PERIBOARD-326JP バックライト付き

2024年1月購入、お値段3,299円。
いつもの病気でまたキーボードを新規購入してしまいました。
しかも、今回は購入先がバラけているものの3つも購入していますので、なんか、こう一気にケリを付けようかという勢いです。

こんなちまちまいろんなキーボード購入するくらいだったら、その予算をまとめて定番のHHKBとか、あるいは筆者が気にしていたTEX Shinobiを購入した方が長く使えて良いのではないか? という考えもあるかと思います。
そうしないでこうして比較的安価なキーボードを複数などと病的に購入していくのは、つまり、定番ではないところに筆者の求めるものがあるから、に他なりません。
まあ、入力機器の問題はある種終わりの無い問題でもあるので、最終的には自作とかになってしまうのでしょう。各個人の最適はそれぞれに異なりますからね。

さて、今回のPerixx PERIBOARD-326JP バックライト付き。製品仕様では明記されていない特徴があります。
この製品はレビューの日時とかを見るともう1年以上も前から販売されているっぽいのですが、筆者の目に止まるようになったのはつい最近です。
というか、同じPerixxのUSB有線タッチパッドであるPERIPAD-501 Ⅱに目を付けてからですね。

このキーボード。公開されている仕様や画像からでは分かりにくい特徴があって、それで筆者は今までスルーしてきてしまったのだと思います。
アイソレーション風を装っていますが、いわゆるノートPCなど薄型であることが要求されるキーボードに多いパンタグラフ(シザー)方式ではなく、一番安価に製造できると思われるメンブレンです。(パンタグラフもメンブレンなんですが一般的にはパンタグラフが使われていたらパンタグラフの名前が優先されます。)
んで、そのメンブレンというわりには価格がそんなに安くない。

それで筆者はスルーしていたのだと思いますが、遂にある特徴に気付きます。
この製品、キーピッチが標準よりも狭い!
仕様にキーピッチが記載されていないので非常に分かりにくいのですが、幅が276mmとあります。
そして、このキーボードは非常に素直なキー配列をしていて、例えば数字キーの行は全く同じ大きさのキーが15個並んでいます。
標準ピッチですと3/4インチ=19.05mmですので、最低でも19.05×15=285.75mmの幅が必要になるはずです。枠を含めると、例えば最低限に近い4mmの枠が両側に付いたとすると約294mmの幅になるはずなのです。
標準ピッチかつ標準的な配列を維持しているキーボードでこの幅を大きく下回るような製品は例えば[\]キーや[^]キーなど英数字ではないキーを細くして全体を小さく納めているはずです。
ちなみにそうした一部キーを細くしたりしないで標準ピッチかつ標準的な配列をしているコンパクトキーボードの代表がSKB-SL18シリーズで、静音設計にした派生や別メーカーからも基本設計を同一にしていると思われる製品が出ていたりしますが、これが幅293mmです。

PERIBOARD-326JPは一部キーを細くしたりしないで、それでいて全幅276mm!
つまり、キーピッチがおおよそ18mm辺りであることが予想されるキーボードなのです!

USB有線キーボードで小型なキーボードというのは非常に限られていまして、SKB-SL32はまだ流通が細くて高価だった時期に筆者は購入しており、今は流通が太くなりバリエーションが増えて値段も下がっています。筆者の過去記事では『標準ピッチ未満のキーボード - 単体製品編』などに出てきます。
TK-FS10UMKBKなんて色分けがされていて打ち易そうで筆者はとても気になったのですが、残念なことに[Home][End]キーが無くて、それで躊躇しています。

そして、バックライト付きとなると、もう筆者はこの製品しか知りません。
バックライトは昔は「そんなの必要無え!」って思っていたのですが、現在は夜間の照明を極限まで抑えている都合上、バックライトの付いていないキーボードを使用するときにはキーボード盤面を照らすUSBライトを当てていたりします。(なお、部屋の照明は普段は2.5WのLED照明です。電球で言うと20Wクラス?)
なので、今の筆者の環境ではキーボードのバックライトって結構ありがたい存在です。
USBライトをキーボードに向かって点灯させても、自分の手が陰を作ってしまったりするので、自発光してくれるキーボードの方が視認性は圧倒的に良いです。勿論、今みたいに文章を入力しているようなときはまず見ることは無いのですが、Fnキーとかコントロール関連のキーはさらっと確認したい場面が往々にしてありますので。

