今更ながらスマホの電源ボタン接触不良を改善してみる
本当に今更なのは、今どきのスマホで背面のカバーを開けられるような機種はほぼ無いというところにあります。
今どきのスマホは接着しちゃっているので、そう簡単に開腹はできなくなっています。
なので一般的にこれは、例えば思いきってバッテリー交換をするために開腹した、とかでついでにやる作業になるのかもしれません。
電源ボタンの効きが悪くなる現象は恐らく、多くの場合ボタンの部品周辺の寸法関係が悪化してちゃんと押せていない状況に陥っているものと筆者は考えております。
ボタンスイッチがむき出しになっている製品など無く、大抵はスイッチの外側からおしゃれに設計されたボタン部品がスイッチを押すという仕組みになっています。
するとスイッチそのものは正常でも、その外側の部品が歪んだり凹んだりするだけで接触不良を起こします。
今回は筆者手持ちの3Gでしか接続できない、もうデータ停波されるので事実上WiFi専用機化する古い端末2機種の裏蓋を開けて電源ボタンの接触不良を改善してみます。
タブレットなどにも応用が効くかもしれませんが、開腹するときに引っ掛け爪を折ってしまわないように注意してください。
あ、あとお決まりですけど保証対象外になると思いますのでやるときは自己責任で。(筆者のはどのみち期限切れてます)
1台目はcovia FLEAZ F4 (CP-F03a 8G)。
2015年4月の購入で当時は親にも使ってもらっていたので2台所持しています。
しかしながら、音質が良い方の個体が割と早くにディスプレイ不良に陥り、横線が1本おきに消えてインターレースみたいな表示になった期間をしばらく経過した後、サイケな模様を示すのみとなり表示が変わっているであろうことすら判別不能なただの変な光発生機と化しています。
んでですね、久し振りに見てみたら電源ボタンのパーツがバラバラになってました。
分かります? 裏蓋の中に散在しているパーツの欠片。
この機種は2台持っていたので状態の良いモノをニコイチみたいにして凌いできたわけですが、バッテリーも両方ともほんのり膨張しているしいよいよもってもう駄目かもしれません。
というのも、もう1台の方も……
縦持ちしたときの画面右下(上の画像で言うと右上)のバックライトLEDが切れてしまっています。
ノートPCなんかですと、今でも2005年購入のものが正常起動するんですけど、やっぱスマホって寿命短いっすねぇ。
ただ、まあFLEAZ F4の場合は性能的に厳しいし停波だし、せっかく小型軽量でもFMラジオすら省かれている機種なので使いみちがほとんど無く、事実上Android4.4実機テストマシンにしかならない状況ではあるのですが、それでも……ねぇ?
と話題が反れまくりました。この機種はプラスチックの突起が電源ボタンを押しているだけなので、この突起が鈍るだけで接触不良のような現象を起こします。
そんなときは突起を盛るか、もしくはもう1台の方のパーツがバラバラになってしまっているとおり、このボタンパーツの反力は薄いプラ板に頼っているだけですので、補強の意味を兼ねてテープを貼り付けるだけでも多少の改善に繋がります。
例えばこんな。
こんなんでもテープの厚みの分が効いて電源ボタンの反応は改善します。(このあと、もう1枚テープ追加したけど(^^ゞ)
このやり方での注意事項は、テープの粘着が熱で溶けて周辺を汚す危険があること。また、ズレたり他のパーツを巻き込んで余計な不具合を引き起こす危険がゼロではないことにあります。
まあ、接着剤をパーツの突起に盛って固めてしまった方が安全性は高いような気もしますね。
もう1台はOukitel U22。
2017年7月の購入ですがこれも3Gまでしか対応しないので停波とともにWiFi専用機と化します。
格安機なんですがデュアルレンズカメラのハシリで、安いからとうっかり買ったら画質が悪いし撮影ラグが酷いしでデュアルの意味が皆無だった製品です。
当時の格安中華機らしくアップデートもほとんど無いままなんですが、ここまで愚痴ったこと以外は割と出来が良くてそんなに不満は無い機種です。スペアのバッテリーも購入しちゃってますし。
(ここ追記)ってすっかり忘れていたんだが、USBの穴が深くて一般的なケーブルだとちゃんと刺さらないという問題があって最終的にケースのUSB穴周辺を削って掘って普通のケーブルでも刺さるように調整していたんだった。こういう中華の勝手なところはやっぱ嫌いよね。(追記ここまで)
ただ、これも電源ボタンの反応が悪くなってます。
もう裏蓋開けてネジまで取ってますけど。
こちらの接触不良の原因はちょっと違ってまして。電源ボタンの部分のカバーをこじ開けてみますね。
画像の左が電源ボタンの部品。そこから右に向かってフラットケーブルが伸びています。
ボタンは画像奥から押される方向です。
んで、注目していただきたいのがココ!
