AVPCの紆余曲折
今回はいつにも増してチラシの裏な記事です。まあ、99.99999%見る人が自分しかいないので自分で後で見返す用……本当にチラシの裏じゃないか!
HDDやSSDにしまっておくと埋もれてしまうのでこうしてWeb記事化することにも多少の意味はあります。(言い訳
さて、ゾーニングの都合上詳しい用途は言えないのですが(こういう言い方をするだけで「あっ」察し……てなると思いますが。便利ねぇ〜)筆者は動画再生専用のPCというものを、もうかれこれ四半世紀近く(詳しくは覚えていない)作って使って来ています。
これがどういう要件で作られてきたか軽くまとめてみましょう。
- HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着して映像を鑑賞する
- 動画の他に静止画のスライドショーも見る
- 好みの再生時間に素早く辿り着くために自前でチャプター管理する
- ファイル数が多く、また気分によって見たいモノが変わったりするのでランダム再生も必須
- 多種多様なコンテンツをザッピングするためそれなりに反応が良いシステムにしたい
- HMDで視界が覆われている状態でも手探りで分かりやすく操作したいのでJoyPadを操作デバイスとして使用
- 映像鑑賞なので騒音は少ない方が良い。また、消費電力も極力抑えたい
- 余計なお金は掛けたくないのでなるべく余りパーツで揃える
HMDといっても現在のVR用のものではなく、単純に2Dのデスクトップ画面に映像流して見るだけの昔ながらのHMDです。
古くはOLYMPUSのEye-Trek。これが筆者の初HMDでした。確か、当時ほぼ5万円した記憶。
このときは映像入力がS端子だったので、PC側でS端子を持つパーツが必須でした。
バルクのHDDを仕込めるメディアプレーヤーみたいなものが当時はあって、それもかなり検討した(もしかしたら購入したかもだけどもう記憶にありません)のですが、この手のデバイスって現在でも言えることなのですが、再生できるフォーマットに制限があったりランダム再生できなかったりシークが遅かったりと、連続再生には向いていても筆者みたいにガンガンザッピングして再生位置飛ばしてなんていう使い方について来れるような製品は無いと言って良く、結局は自作PCでなんとかするのが一番の得策、という状態のまま早四半世紀経過です。
動画再生支援は重要だったのですが3Dは不要だった(当時の話です。今はなんか最初から3Dで描画してるっぽいですね拡大縮小で有利だからかな?知らんけど。間違ってたらゴメンけど)のと、当時はまだ現在みたいにGPUがSoCに内蔵なんてことはなく、それどころかGPU付きチップセットなんてものも出る前の時代ですので、当時の記憶に残っている一例を挙げますと、Intel Pentium!!! (Coppermine)のFSBを定格の133MHzから100MHzに落としてクロック400MHzとして使用し当然コア電圧は設定できる最低限の1.05V駆動、GPUにはRageMobilityという消費電力の少なそうなモノを使用していました(CPUはファンレス、GPUはFANどころかヒートシンクレスだったと思う)。
最初の頃は解像度640x480が基本で、動画はMPEG2だったので、この辺りでも実用にはなったんですね。ちなみに、動画再生に強いなんて豪語していたのでRise mP6 (0.25µm)なんかにもチャレンジしてみたりもしましたが全然ダメでしたね。まだ普通にAMD K6-2+とかの方がマシだった記憶があります。
筆者はかなりPCパーツ入れ替え魔だったので、その後システム変更回数は数知れずとなるのですが、どうしてもHMDの入力がS端子という縛りがあったので、一時期はその影響が新規購入パーツなんかにも現れていましたね。
GPU付きチップセットが出てからはS端子出力を持つマザーボードばかりを選んでいました。
