クリアクリーン ダブルプラス
久し振りにコンピューティングデバイス関連から外れた話題です。
製造終了してから初めて使用した歯磨き粉ですが、筆者にとってはかなり特別な存在なので特別に記事を書きました。
筆者は唾液の分泌が弱く、歯の再石灰化能力が高くありません。
そのせいか、歯石とは無縁な一方、基本的に歯は痩せ衰えていくばかりです。
骨粗鬆症かのように歯が軽くスカスカで脆くなり、部分的に欠けることたまにあります。
ブラック勤めで死にかけていた頃に酸蝕歯であちこち溶けて、ちょっとしたことで歯が沁みたりします。
当然、気には掛けていていろんなことを試したのですが、どうしても『良くて現状維持』という結果しか得られませんでした。
奥歯なんかは地味に虫歯が進行したりして、もうスカスカな歯にびっちり歯周病菌が住み込んじゃっているのでいくら殺菌してもほとんど効果が無いんですね。
あるとき、とうとう奥歯の一つが真っ二つに割れてその片割れが取れてしまったのですが、これが歯が丸ごと臭い虫歯の匂いなんです。
黒いところなんて逆に無かったんですよ。
それでも歯全体が虫歯の匂い。
アルコールとかで拭き取っても全然消えない。
完全に全体的に菌にやられた感じになっていました。
筆者は風呂場で湯船に浸かっているときに歯を磨くのですが、例えば液体ハミガキのリステリントータルケアのアルコール入りを口に含んだまま吐き出さずに10分~20分くらい歯を磨いて、満遍なく全ての歯に行き渡るように姿勢を変えたり歯の隙間を勢い良く通すように口を動かしたりして念入りに殺菌するのですが、それでもこんな有様だったわけです。
マウスピースにMIPaste仕込んで就寝したりとかもしたのですが、睡眠が浅くなるし、何度もやっていると慣れてきて唾液の分泌がまた減ってきてしまいます。(それでもまあ、マウスピースで唾液分泌促進は歯の再石灰化には有効だったとは思いますが。)
どんな手打ってもほとんど効果が無くて絶望していたときに出会った何気ない歯磨き粉クリアクリーン ダブルプラス。
これ、筆者はそもそも何の期待もしていなくて、手広く試してみようとして手を伸ばした品のうちの一つに過ぎませんでした。
当時の筆者は殺菌を重視していて、やれIPMPだCPCだ両方だ、とそんなことばかり気にしていましたし、フッ素の配合量にしても日本での限度が1000ppmから1500ppmに引き上げられたのに合わせて950ppmから1450ppmに増やされた製品を重要視していました。
そんな中でクリアクリーン ダブルプラスは殺菌剤が入っておらず、フッ素についても歯磨き粉に良く使われるフッ素化合物が2種類同梱しているという特徴がありながらも配合量そのものは恐らく規制引き上げ前の水準に留まっている、という当時の筆者の目には留まらないような製品でした。
そんなわけで、試しに購入はしてみたものの、他にも試しで購入した製品は多種多様にあって、試用が後回しにされていたのですが……。
初めて試用した瞬間になんじゃこりゃ~~~!!!!ってなりましたね。
この歯磨き粉、口に入れた瞬間から異彩を放っていました。
まず、その風味。いわゆるミント系である点は他の歯磨き粉と同じなのですが、爽やかさのベクトルが全然違います。
これを味わっちゃうと、他のミント系歯磨き粉ってツンとした刺激で誤魔化しているって感じになってしまいます。
いわゆる、すりおろしたて本わさびと水溶き粉わさびの差みたいな、そんな差を感じます。
クリアクリーン ダブルプラスは爽やかだけれども、ツンとはしないんですよ。
そして、ここからが本題!
磨き始めてすぐに歯の汚れの匂いがミントに混ざってきました。
他の歯磨き粉や液体ハミガキでも歯を磨いているうちに、「ああ、だいぶ汚れカスが混ざってきたな」って分かることはあるにはあるのですが、こんなにすぐにハッキリと分かったのはこの歯磨き粉が初めてです。
そして、磨いているうちに、キュキュッて音がするというか、そういう感じに歯の表面がなります。
あの、食器用洗剤の宣伝みたいな感覚が歯の、特に奥歯の側面の比較的広くなだらかな面でキュッキュ言います。
極めつけは、歯を磨いている最中から既になんとなく歯の再石灰化が進んでいるような、歯が丈夫になっていっているような、そんな感じがしました。
筆者は睡眠の取り方に失敗したときや体調が悪いときなんかに歯茎が下がったりして沁みやすくなる歯があるのですが、そういう沁みる歯を少し沁みるのを我慢して磨いていると、だんだん沁みなくなってくるんです。
いろんな歯磨き粉を試す中で知覚過敏向けの製品を試したことも勿論あるのですが、筆者にはまるで効きませんでした。
それが、この歯磨き粉だと効き目がある。知覚過敏なんて一言も書いてないのに。
その秘密は裏に書かれています。
カルシウム補給助剤:キシリトール
助剤:乳酸カルシウム
吸着促進剤:グリセロリン酸カルシウム
2種類のフッ素化合物も効果があるのかもしれませんが、しかし、他の歯磨き粉とは大きく異彩を放つ豪華なカルシウム化合物と助剤。
筆者の感覚でしか言えませんが、磨いているそばから骨粗鬆症の骨の隙間が埋められていくかのような、そんな感覚を覚えます。
「最高でも現状維持」としか思えなかった歯のケアの中で、現状維持を飛び越えて歯質強化を実感できたのはこの製品が初、で今のところ唯一です。
もちろん、筆者は全種類の歯磨き粉を試したわけではないので他にも存在するかもしれませんが、昔ためしたアパタイトも駄目だったし、稀有な存在であることは間違い無いです。
さらにさらに!
