Bluetooth 3.0 Keyboardも剛性強化&電波状況改善&チルトアップで操作性改善&タッチパッド誤爆防止DIY

WS0255A-B』と似たような構造をしていながらもなんかあちこちと出来が悪い感満載のこちら『Bluetooth 3.0 Keyboard』ですが、恨み辛みはそちらの過去記事をご覧いただくとして、……最初に言っちゃうと恨み辛み追加回ですけど、基本サイズはわりかし気に入っていて、まともに使えるならこれをメインキーボードにしても……という思いも無くはなかったのです。

しかし、そのためには不満になる点があまりに多過ぎる。
そこで筆者はこれらの不満点を解消すべく、DIY改造に乗り出しました。

結論を先に言ってしまうと、改造そのものは成功、しかし、それで使い勝手が向上した結果、どうにもならない不具合が追加で発覚しまして、これは流石にもうどうやってもまともには使えないのではないか……という諦めざるを得ない状況かと。
ここまで手を加えてそんな結末というのは非常に残念ですし、作りの悪さ(特に制御ソフト面の作り込みの粗さ)には辟易するのですが、全く酷いものです。(´・ω・`)

それはさておき、頑張ったことは記録残ししておきますよぅ。

こちら、まともな製品名すら付いていない『Bluetooth 3.0 Keyboard』ですが、裏面に貼られた鉄板のせいでBluetoothの電波状況が悪化してしまい、まともに使えませんでした。
逆に言うと、鉄板を除去するとまともに動くようになったため、鉄板の代わりに電波状況を悪化させない板で覆おう、ということになります。

また、このキーボードは薄い平板でして、そのまま置いて使うとタッチパッド誤爆が頻繁に起きます。
また、小型な割に上段のキーが遠く感じます。

これらの現象はチルトアップさせるとかなり改善します。
上段に楽に指が届くようになり、また、チルトした分手のひらが少し浮くせいかタッチパッド誤爆頻度が低下します。

ただ、タッチパッド誤爆については手ごとスライドさせるような動きをするときに親指付け根の手のひらの膨らみ部分がタッチパッドを掠ってしまうことが多く、やはりそれなりの頻度で発生してしまいますので、追加で対策します。

チルトアップさせると剛性不足が酷く露呈しますので、剛性確保も重要課題です。

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まずは、『WS0255A-B』と同様にキーボード面の背後に剛性確保&隙間埋め用に1mm厚のアクリル板を貼り付けます。

キーボード部分の裏面だけにしている理由も同じでして、タッチパッド部裏のリブの背が高いため、そこまで延ばすと板が浮いてしまって元の目的を達成できません。
あ、こちらのアクリル板のカットにはOLFAのプラ板用PカッターS型を使用しました。
以降、プラ板は全てこのカッターで、また、両面テープはDAISOの強力タイプ両面テープフィルム製幅約20mm長さ8mというものを使用しています。
便利だったので、貼り合わせは全て両面テープで行いました。

こちら2mm厚のクリップボードA4サイズです。材質はポリスチレン。
なるべく安くて硬くてサイズの大きい板材を探していたところ、プラスチック系の板としてはクリップの付いたクリップボードが最安で硬くて大きかったです。100均にて購入の1枚110円。

キーボード下部に大きく張り出した状態のままにしていたのは、パームレスト部分が小さ過ぎてそれが操作性の悪化に繋がっているのではないか? と思っていたためだったのですが、よくよく検討すると、別にこの程度の厚さのキーボードではあまり関係が無い、しかもチルトアップさせると余計に関係が無く、特に必要無いことが後に判明しました。

裏面はこんな感じ。
まあ一面平板です。

デル株式会社

暫くはこの状態からどうやってチルトアップさせようか考えていました。
この2mm厚のプラ板。元の0.3mm厚の鉄板よりは剛性があるものの、単純にチルトアップさせてしまうとやはり剛性不足で撓んで操作性も打鍵感も悪化してしまいます。
支持ポイントを増やして適度な間隔で支柱を立てないと駄目だな、と思っていたのですが、そう言えばそもそもプラ板使う前はMDF材を使おうと考えていたことを思い出しました。

MDF材はプラ板よりも大きな板が同じ値段で入手できるので、こちらで良ければプラ板よりもオススメの素材です。
筆者は暫くの間DAISOで2.5mm厚で300x600mmサイズのものを探していたのですが、筆者の行動範囲内では見つけることが出来ず、見つかったのは全て6mm厚で、300x600mmだと220円になってしまいました。

価格が倍になるのもさることながら、6mmも厚み要るかなあ? そもそも加工が大変なんじゃないか? という疑念が湧きまして躊躇していたところ、Seriaで5mm厚で300x450mmサイズで110円という製品を発見しました。
厚過ぎと思っていた厚みが薄くなり、サイズは3/4ですが価格は半分、ということで、こちらを購入することにしました。