Leadtek K7NCR18G-Pro、M7NCG400 V7.2、RS482M4-ILD、TA690G AM2なんかはモロにAVPCを意識したパーツ選択をしています。
筆者の扱いが悪くて、暫く使っている間に配線を一方向に捻り続けてしまったみたいでそのうちEye-Trekが断線してしまいます。
配線真っ直ぐにしていたつもりが捻ってた、というね。まぁ、いつの間にか画面にも擦り傷が沢山付いてしまって画像がボヤケてしまってもいたのでここでHMDを買い替えます。
次に購入したHMDはZuvixのWrap920でした。
こいつを購入したときにはもうS端子とかAV端子を持つPCパーツを保持するということが大変難しくなっていまして、PCパーツの自由度を得るためにオプションでD-Sub変換部品を購入しまして、これでD-Sub端子を持つPCに接続できるようになりましたので、ここである程度PCパーツ選択の制限が緩和されました。
ただ、こいつ、画角が小さくてねぇ。
解像度も相変わらず640x480で、画面が遠く小さく感じます。
D-Sub変換部品込みでもEye-Trekよりは安価に済みはしたのですが、ぶっちゃけ不満たらたらでした。でも、確かもうそのとき既にEye-Trekは販売終了していたはず。
んで、このときでもまだ筆者の悪い癖が治ってなくて、配線真っ直ぐにしたつもりで実はいつも同じ方向に捻ってしまっている、ということを気付いていなくて続けてしまっていて、こちらもそのうち断線気味になってきてしまいます。
ただ、ここいら辺りで軽くHMDブームが起こりまして、価格が下落し、入力もHDMI端子とかなってきました。
そこで、筆者はまだ完全には壊れてはいないZuvixを早々に見限りまして、ThankoのFHDWRK5Hに手を出します。
これがまあ、若干不満点はあるものの、これまでと比べたら天国でして、筆者はセールになったときにスペアを購入していて同じ製品を2つ所持しています。
その後、レンズ焦点距離を変えられる改良版が発売されて近眼の筆者は「うわっ早まった!」と後悔したのですが、流石にそこで追加購入するわけにはいかず泣く泣くスルーしました。これが多分7年前くらいです。
で、Zuvixの壊れかけで配線を捻り切ろうとしてしまっていることに気付きまして、FHDWRK5Hでは気を付けている結果、現時点でも1台目が布とかボロボロになりながらも生きていまして、2台目はまだ動作確認のみの未使用保管状態で保持しています。
時代がVRに移ってしまって、またスマホを箱に収める形態が主流になってしまって、こういうシンプルなディスプレイとしてのHMDはほぼ絶滅状態なので、割とこの予備で買った2台目が筆者のHMDライフの生命線です。
んで、このFHDWRK5Hですが、HDMI入力なので最近のPCとは相性が良いです。筆者環境のHDMI導入はもの凄く遅くてずっとDVIに固執していたのでパーツが揃わず、少し古いパーツを使おうとしても使えなくて当初は苦労しましたが、流石に2023年ともなると筆者の手持ちでもHDMI機器は潤沢に所持するようになりましたので、流石にもう困りません。
解像度は1280x800とHDに毛が生えた程度で物足りないかもしれませんが、その前は640x480のVGAだったので割と雲泥の差。
逆に筆者の手持ちコンテンツの解像度がそんなに高くないまま(新規購入とかほぼしなく(出来なく)なっているので)で、コンテンツの解像度はDVDの720x480とかだったりするので割と必要十分な良い解像度だと思っています。
地味に嬉しいのが1280x720ではなくて1280x800と縦に少し長いこと。
画角広く見たいので縦720だとちょっと縦物足りないんですよね。もちろん16:9のコンテンツは上下に黒帯が出来るだけで720pでも変わらないのですが、そうではないコンテンツも沢山あるので(静止画スライドショーなんか自作切り貼りなので)。
あ、だから、640x480⇒1280x800に変わったところで静止画コンテンツ全部作り直したんだよね。一遍に出来ない量だったから時間掛けてゆっくり移行。