翌朝の口中が歯磨き直後の状態とほとんど変わらないのにも凄く驚きました。
口中に分泌される唾液がさらさらと清流のようです。
正直、この辺りはIPMPもCPCもLSSも何の殺菌剤も配合されていないこの歯磨き粉でこんなに口中の爽やかさが持続するなんて期待していなかったのですが、この結果を実体験した結果、筆者の中の殺菌信仰がガラガラと崩れました。
たくさん買い込んだリステリンどうしよ……。ま、徐々に使いますけども。
磨いている最中から筆者にとっては効果てきめんなので、もっと隅々まで届かせたいという思いが強くなり、それが結果的により丁寧な歯垢除去にも繋がっているという連鎖もありますが、いやしかしこれは別格です。
慌てて調べてみると、生産終了!………………筆者のいつもの。
筆者いっつもこういう終わる製品、終わった製品に凄く縁があって、今回は試用したのが既に生産終了後だったのですが、筆者が好むと終わるという製品も本当に多くて、まるで死神みたいですわ筆者。
でも、まだ在庫抱えているところがちょっと値段上げてるけどあるにはある。で、取り敢えず急ぎ追加で5個購入しています。
もっと買っても良いような気もするのですが、そもそも筆者はいろんなものを試そうとして既に歯磨き粉の在庫が山ほどあって消費が追いつきません。
歯磨き粉の使用量もそんなに多い方ではない(結構長時間磨くので泡が口から溢れるほどになる事態は避けたい)ので、多分一日に0.5gとかそんなレベルでしか消費しないので、歯磨き粉1本をそれだけ連続で使用しても半年以上持つんですよ。
さらに、日によって使う歯磨き粉を変えているので、1本使い切るのに1年以上平気で掛かります。
するとですね、いくら気に入ってるからといっても5本もあれば6~7年くらいは持つ計算になります。
そうなると製品そのもの劣化とか、ラミネートチューブに入っていても地味に水分が蒸発したりするので固まっちゃったりする懸念とかが生じてくるわけです。
それに、あまり期待は出来ないけれども、コレ以上の製品が世に出てくる可能性もゼロではない。
というわけで5本の追加で自重しました。
なお、これの後継になるのかどうか分かりませんけど、高級バージョンも含めて配合量は分かりませんが配合種類は減らされていますので、これだけいろいろと再石灰化に関わる成分を配合してくれている製品は残念ながらコレが最後です。今のところ。
で、なぜコレがそんな孤高みたいな存在になるのか、という話なのですが、この製品実は中が2種類の全く異なるペーストになっています。
ラミネートチューブの中がさらに2つのチューブに分けられているんですよ。
色違いを層状にぶち込んでいるわけではないんです。
恐らく2種類のフッ素化合物が予め混ざっていては不都合があると思われ、内部で混ざらないように完全に分けられているんです。
こんな高コストな作りをしているので、そりゃあ残念ですが製造終了になるってもんですよ。
むしろ逆によく一時的にでも製造販売を許してくれたものだと思います。
しかも、これ高級ブランドじゃなくて普及価格帯向けですからね。他で言うとGUMとかシステマEX辺りの。
ただ、そうして完全2種を分けたことの問題もちょっとあるにはあります。
良く言われるのが白と青のペーストの硬さが大きく異なっていて、最初は柔らかい青のペーストばっかり出てきて、先に青が尽きて、最後の方は白ばっかりになるという問題。
本当は均等に出てきて欲しいのですが、筆者も最初はこうなりました。
今はほぼ均等に出す方法を編み出したので筆者としてこの問題は解決しました。
その方法とは、上向きにして白ペースト側を中心に押し出す、というものです。
青の方が柔らかくて簡単に出てきてしまうので、下向きにすると下手すると押さなくても青が垂れてきてしまいます。
垂れると元に戻せなくなってしまうのですが、上向きにしていると、仮に青を多く押し出してしまっても押す出す指を緩めれば再びチューブの中に引っ込みます。
そうして、白が出始めればそれなりに白も出るようになるので、つまり、白って硬めなので出だしが遅いといういわゆる便秘のうんこの出だしと一緒みたいな感じで出口に近いところが水分が飛んでより硬く出難くなっているんですよね。
だから、一旦白が動きだせば、そこから先はそこそこ均等に出て来るようになるので、白を中心に押しながら上向きにしていたものを徐々に横向きにして歯ブラシに乗せます。
慣れれば結構均等にできますよ。
筆者はこの程度の問題くらい気にならないほどこの歯磨き粉を気に入っているので、これくらいの工夫文句言わずにやりますよ。
ただ、いくら良いからといって、連日で使用しているとその有難みは減ってきます。
多分、一回でほぼ完璧に近いくらいのカルシウム吸着ができてしまうので、連日使用するとあんまり効果を実感できなくなるんですね。
筆者は他にも試しで購入してしまった歯磨き粉が山ほどあってそれの消費もしないといけないので、数日おきの使用にとどめています。
もしくは、ちょっと歯が弱ったような気がしたら使う、とかね。
なお、この製品とはベクトルが異なりますが今のところ筆者が試した中での次点はシステマ ハグキプラスです。
ハグキプラスはその名の通りちょっと歯茎の状態が良くなるのと歯の状況も悪くは無い感じでして今のところ「現状維持」よりも多少なりともプラス方向の恩恵を感じられる製品は筆者の中ではこの2製品に限られますね。