MDF材は木材の粉を樹脂で固めたものと理解していますが、流石に5mmも厚さがあると2mmのプラ板とは比べ物にならないくらい硬いです。
一度はもう一枚プラ板貼りつけるだけでもかなり剛性上がるからそれで普通に2点でチルトアップしちゃって大丈夫かな? でもそれだとプラ板の追加購入が必要だな、とか思っていたのですが、先に購入していたMDF材に張り替えればそれで済むことじゃん、と気付きました。

というわけで、切り出しました。
こちらも同じOLFAのプラ板用PカッターS型を使用したのですが、MDF材を切るのに使うと刃の劣化が激しいですね。
劣化しても力を入れればMDF材は引き続き切断加工に使えるのですが、プラ板の切断(というか切削?)の効率はガタ落ちしてしまったので、なまくらになった刃はMDF専用とすることにして、プラ板を切るときは新しい刃に替えるようにしました。
ゴリゴリ言ってるんですけど、ちょいちょい塊? に引っ掛かるんですよね、MDF。

はい、貼り付けました。今度はキーボードのサイズと同じにしています。

キーボード本体に近いくらいの厚みがあるので、合わせて1cmを超える厚みを持つようになってしまい、可搬性は大きく後退しました。
例によって、筆者はこれをデスクトップPCで使うつもりですので、全く問題無いんですけども。
と言いますか、ここからさらにチルトアップの部材くっつけるんですけど。

内部に1mm厚のアクリル板を内包したせいで、少し浮いてしまっています。
この写真では目立ちませんが、充電ランプの赤LEDが点灯するとばっちり光漏れしますので、端っこにちょこっと両面テープねじ込んで隙間を減らしました。
適当な処置ですが、結構効果あった。

タッチパッド誤爆対策は、いろいろと素材を試した結果、ちょうど2mm厚のプラ板で反応しなくなるため、これを筆者の手が掠ってしまいやすいエリアに貼り付けることにしました。

A4クリップボードの透明板の方に良い具合の余りがあったのでそれを有効活用。
タッチパッドの端っこに貼らずに少し間を空けているのは、これくらいの隙間だと意地悪く指を挿し込んでもタッチパッドが反応しない、それよりももう少し中央に近いところまでカバーしたい、という思惑から少し隙間を空けています。
別に部材に余裕があれば隙間をわざわざあける必要なんて無いので、単にきっちり端っこまで覆う必要は無いんだぜ、というケチケチ作戦を示しただけです。

なんか時折おかしな挙動をしたときに反応したこともあったので『?』ってなりましたが、電波状態が正常なときにはちゃんと反応しません。良く分かんないやこのキーボード。

しかし、逆に言うと、元々ここの覆ったエリアは最初からタッチパッドエリアになんかしないでいてくれた方が操作性が良かったはずなので、まあ、見た目タッチパッドが大きい方が売れるんでしょうけど、本末転倒デザインよね。

これを貼ったお陰でタッチパッドをいちいちオンオフする必要はほぼなくなりました。

チルトアップ部材はもう面倒臭くなって余り部材の組み合わせ。
5mm厚のMDF2枚と白いのは約7mm厚のかまぼこの板です。

本当はチルトアップも端っこの方でやる方が良いんだろうな、とは思ったのですが、こうして組み上げてみると存外悪くありません。
剛性を考えると支えているポイント間の距離を詰めた方が良いので、そういう意味ではバランスが取れています。
というか、縦方向もこんなに端っこにしないでもっと中央寄りに支持ポイント持ってくれば良かったかも。

[Esc]キーや[Del]キー押すときに撓んだり本体ごとぐらついたりする心配がある不安な配置ですが、実際には全く安定して操作できます。
5mm厚のMDFを全面に貼った効果ですね。

角度を変えて見るとこんな感じ。
派手にチルトアップし過ぎに見えるかもしれませんが、このキーボードはこれくらいチルトアップした状態が最も打ち易く、かつ、タッチパッド誤爆も少ない、大変扱い易いレイアウトになります。

インプレッション

剛性向上による打鍵感の向上、チルトアップによる操作性の向上&タッチパッド誤爆低減、プラ板貼り付けによるタッチパッド誤爆対策、全てが成功と言える改造でした。
勿論、鉄板を剥がしてMDF材にしたので、電波状況も改善しています。

良いとこずくめで文句が無い、……のは筆者サイドの手柄。

しかし、せっかくこれだけ色々と使い易く改善が出来てしまったせいか、この製品本来の駄目な部分が追加で見つかってしまいました。

まず、最上段のファンクションキーの行がメディアキー優先となっていて本来のファンクションキーを優先して使いたい場合はキーコンフィグをするのが必至なのですが、それをやろうとしても[F6]キーは対処ができない、というのは前回記事『Bluetooth 3.0 Keyboard』でも言及しました。
[F6]のところは[Alt]+[Shift]の同時2キー押し発行されてしまうため、これをコンフィグしてしまうと本来の[Alt]および[Shift]に影響が出てしまうため出来ません。