FHDWRK5Hは画角がかなり広くできる方で、その点では下手すると今他の製品を購入しても画角が狭くなる危険の方が高いため安易に移行できないし、もうここから解像度変更とか作業量的に厳しいのでできればしたくないです。
もうFHDWRK5Hと心中やんけ筆者。
さて、良いことばかりとは言えないFHDWRK5Hの不満点ですが、既出ですがレンズ焦点距離を調整できる改良版の方を複数台所持しておきたかった、ってのがまず1点。
色再現性があまり良くないというのが、映像鑑賞主体のHMDとして不満なのがもう1点。
あとこれが地味にキツかったのが、モノは1280x800なのに、PC等に自動認識されるのは1280x720となる点。です。
いちいち手修正とかやってられないので、起動の仕方を工夫したり(例えばPCを先に起動させてしまうと画面無し状態で起動してしまいHMDの電源が入ったところで自動認識になってしまうので、先にHMDを立ち上げてPCが起動したときにはもう前回と同じディスプレイが接続されているので変更や自動認識の必要無し、という動きに持って行かなければならないとか)結構面倒でした。というか、今もその面倒な部分が全面解決できていません。
恐らく、世の既成のコンテンツは縦横比16:9が圧倒的なのでこの製品も1280x720で使えれば良いやとしか思っていなくて1280x800なのは単にパネル調達の都合上の産物でしかないような気はするのですが、いやしかし、筆者はこの解像度と縦横比がこの製品の最大の美点とも思っているので、うーん、だってやっぱ16:9って縦が狭過ぎると思うのよね、HMDに限らず、PCのディスプレイとして。
んでですね、このHMDになってからは解像度も上がったしMPEG4コンテンツが増えてきたこともあってPCの方も性能要求レベルが上がって来ていました。といっても、たかだか1280x800なのでそんなに大騒ぎするほどのものではないのですが。
それでも紆余曲折、かなり変更を重ねて来ているのはやはり画質とザッピング性能、消費電力等の兼ね合いで筆者が右往左往していたからに他なりません。
ここ最近の構成の変遷を辿ると。
- DN2800MT
Atom N2600搭載の非力なシステム。『今更DN2800MTで開発環境を構築してみる』なんて記事もあったり。再生そのものは出来なくはないが綺麗な拡大とかOSD表示とか+αは一切望めないギリギリな感じ。しかも、なんか色が変。 - GA-A75M-UD2H
A6-3500を載せて。性能余力があるので低電圧化してクロック制限して消費電力低減を図っていた。近年はシステムが不安定になってしまってOSインストールが完了した辺りからグズグズと壊れていくのでもうこれを使ってシステムは組めないと考えている。 - Mouse WN892
MicroSDにコンテンツを詰めて検証してみたが、再生そのものは可能なもののやはり操作が軽快とは言い難く、また、JoyPadとHMDでUSBが最低でも2ポート必要になるのだが、WN892は充電兼用の1ポートしか存在しないためHMDの電力供給は別に考えるなどさらなる工夫が必要になるなど全般的に苦労する上にあまり実りが無い。 - Sony VaioE (VPCEB4AFJ)
A6-3500同等くらいのパフォーマンスは出せるので暫くこれをAVPCとして使用していた。うちではこれでも未だに最高性能のノートPCなので勿体無い気もしたがそもそもパフォーマンスが必要な用途にノートPCなど使わないのとクリックボタンの反応が悪くなっていたのでAVPCにした。 - FUJITSU ARROWS Tab Q507/PE
元はベッド物書き用のつもりではあったがAVPC用も見越してHDMI端子(正確にはMicroHDMIだか変換ケーブルも買っておいたので)のあるタブレットPCを調達した。ストレージがMicroSDになってしまうがUSBポートも足りるし一時期はこれでパフォーマンスにも納得していたので当面これで良いかと思っていたのだが。 - B85MPro4