また、メンブレンにしては薄型でして、高さ14mmという仕様はPERIPAD-501 Ⅱと組み合わせときに割と綺麗に揃う高さになることが予想されます。
ならば、ずーっと予想予想ばっかりうだうだするよりか、いっちょ購入してみるか、となりました。
というか、標準より小型で有線でバックライト付きって時点で唯一なのよ、この製品。

開封の儀

届きましたので、早速中身を見てみましょう。
まずは外箱から。

ノリはPERIPAD-501 Ⅱと一緒ですね。

グローバル展開ですが、おま国しないで日本も販売対象にしてくれている企業は少ないのでありがたいことです。

上面と下面は同じ印刷。左右側面は無地となっていました。

中を取り出すと、緩衝材の袋の中に本体と説明書が入っていました。

本体はまあ、販売サイトの画像の方が綺麗に映っていると思います。

このキーボードの美点はとにかくトリッキーなことを極力していない素直な設計でして、例えば数字キーの行のキーなんかは全て同じ大きさのキーを並べており、極端に細いキーなどは無いようになっています。
各行のズレも標準的。数字キー行とQ行、A行とZ行の間が1/2キー分横にズレていて、Q行とA行の間は1/4キー分横にズレています。
最下行も標準的な大きさのキーを綺麗に並べていて、カーソルキーは縦半分では狭過ぎると見たか、少し縦を増した配置。
奇をてらっていない素直なレイアウトで好感が持てます。

筆者は外形寸法からして18mmピッチのキーボードと予想していましたが、実測してみるとちょっとだけ18mmよりも大きそうです。

余談ですが、原稿料貰えているであろうレビュー記事で適当な採寸をしているものが結構多くあって、筆者は「あんないい加減な測定でOK出ちゃってるなんて羨ましいなぁ」と指を咥えて見ているのですが、キーピッチというのは確かにキーの中心線同士の間隔を指すのが正しいのでキーの中央と中央を計っているのは定義的には正しいのかと思います。
しかしながら、人間の目でその中央が正確に導き出すなんてことはかなり難しいことでして、頑張らないと簡単に視差が出てしまいます。つまり、測定結果に誤差が簡単に発生し得るんですね。
それに、歴史的な経緯の都合上キーボードの大半の製品はキーピッチが3/4インチ=19.05mmなんです。特にメカニカルなんて部品が決まっているのでそこから逸脱するのは容易ではありません。(もしかしたら近年はメートル法による設計が増えて19mmぴったりという製品が増えている可能性があるかもしれませんが筆者は分かりません)
なのに、大手のレビューってそこから平気でズレている数値をデジタルノギスの表示で如何にも正確に測りましたっぽく見せてくれるので罪深いです。(どうみても標準ピッチのキーボードで「キーピッチは18mm」なんて嘘情報を平気で垂れ流してくるので鼻で笑ってしまいます。)

出来上がった製品からキーピッチを測る場合は誤差を減らすために同じ端の線に合わせて、そして複数のキーをまとめて計測してキー数で割った方が誤差が少なくできます。
例えば上記の画像では金尺が150mmまでしか測れないので[A]キーの左端の穴のラインから[L]キーの左端の穴のラインまでの8キー分の長さをまとめて測ろうとして置いてみたものです。
当然、いっぺんに見て合わせようとすると視差で誤差が出ますので、[A]キーの左端の穴のラインの直上に目を持って来て端を合わせ、[L]キーの左端の穴のラインの直上に目を持って来て目盛りを読みます。

