうか?
これが、ゴムをはめ込んでいるところのメッキリングとその下の部品との境目辺りと擦れて付いた傷だと思うのですが、この傷のせいで常にどこかに引っかかるようになってしまっていた、という可能性が一つ。
経年劣化でゴムが痩せて、周りとの隙間が大きくなってしまった結果、常にゴムが傾くようになってしまった、という可能性か一つ。どちらかというとこっちの可能性の方が高いような気がする。
ポインティングスティックの仕組みをしっかりと分かっているわけではないのですが、なんとも不思議な気分です。
でもなあ、暴走に手を焼いていた頃(諦める前)、ゴムを外しても暴走し続けていたような気がするんだけどなあ。どういうことなんだろう?
というわけで、2,3年諦めの放置の末に驚きの復活を果たしたVaioPですが、VaioPが使えなくなっている間にFUJITSU ARROWS Tab Q584/Hを購入したりしてベッド執筆環境を整備してしまっているので余計な出費は既に出ていってしまいました。
じゃあ、VaioPの復活は全く無駄なのか、というとそんなことはなくて、個人的に筆者の目は悪いのですが近距離視力はそれほど悪くないので、画面にぐぐーっと近寄れるVaioPの使い勝手を見直す良い機会になっています。
正直、今更インオーダーでシングルコアのAtomなんていくら当時最高峰のZ560であっても遅いし、TN液晶はVaioPの極端に小さな画面でも画面の上下で光漏れの加減が違ってて見難い。
でもキーボードは相変わらず秀逸だし、そのキーボードの小ささとポインティングデバイスもそこに収まっているお陰で、物凄く画面に寄っても作業ができるから画面が小さいというネガが打ち消せるし、ベッドに寝そべってでの入力しやすさはピカいちだと再認識しました。
まあ、FUJITSU ARROWS Tab Q584/HがBluetoothキーボードでいやな暴走の仕方をする、というせいもあるのですが、いやあ、あちらを立てればこちらが立たずでなかなかコレという環境が作れませんなあ。
Mouse WN892も液晶の質が悪いし、キーボード暴走を(USB接続の純正付属のでも)するからこれもイマイチだし。
ま、何はともあれ、使えるという状況に戻っただけでも目出度い!!
と思ったらまた暴走が増えてきたぞ
その後、ゴムに傷が付くのと同じように、貼ったセロハンテープにも傷が付くようになって徐々にポインタが漂う頻度がまた増えてきました。
改めて確認したところ、VaioPのポインティングスティックは単に超小型なジョイスティックで、そこにラバーキャップを嵌めているだけという構造であろうと判断しました。
となると、やはり、ラバーキャップの傷付きや肉痩せで常に傾いたような状態になってポインタが暴走しっぱなしになった。正しくは常にスティックが傾いた状態になるようにラバーキャップがそうさせてしまっていた、ということになります。
傷が付くにつれてまた症状がぶり返すので、傷つける側である本体のスティック穴の壁とメッキリングの内側の壁にセメダインスーパーXを薄く塗布して、ラバーキャップに傷が付かないように細工しました。
この接着剤は柔らかく固まる上に失敗しても剥がして取り除くことが比較的容易なため、このような細工には非常に便利です。
同じようにラバーキャップの方も肉痩せ対策として、この接着剤を薄く塗布して僅かに巨大化させました。
少なくとも、机の上に置いている分にはとりあえず安定してます。
あ、接着剤を塗布した表面同士が接する部分がやや引っ掛かるので、シリコンオイルスプレーを少し噴きました。
後は、ベッドの上で執筆作業をしてもポインタ暴走しないか、ってとこですね。
ベッド上だと、VaioP本体をマットレスの上に置いてキーボードを叩くことになるので、本体の揺れが激しく、そのせいかポインタ暴走が起こりやすくなるより過酷な環境なんです。
かえって暴走が酷く
シリコンオイルスプレーを噴いた辺りから明確にポインタ暴走が酷くなってきました。あれ、こんなはずじゃ……?