i5-4570Sを載せて。2019年まで6年間メインPCとして使用していたもののお下がり。現メインPCのバックアップおよびdGPUを装着してドラゴンクエストビルダーズ2プレイ用として保存しておいたが結局使うことが無いまま時間だけが経過するのでこちらをAVPCに採用した。
筆者は古いコンテンツをいつまでも大切に再使用していますので1280x800のHMDでも拡大再生になることが多いのですが、ここで綺麗に拡大できる性能を持つPCが上記の中でどれだけあったかというと……実は一番下のi5-4570S以外はパフォーマンスに大きな劣化が見られてザッピングの多い筆者の用途には見合わなかったというのが正直なところで、それがここまでいくつも機種を跨いで変更してきた大きな要因かもしれません。
あと、OSの問題。
ぶっちゃけ筆者Windowsあんまり好きじゃないんですよ。アップデート頻度がアホみたいに高いうえに物凄く時間取るじゃないですか。
なので、筆者は極力そういうのを避けたいと思ってA6-3500ではWindowsXP、DN2800MTやVaioEではWindows7でシステム組んでたんですね。要はサポート期間終わってるからアップデートが降ってくる心配が無いというやつ。
XPだとディスプレイの自動認識をしてくれないのでPCよりも先にHMDが立ち上がってくれてないといけませんでした。
そういう意味ではWindows7で安定といえば安定だったのかもしれません。
長年苦労してきたプレーヤー問題。
こんなネタを今頃書いているということは何かしらドラスティックな変更があって大きく状況が改善したからなんですが、実を言うと今はOSもPlayerもがらりと変更したんです。
Windowsに組み合わせていたのはMPC-HCでした(現在でも開発を続けてくれている版です)。
長年お世話になったのであまり悪く言うつもりはないのですが、こうして脱却した現在からすると結構癖のあったPlayerだったように思います。
それでも、筆者の中ではHMD+JoyPadで大方の操作が完結できるというAVPCのシステムに組み込むには最適だったのでずっとここに固執していたんです。ランダム再生と順再生を比較的楽に切り替えできるのも大きかった。
設定がかなりナーバスでFFMpegで作成したスライドショーの再生を正常に行うには結構シビアな設定を要求されました。
特に困ったのが静止画のスライドショーには音声が無いのですが、動画再生から静止画に切り替わったときに前の動画の音声バッファに残っている部分を延々と再生するというトンデモ仕様があって、音声バッファといってもmsレベルの短さなのでそんなの繰り返されても確実にノイズでしかないのですが、これには本当に困った結果、現在の静止画スライドショーには冒頭100msだけ無音の音声を付与して音声バッファを無音で埋め尽くすというアホみたいな対策をするハメになっています。しかもその無音ファイルはmp3とかm4aとかで圧縮しているとダメで、いろいろ試した結果wavでないと無音をバッファに溜め込んではくれませんでした。wavだと100msでも結構な容量食うので静止画ファイルの容量が増加してしまいました。ってか、これ書いててようやく気がついたけどこんな無駄音声もういらないよね。消せるわ、嬉しい……!。(100ms無音wavファイルが9.4KBだったのに音声外しても2KB弱くらいしか容量削減にならなかったのは誤算でしたが)
こうしてWindowsならではのバッドノウハウみたいな対処を施しても、OSDの表示が消えるときに静止画の画質が変わったり、場合によっては数枚先にまで飛んでしまったり次のファイルに再生が飛んでしまったり、とバグのような挙動もあってちょっと袋小路感というか行き詰まり感はあったんですよね。
他に移ってシステム組み直すのがエライ大変だと思っていたのでなかなか移行できなかったのですが。