ん?あれ?画像でも145mm近くありますね。目視では145mmをほんの少し超えて145.2mmくらいあるように見えていました。
18mmピッチだと仮定したら8キー分で144mmになるはずなのですが、若干18mmよりも大きいようです。
一応計算すると約18.15mmです。

もう一つの測り方もしてみましょう。

まず、キー1個分の幅を計測してみます。
ノギスで挟んだ状態のまま写真を撮ることが出来ませんでしたので、側に置いていますが、キートップの幅はほぼ15mmジャストです。

そして、今度はキー2個分の幅を同じように計測してみます。1個分のときとの差分がキーピッチと同値とみなすことが出来るという算段です。
ただし、キーは上下するし多少グラつきます。なので、例えば強く挟み込むと本来よりも少ない数値になってしまいます。つまり、この方法でも完璧ではないということです。
それでもなるべくグラつきの影響を受けないように静かに挟み込んで計測した結果がこちら。31.2mm辺りでしょうか。
差し引き約18.2mmくらいのキーピッチであることが導き出せます。

どちらも手計測で誤差があるのですが、いずれにしてもこのキーボードのキーピッチは18mmよりも少しだけ大きく18.1〜18.2mm程度のキーピッチを持つとは言えそうです。
これは次の比較写真でさらに補強しましょうね。

キーピッチ18mmと仕様に明記されているLogicool K380BKとの比較です。

こっちはちゃんと8キーで144mm。つまり、本当にぴったりキーピッチ18mmって手計測でもなるんですよ。
なので、確実にPERIBOARD-326JPのキーピッチは18mmよりも少しだけ大きいです。!

なお、同じくキーピッチ18mmを仕様上謳っているはずのSKB-SL32ですが、実測してみたら明らかに18mmよりも小さいことが判明しました。
うわおっ、小数点以下四捨五入かよ!
ちなみに8キーで142mmほどでしたので、手計測によるキーピッチは約17.75mm辺りということになります。
このキーボードの購入を検討していたときはキーピッチ18mmの製品はもう2つも所持しているのに、また買い足すの?とか自問していたのですが、見事に全部微妙にキーピッチが違っていましたね。わはは。

バックライトは点灯の明るさを4段階とオフの計5段階で調節できます。[Fn]+[F8]キーを押すごとに4→3→2→1→オフと繰り返します。筆者は一番暗いので十分です。

写真に撮ると分かりづらくなってしまうのですが、残念ながらそのバックライトは内部の構造のせいか光が十分に届く範囲が円形のような感じになっていて、特に左上隅の照度が足らずに折角の透過文字が欠けて見えてしまいます。
写真でも比較的分かりやすいのが「W」「R」「T」の左上。ちょっと暗いですよね。
これ、写真の画角ではこれで済んでいるのですが、実際にキーボードを操作する人間の目の位置から見るとその欠損は結構ハッキリしてしまいまして、見る度に気になるレベルです。
気になりはじめると、フォントの太さとかが地味に統一されてなさそうだったり、光の強さも各キーで一定ではないので、光り方のバラツキは結構気になるかもしれません。
まあ、値段が値段ですし、普段は見ないですし、視認できれば良いのでここではあまり煩く言わない(もう言ってるとかいうツッコミは置いといて)でおきましょう。

裏面にはチルトスタンドが折り畳まれていて、横開き方式です。

このキーボードは薄型っぽい見た目をしていますが、キーストローク短めな薄型メンブレンですので、全体の高さは約14mmと抑え込んでいますが最薄部でも変わらず、チルトスタンドを畳んでいるときはほぼ平板です。
というか仕様が14mmってあったからそう書いてたけど実測したら縁の高さが約13mmで最上部のちょっと出っ張っているおでこの部分が高さ約16mm。キーがあるところで押していないときの高さも同じく約16mmでどこが14mm?って感じでしたがゴム足含まずなんだろうか?と思って測ったら約15mmだったし。どこを取って14mmと言っているのか謎でした。

チルトの程度は控えめですが、筆者には調度良い加減だと思います。
また、こうしてチルトすると最下端部の高さが僅かではありますが下がりますので、PERIPAD-501 IIをSpaceキーのすぐ下の置いたときにほぼツラ一になって収まりが良いです。
やっぱり、多少はそういう想定もしての高さなのかな?