しかし、筆者は長い間この暴走問題から目を逸らしていたことで、ある傾向があったことをすっかり忘れていました。
でも、とりあえず、シリコンオイル拭き取るか。
よくよく記憶を辿ると、前にもシリコンオイルスプレーを噴いたことがあったので、それが(意味が無いとはいえ)必ずしも絶対悪手というわけではなかったはずなのですが、はて?
で、筆者が忘れていたこと、というのは筆者のVaioPのポインタ暴走は夏に酷くなる、ということでした。
要はこうやって後から考えてみると、あれこれ追加対策したのにかえって酷くなった、というのはちょうど日に日に気温が上昇している時期にやっていたことだったので、原因の考慮も対策も結果も全くとんちんかんでちぐはぐなことばかりだったということです。
お待たせしました。苦節数年、ポインタ暴走の本当の原因とはなんだったのか、それは。
フレキシブルケーブル抜け掛けによる接触不良
多分ね。ここ直してから、気温が上がっても暴走しなくなったし、ベッド上の不安定な置き場所でも暴走しなくなったし、たまにドリフトするという現象まで起きなくなった。
ノートPCでも割と平気で分解(タブレットもスマホも必要あれば殻割りするし)する筆者ですが、なぜか今まで、VaioPだけは分解したことが一度もありませんでした。
緻密なモバイルPCということで気後れしていたのかもしれません。
分解の記事は今でも開発チームの方が分解したという詳細な記事が残っています。(というか修理に一所懸命で写真取るのを忘れたというものあって)
記事では伝わりにくい注意点としては、バッテリーを外すのもキーボードを外すのもスライドさせてから、という点です。
嵌め込みだと決め付けて真上に引っ張ると壊れますのでご注意を。っていうか特にキーボード面の方は外し方が分からなくて、少しプレート剥がし気味になってしまった。この辺り他のノートPCで分解の経験あるから平気平気なんて高を括っていると痛い目を見ます。(筆者が見た)
あと、キーボード面からのケーブルが2本本体側に刺さっているのですが、右の太いキーボードケーブルはそのまま抜き差しが出来ますが、左の細いポインティングデバイスケーブルはくるっと回転する小さな蓋が抑えになっています。
無理に引っこ抜こうとするとこの抑えパーツをぶっ壊してしまいかねないので注意しましょう。回転ですよ!回転!
で、この左の細いポインティングデバイスケーブルを元に戻すときに、「あれ? なんか分解したときよりも随分と奥まって嵌ったような気がする」、いいえ、多分それ分解前が外れ掛けですよ〜、ってなわけです。
写真1枚も撮ってないから証明できないし、気の所為である可能性も粉バナナ程度に存在(なんだこの語句の使い回しは)します。
でも、この分解を機に一気に状態が良くなったんだよなあ。気温上がっても安定してるし。
筆者のVaioPのポインタ暴走って、酷いときはスティックゴムを外しても延々暴走してたので、画面右にあるタッチパネルでも全く操作できなかったし、スティック直接掴んであちこち倒してもまるで反応してくれずにずっと右上(たまに左下)に暴走しつづけていたんですよね。(そんなだったから、スティック強引に倒そうとして折っちゃたりしたんだよ。とほほ)
でも、そんな現象もケーブル接触不良だったと思えば、全て納得が行くんです。
状況によっては正常になることもある、という微妙な不良具合が物凄く判断を鈍らせてくれましたが。いっそ、すっきり無反応とかなってくれれば断線とかにも考えが及んだかもしれないのによお。
しかし、それにしても、VaioPはゼロスピンドルPCだし、中身ぎっしりだから、経年でケーブルが外れてくるとか考えにくいんだけど(ケーブル挿した上から抜け防止のテープも貼られてたし)、最初から微妙な抜け掛け状態だったってことなのかしらん? それとも、これがかの有名なソニータイマーってやつなのだろうか?