JoyPadの入力をキー操作やカーソル操作、コマンド発行などに変換するのはAutoHotKeyを使用していました。
十字パッドにABXYLRボタンにSelect,Startというボタン構成のパッドで、単入力だと12通りしか操作指定出来ないので2ボタン同時押しとかで操作のバリエーションを増やしていました。
再生開始・停止やファイル移動、早戻し先送り小と大、チャプター移動、ランダム再生切り替えなどの基本操作の他、ほとんど使いませんが音量調整、Saturation、Hue、Contrast調整なども出来るようにし、AltTabでウィンドウ切り替えやAltF4とEnterでシャットダウンもJoyPadで出来るようにしていました。
コンテンツというかファイル数も年を追うごとに増えてきて1000近くあります。ので、再生するときもプレイリストに全部乗っけるだけでなく、傾向で分けたプレイリストを複数用意して、どのプレイリストを再生するかもJoyPadの押し方で選択出来るようにしていました。
一方でそのプレイリストもいちいち自分の手でメンテナンスしていると超大変なので、ファイル名に一定の規則を設けて、そのファイル名の特定の桁を見てプレイリストを分別するようなプログラムを組んで、それもJoyPadから起動できるようにしてファイルが増えてもプレイリストは自動作成できるようにしていました。
んでまあ、今回思い切って脱獄をですね、ええ、筆者メインPCはUbuntu系列(UbuntuStudio→Xubuntu)にしてもう6年が経過しているというのにAVPCがいつまでもWindowsっていうのも……ただ、Linuxを導入しにくいPCというのもありますので。
今回B85MPro4にXubuntuの組み合わせで新規AVPCを組めたのはちょっとした筆者の気付きがあったからです。
実はこのAVPC、使用する場所がベッドなので(まあ冒頭でお察しよね)置き場所に結構困ります。
それもあってノートPCやタブレットPCを使ってみたり、MiniITXであるDN2800MTなどを使ってきたんですね。
GA-A75M-UD2Hは例外的にMicroATXマザーで結構大きいんですが、このとき筆者は余り木材を主体としたケースを適当に自作して使っていました。
ただ、そのせいかどうかはハッキリしないのですがその後GA-A75M-UD2Hのシステムは不安定になってしまったので、ちょっとこの自作ケースは封印したんです。
そうなるとうちにはMicroATXマザーが格納できる小さいケースってのが無かったんですね。横置き型のケースが昔あったのですが何かのタイミングで処分してしまったんですよね。まあそれも小さくはなかったんですが。
置き場が無いと思ってずっと見送っていて、ときどきスリムMicroATXケースとか物色したりもしたのですが、どう考えてもこの分野に新規投資は割に合わない。ぶっちゃけ、筆者的にはもう自作PCはオワコンなので、自作PCケースの新規購入なんてゴミの増加にしか考えられなかったんです。しかも結構高価だし。
しかしある日、ひょんなことから手持ちのPCケースで上手いこと収まる場所と置き方を発見してしまいまして。
R520LiというMicroではない普通のATXも収められるケースではあるのですが、ATX電源も収められつつも比較的薄型で小型。奥行きは大きいのですが高さが小さめ。電源ユニットの置き場所をマザーボードの上ではなくて前にしたことで高さを抑えた設計だったのです。
当然これをどうにかして置くことも何度も考えてはいたのですが、なぜかずっと縦置きすることしか考えてなくて、というか、横置きも考えてたいたのですが横置きしようとしていた場所ではどうしても奥行き不足で大きく出っ張ってしまうので諦めていて、それとは別の場所では横置きを全く考えず縦置きしか考えずにそれも収まりが悪くて躊躇してました。しかし、その場所にちょっと横置きしてみたら、ぴったり収まるではないですか!