同じ画像で赤くした部分。ここが全くの空洞になっています。つまり、暖簾に腕押し状態になっているんですね。
ちなみに画像は取れていませんが、このカバーになっている白いプラスチック部品の裏にも目立った突起は無く(というか摩耗したか潰れた?)、マジで空を押している状態でした。
そりゃ新品のうちはそれでも反応するだろうけど、ヘタるよね。ヘタって反ったままの形になって、どう押してもスイッチ全体がいっぺんに動いてしまって接触はしてくれない、と。
というわけで、これはDaisoのデンタルピック。プラスチック製の爪楊枝なんですけど、これを適当な大きさに切って、空洞に押し込んでみます。
ちゃんと大きさを調整したら、すっぽりと空洞に収まって、カバーをハメても浮きもしません。
つまりは本当にこれだけの空洞が出来ていて電源ボタンの接触を阻害していた、ということになります。びっくりだ。
その後、使用に全く問題無し。電源ボタンの反応も非常に良くなりました。中に放り込んだ部品が大き過ぎると押しっぱなし状態になってしまう懸念もあったのですが今回は上手くいきました。
ただ、色んな押し方を試してみると多少の取り零しはまだ残っているみたい。でも、これまでのグリグリ押し込んで反応するのを待つ、という惨状を考えれば上出来です。
こちらはブツを放り込んだだけですし、良い具合に空洞にハマってカバーで抑えられているので暴れてどっか別の場所に飛んでしまうことも無く、熱で溶けるほどでも無いので安心して使い続けられそうです。
U22はMT6580という非力なSoCなのですがRAM2GB搭載で最低限のラインをギリギリ保持している機種なのでまだまだ使いみちはありそうです。
アップデートが来ないとはいえAndroid7ですので、まだGooglePlayからもハブられてませんし。
まあ、貧弱小型タブレット的な位置づけにしかなりませんが、スペアバッテリーもあることだし、なんかしらに使えることでしょう。……(^^ゞ)
接触不良ばかりじゃなかった
その後の経過で、Oukitel U22の調子が思わしくなく、いろいろと試行錯誤していました。
一旦動きが良くなって、ケースを組み立て直すとまた動きが渋くなる、みたいな感じで、どう調整しても上手くいきません。
その一方で、ボリュームボタンの方がさらに状況が悪いことに気付きました。
前からなのか、電源ボタンの接触不良を直そうとし始めてからなのか分かりませんが、電源ボタン以上に反応が悪く、というかほとんど反応しません。
無理やり強く押すと、ボリューム上下両方を無理くり押したときにたまにボリュームが下がる方向に動くことがある、なんていう有様です。
で、結構苦労して、開腹しているときは上手く機能するように調整出来ても、ケースを組み立て直すとまた元の状態に戻ったり、というようなことを数十回繰り返してほとほと疲れたのですが、結論を申しますと……
接触不良を気にし過ぎて逆に接触しっぱなしになっていた。
ということだと思われます。
Oukitel U22のボタンは金属の離れているパターン(回路)が基面にあって、その反対面には小皿というか平皿というか、ほんのり反り返っている金属チップがあります。
この反りが押されると変形して離れているパターン部分にくっついて導通する、という形になっていて同時にこの反りの変形がそのままクリック感の演出もしています。
接触不良ばかりを気にしていたときはこのクリック感が無くなってしまっても仕方無い、ボタンとして機能することが優先だ、と思い込んで強く接触する方向の補強ばかりしていました。
しかし、これをやり過ぎると流石に接触しっぱなし、という状況になります。
それは電源ボタンの方で、再起動を延々と繰り返すようになってしまったことで気付くことができました。
「あっこれ、電源ボタン長押ししっぱなしの動きだ……」
Oukitel U22は起動時に電源ボタンを押しっぱなしにしてロゴが現れるまでの間、近接センサーか何か分かりませんが極弱く赤外線主体と思われる光を発します。
起動仕掛けてはロゴが途中で消えて、またすぐ極弱い赤い光が通話口横の暗窓から見える、という状態になったんですね。
それで、長押しで強制電源オフして、また起動動作を繰り返す、という状態になっていたことが判明したわけです。
そこまで来てようやく、接触不良どころかくっつきっ放しだった、ということに気付きました。
そうした目で改めて見てみると、特にボリュームボタンなんてクリック感がちゃんとあるのにボタンの反応が無い。
つまりはこれ、押すと反りが変形するパーツが元に戻っても接触が解けない、基面側の剛性不足の問題だったみたいなんです。
基面側の剛性不足という観点は接触不良を疑っていたときからずっと持っていました。
だから、Oukitel U22では基面の裏から支える形で異物を仕込んだのです。
でもそれだけでは押した後で接触が離れてくれないという現象の改善が非常に限定的だったのです。
というわけで、この基面と反り返った金属小皿の面とを引き離して清掃してみます。
筆者がテープを貼ってみたりしていたせいなのか、粘着力が双方の面の間に働いてしまっているように想いました。
部品の位置をちゃんと反り返っている金属チップの中央を押せるように慎重に位置取りして、戻してみます。
ボリュームボタンの機能が復活しました。やはり、接触不良ではなくて常時接触状態に陥ってたみたいです。
電源ボタンの方はクリック感が死んだままなのですが、こちらは異物を無くしてしまうと基面の剛性不足によりまたすぐ癒着してしまうので、剛性補強を無くすわけにはいきませんでした。
反応が悪いからと強く押すと、それだけ癒着が進んでより反応が悪くなる、という悪循環にすぐ陥ってしまいます。
ただ、仕込んでいる異物はちょっと材質を大きさと仕込む位置を変えました。
本当はこういうところをきちんと写真に収めるべきなんですが、試行錯誤でケースの開け締めを何十回もおこなって、このOukitel U22小さなネジがやたらと多いので凄く面倒なのよ。
疲れ果ててしまって当分は開けたくない(開けてまた状態が悪化したら目も当てられない)ので、とりあえず記録残しだけで画像がありません。ごめんね。疲れた……