はい、そういうわけで、今はチルトアップした状態でPERIPAD-501 IIと組み合わせて記事を書いています。

インプレッション

もくもく(擬音)とした印象の打ち味ですが、筆者は嫌いではありません。
メンブレンならではのグラ付き感もありますし、押し方が悪いとメンブレンの変形し難いところを変形し難い角度で押してしまって変に抵抗を感じたりもしますが、うーんなんだろ、そんなに嫌いじゃないです。
決して上質なタッチとは言えませんが、うーんなんだろ、嫌いじゃないです。(語彙よ……)

やっぱり筆者の手には18mm近辺のキーピッチが合うのかなぁ。
あと、まあ個人的にはストロークはもっと浅くて良いんですけど、雑に打つには良い感じの適当さ加減のストロークをしています。
メンブレンといってもメンブレンとしては薄型で浅くなっていますので、その中途半端感が意外と心地良いというかなんというか。

あと、そっけない四角キー。ゴツゴツして角や平面が当たって指触りがあんまり良く無いんですけど、この指触りの悪さも嫌いじゃないです。
バックライトは隅が欠けて見えるのが残念ではありますが、やっぱりあると超絶便利ではあります。特に夜。

気に入らないのは[Fn]キーの位置ですかね。なんで[Win]キーの方が左で[Fn]キーは左から3番目になるのか。コレガワカラナイ。
キーコンフィグでどうにか誤魔化すにしても[Fn]キーの位置は変更できない([Fn]キーを押したという情報はOSに伝わって来ないのです)ので、ここの違和感は慣れるしかありません。

タッチパッドPERIPAD-501 Ⅱとの組み合わせも別物2つをくっつけているわりには一体感が高くて良い感じではあります。
作業をしていて邪魔にならない大きさと配置のタッチパッドですので、キーを打っているだけなのにタップしてしまうとかの事故は発生しません。

欲を言うなら、やっぱり別体ですので[Space]キーとタッチパッドの間が大きく空いてしまっており、その分タッチパッドが下に遠くなってしまっている、というのが残念な点です。
PERIBOARD-326JPがカーソルキーを縦に大きめにしてくれている反面[Space]キー下の縁が太くなってしまっているので、ここの無駄スペースを減らしたい。
また、繰り返しになってしまいますが、タッチパッドのクリックボタンも無駄な空間があってさらに下に遠くなってしまっているせいで、上記の[Space]キーとタッチパッドの間の無駄なスペースと合わせて非常に下に遠くなってしまっています。
この、下に遠いというのはクリックボタンを操作するときに腕を強く引っ込めなければならないという煩雑さに繋がりますのでここが改善されたらもう天国なんですけどね。
あと、筆者は左手をクリックボタンが押せるようしつつ同時に[Esc]キーも押せるような体勢にしたがるのですが、クリックボタンが下に遠いせいで[Esc]キーが遠いということにもなってしまいますので、やっぱりここの縦は詰めて欲しいなあ。
だから、本当はタッチパッド一体型が欲しいんですけどね。一体型ならカーソルキーのところだけ一段下がってようがタッチパッドとは干渉しないので隙きを詰めることができますし。それをやっているのがSK-8845ですし。

難点はいくつかあるのですが、それでも現状での印象としてはSK-8845と交代しても良いかもと思えるくらいにはなっていますので、この組み合わせは結構使い続けたい部分ですね。
逆に言うと、SK-8845が故障してしまっても、これがバックアップになってくれるという安心感がやっと産まれました。
これまで、SK-8845から他へ移行しようとしても結局戻って来てしまってばっかりでしたので。
PERIBOARD-326JPとPERIPAD-501 IIの組み合わせは戻らなくでも良いかもと思える組み合わせにはなっています。

ただ、位置を固定して、あとパームレストとかも整えてあげた方が良いね。ちょっと考えてみますわ。

2024-01-10

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