んで、急遽B85MPro4を組み込んでシステム組み始めたんです。
Xubuntuですといきなりアップデートが始まって大きくリソース奪って映像再生パフォーマンスを阻害するなんてことは絶対に無いので安心です。
再生プレーヤーにはMPVを採用しました。メインPCでも使用しているので馴染みがあるのと、ずっと長いことランダム再生と順再生の切り替えがMPVでは出来ないと思っていて移行に踏み切れてなかったのですが、ちょっと工夫すればなんとかなることが発覚したのでこれもシステム移行の後押しになりました。
問題はJoyPadの入力から各種指示を出すところですよね。AutoHotKeyのLinux版とか探すのも大変そうです。しかも、この手のやつって1ボタン1機能がせいぜいで組み合わせとかまでやってくれないことが多い、というか詳しく調べ尽くす前に別のソリューションに出会えることが出来たので、そちらを使用させていただきました。
今回参考にさせていただいたのはこちらのサイトの記事『sstea備忘録 : Raspberry Pi をジョイスティックで操作する』です。この場をお借りして御礼申し上げます。
やりたいことが完全一致しているわけではなかったのですが、おかげさまでXubuntuでのAVPCシステムを無事組み上げることができました。
特にJoyPadの入力を監視してくれるデーモンの部分はそのまま使用させていただいております。
C言語での開発は余り経験が多くなく、しかも、Cから離れて随分と経ってしまっていて大分忘れてしまっている部分もあって自力では絶対に出来ない部分でした。
これがあったお陰で、他はシェルスクリプトの組み合わせでどうにかすることが可能となり、AutoHotKeyの代替は自作シェルスクリプトで済ますことが出来ました。
筆者の場合はUSBの抜き差しはしないためUSB認識による起動等は不要でむしろログイン時に必ず起動して欲しいので自動起動アプリケーションの登録という方向でシェルスクリプトを組みました。
ディレクトリ構成とプレイリストの形式がWindows+MPC-HCのときとは変わるのでプレイリスト自動作成プログラムも少々修正。
ランダム再生と順再生の切り替えはMPVにinput.confでplaylist-shuffle、playlist-unshuffleにキー割り当てをすればそのキーの押下でランダム切り替えが出来るようになるので、特定のJoyPad操作でそのキー押下イベントを発行すれば良い、ということになりました。
シェルスクリプトはJoyPadの状態が変化する毎に呼ばれてその時その時で終了してしまうので、ランダムかどうかの状態をtmpファイルに置いて都度読み出して状態復帰できるようにしました。
キー操作等はxdotoolというパッケージがあります。楽!
つまづいた部分も沢山あるのですが、結果的にはWindows+MPC-HC+AutoHotKeyのときよりも楽にシステム構築できました。
こうなる(こともある)からXubuntu好き。もちろん上手く行かないときもあるんですけど。
HMDの自動認識に難がありまして、1280x720で認識したり640x480で認識したりするのですが、いづれにせよ肝心の1280x800では絶対に認識してくれません。
でもこれはどちらかというとFHDWRK5H側に問題がありましてパネルは1280x800なのに1280x720で認識させるようにHMDの方がしているようでWindowsでも自動認識では1280x720になってしまいます。
Windowsではここで1280x800と決め打ちすれば、そこで固定化できるのですが、Xubuntuの場合はそのままでは固定化が出来ず、毎度毎度1280x720になってしまいます。
また、GUI上で1280x800に変更するとリフレッシュレートが59.81fpsだったかな?恐らく1280x720の60Hzとピクセルレートを合わせるように計算してくれているのでしょうが、これがこのHMDにはよろしくなくて画面がちょいちょい乱れるようになってしまいます。
そこで1280x800で60Hzという指示をJoyPadの操作から発行できるようにしました。なお、PCよりもHMDが先に立ち上がっていればPCにとっては前回の接続状況と同じと判断してくれて1280x800の60Hzを継続してくれますので改めてコマンド発行する必要はなさそうです。
もういっこ困ったちゃんがHDMIの音声。HMDを後から立ち上げるとHDMI音声の認識をしてくれません。
systemctl --user restart pipewire-pulse.serviceとか叩いても認識してくれません。
しかし、そこで一旦HDMI端子を抜いて挿し直すと認識してくれたりします。なんで!? しかし、挿し直すと今度は解像度が640x480になったりして、また上記コマンドの発行が必要になったりします。
HMDの電源オフオンをもう一度行うという操作でも音声認識してくれるようで、ここら辺の動きは正直良う分からんです。
でも、要はですね、PCよりも先にHMDが立ち上がるようにしておけば解像度も音声も正常な状態を維持できるってことです。
仮に失敗しても復旧の手立てが無いわけではなく電源オフオンし直して解像度修正コマンドを発行すれば良いので、まあなんとかなります。
ここだけ見るとXubuntu面倒臭え! って思うかもしれませんが、トータルではWindowsよりも全く完全に楽楽楽です!
しかーも!
XubuntuはWindowsよりも圧倒的に起動が速いです。
フルインストールにしてなくて最低限のインストールしかせずに必要な分だけ追加していったのでAVPC最適化が出来ているシステムで、起動なんかは電源投入してBIOS立ち上がって一旦CPUファンが最大回転してからスーッと静かになっていくのですが、もうその途中で起動が完了しています。
シャットダウンなんてJoyPadのボタン押したら即画面消えてPCの電源もオフになっています。マジで一瞬。
動画再生もザッピングも全ての反応が素早くて待たされることが無いので、いちいち待たされるWindowsのストレスから開放されてAVPC周りの環境はもの凄く改善しました!
相互比較は出来ないのですが、そこはかとなく画質も良くなった印象。
恐らくどう頑張ってもFHDWRK5Hの色域が狭い(個人の感想です)ので限界はあるのですが、「えっ<!?> このHMDってこんなにきっちりした画像表示出来たの?」って結構ビックリしました。
筆者の偏見では色域狭いし何か色味も若干変、ではあるのですが、なんというか細部の階調表現の破綻がすっかり消えていて、いつも静止画コンテンツ自作しているときにPCで調整した絵がHMDではどうも変にチープになってどうしようもなかったのですが、色味はともかく変に潰れたりすることが無くなったので作成時にそれを見越した調整とかする必要が無くなりそうで筆者は嬉しいです。
というか、このHMDでも割と細部まできっちり表示できるということが今更ながらに分かったので今後のコンテンツの調整の方向がまた変化しそうです。
もっと精細なバランスをPC上で詰めてもそこそこHMDで再現できるようになったので、編集作業的にも今後楽になるでしょう。
というか、変な再生画質に合わせて変な編集をしてしまったコンテンツは再修正した方が良いような気がします。
どんだけ変に弄ってたんだWindows+MPC-HC。
というか音楽再生のときにも思ったけどWindowsって変な劣化があるんだよね。再生時に。元の音質とか画質とかをどんなに頑張っても再生時に劣化させてくるから。結構画質の調整に苦労していたコンテンツ達の見た目が急に良くなったりしたので、なんつーか、もっと速く脱獄すべきだったね。でも、当時は無理って判断していたから仕方無いかあ。
あと、PCの性能が上がったので単純に画質の良い拡大方法とかを指定できるようになったというのも大きいかもしれません。
消費電力はタブレットPCなんかに比べちゃうと3〜4倍というレベルの大食いになってしまいますが、ノートPCとだったらトントンくらいには抑えられたかな。DDR3Lのメモリを2GBx2枚積んでストレージはSATA-SSD240GBのみ。一応困った時用にキーボードとマウスが繋いであってJoyPadとHMDの電源もUSBから取得、LAN接続中でも再生時最大34W辺り、普通に再生していると27Wとかそんなもん。静止画は静止中はアイドルとほぼ同じになって18Wまで下がる。ディスプレイ込みでコレだからそんなに悪くないと思う。電源はHK400-52PP(80+Gold)300W。ACアダプター化するとほんの少し下がるが電源ファンが無くなる分ケースファンを回した方が良いかもしれなくてケースファン回すと逆に+1Wくらいになってしまうのでまあ、ケースファン兼用ATX電源で良いかと。多分回ってないけど(発熱少ないから)
ここのところN100やN95を搭載したミニPCがそこそこ安価で流通しているのでそちらも大いに気にはなったのですが、なんせ、場所も取らないし性能的にもi5-4570Sより確実に上。消費電力は低減。
しかしながら、AVPC用にAVPC専用のPCを調達してしまうと、ただでさえメインPCとベッド物書き用PCという調達ラインがあるところがもう一本増え、しかも、将来的にN100やN95で不足になったときにまた買い替えが発生してしまい、逆にN100やN95の行き場はなくゾンビ化してしまいます。
ただでさえ筆者の元にはこういう普段使うことのない古くて性能悪いけどまだ動くというPCが山積してますので、こういうのはもうなるべく増やしたくないんです。
しかも、メインPCであるRyzen 5600Gの方は恐らく今後数年経ったところでシステム入れ替えをすることになり余ることが予想されます。
現在ATXケースに収まっているi5-4570SのAVPCにスライドさせることが可能なんですね。
Ryzen 5600GでAVPCなんてエラい贅沢な気もしますが、多分そのときには中古で売ろうとしてもロクな値が付かなくなっているだろうし逆に値が付くなら売ってi5-4570Sを存続させても良いんだし、いずれにせよそんな風に考えるとAVPC用としてミニPCを新規購入するのはやっぱり冗長に過ぎると判断できます。
なお、実機を持っていないので想像での話になりますが、恐らくN100とかにしたところでHMD込では最低でも10Wくらい消費し、動画再生中最大20Wくらいになる予測が立ちますので実はそんなに消費電力の差が無く、筆者のAVPC使用時間等勘案すると大きくても年間で300円程度の電気代の差しか出ません。
N100システムに21,000円とか掛けたら70年掛けないとペイしないわけで、そんな最中にRyzen 5600Gに移行とかしたらこっちの方が性能良くなるし、消費電力的な差はもう少し縮まることが期待できますので(Ryzen 5600Gの方はPPT制限が自由にできるので性能と消費電力のバランスが取りやすい。元より低消費電力だし。)そういう意味でも元が取れない。
置き場所に困らないのは大きなメリットですが、その点は今回、結構解決してしまったので。
余談ですがWN892もLinux化したら少しはパフォーマンスマシになったりしないだろうかとチャレンジしたものの、この機種、ほどんどのインストーラーが最初の画面からして表示が崩れていて全く読めません。画面と縦と横の設定がひねくれているせいでLinuxのインストーラーではその両方が入り混じって斜めに引っ張られてループしているみたいな乱れ方をします。試した中で唯一初期画面だけはまともに表示されたのは画像表示が無く文字表示だけであるXubuntuのインストーラーだったのですがその先には進めませんでした。uefi32bitの対策していてもね。
一方、初期画面は崩れていてもテキストインストールにまで持っていけばインストール作業ができるDebianはインストールそのものはできましたが再起動後に正常に起動出来ず何も出来ません。
ただ、この初期インストールの段階でOpenSSHを仕込んでおけば、リモードで弄くることは可能にはなりました。
しかし、少なくとも画面周りのドライバがあるかどうかすら不明ですし、画面表示は全く出来ないのにバックライトは点きっぱなし、苦労して画面映せてもタッチパネルが利かないだろうし、他にも動いてないデバイスが山ほどありそうだし、苦労して何とかしたところで、コレ使える日って来る?バッテリーヘタってるしこの機種安いスマホと一緒で常時バッテリー経由で動くPCよ?
んで、流石にそこまで付き合う余力は無いので現状SSHでイジれるってところで放棄してます。Windowsに戻したところで延々終わらないアップデート以外すること無いし、ね。