上記の現象はまだ仕様上仕方無いと言えなくもないかもしれませんが、今回発覚したのは完全に不具合、製品側の落ち度です。

[L_Ctrl]+[L_Shift]を押しながら[→]キーを押してもキーイベントそのものを発行してくれません。
エディタで範囲選択をする際に[L_Ctrl]+[L_Shift]+[→]は良く使うのですが、なぜかこのときキーイベントが一切発行されない(キーを押したという情報がキーボードから送られてこない)ため、全くカーソルが動きません。
なお、これをいずれか1つでも良いから[R_Ctrl]もしくは[R_Shift]を使用するようにするとちゃんと[→]キーの押下が機能します。[L_Ctrl]+[L_Shift]を押しているときだけ[→]キーが機能しないのです。
しかしながら、筆者は今まで[L_Ctrl]+[L_Shift]+[→]という組み合わせでしか使ってきていませんので、これをいちいち右側の[R_Ctrl]もしくは[R_Shift]を織り交ぜて押すように心掛けるというのは大変なストレスです。ってか普通に不具合、設計不良です。

さらにそこに追い打ちを掛けたのが、クリックをするときに[Ctrl]を押した状態でする、例えばブラウザで新規タブを開くようなときにこんな操作をしますが、一切効きません。
[Ctrl]+[Shift]+クリックも無反応です。
なんじゃこの仕様。おかしいだろ。
ってか、完全に設計ミスというか、考えてないんでしょうね。
組み合わせ操作がちょいちょいちゃんと動かない、ってそれもう製品として成立してないレベルの不具合ですよ。

気になったのでもう少し追試してみると、[L_Ctrl]や[L_Shift]を押しているときの[→][↑][↓]キーやクリック、タップなどが全て無視されてしまいますが、これが[R_Ctrl]や[R_Shift]でしたら全て完全に動きます。
これもう頭おかしいレベルの大大大不具合なんですけど、なんでこれを平気な顔して世界中に売ってんだ?
これ世界の他の人オコになってないの? それとも日本語キーボードだけに仕込んだ嫌がらせ?

これ書いていて怒り心頭ながらも「じゃあこうしたらどうなんだ?」疑問が次々と湧いて来てその度に追試しているのですが、驚愕の事実が発覚しました。
[L_Ctrl]と[L_Shift]をキーコンフィグで[R_Ctrl]と[R_Shift]に置き換えてやったら、少なくとも新規タブを開く動作は正常に出来るようになった!
しかし、残念ながらカーソルキーと組み合わせての範囲選択は相変わらず物理的に右側にある[R_Ctrl][R_Shift]を使わないと動作しませんでした。

もうここまで来るとまともに使えたものではないので、本当に惜しいのですが、このキーボードは本当に基本からして成ってないクソ製品でした。が、ついでにもう一発気に入らない挙動を上げておきますね。
まあこれは流石に筆者の言い掛かりではあるのですが、キーボード側で1つのキーにクリックボタンを割り当てて、そのキーを使ってドラッグ操作をしますと、ボタンを押しっぱなしにしていてもタッチパッドから指が離れた瞬間にドラッグが終了してしまいます。
一回の指の動きでドラッグしきれなくてもう一回指を置き直す、という操作の最中にドラッグ解除されてしまうので、こちらも相当なストレスです。
ただし、この現象はキーボードにクリックボタンを割り当てているのが悪いと言われてしまうとそこまでなのですが、でも他の例えば『PERIBOARD-326JP バックライト付き』に『PERIPAD-501 Ⅱ』を組み合わせて『PERIBOARD-326JP バックライト付き』のキーボードにクリックボタン割り当てて同じようにドラッグしても途中で解除とかされないんだけどなあ。

超絶使いづらいタッチパッド一体型のクリックボタン押下ではドラッグ継続できるんだけどなあ……タッチパッド一体型のクリックボタンはボタン押下時にポインタがズレるから正確な操作が不可能なんですわ。それも設計不良と筆者は言いたい。
タッチパッド一体型のクリックボタンは存在そのものが設計ミス!

しかし、それにしても、このサイズ感とか本当に筆者好きで、だからこそここまで手を掛けて一所懸命改善してきたのに、どうにもならない根本不具合のせいでまともに使えないじゃないか……なんだよこれ。

あーでも、一つ改善案浮かんじゃったわ。
2mm厚のプラ板でタッチパッドは反応しなくなるので、それをクリックボタンが仕込まれている部分の真上に貼り付けてしまえば、一体型のクリックボタンでもポインタ動かさずにクリックできるようになるわ、理屈上。

それが上手く機能するならキーボード側でクリックボタンにキーコンフィグする必要がなるなるので、それで空くキーを[R_Ctrl]か[R_Shift]か[→]か何か上手いことキーコンフィグしたらそれなりに上記の不具合のうちの幾つかは多少マシな挙動にできるかもしれん……。

物理クリックボタン有効化チャレンジ

2024-04-08追記:
やってみました。

既に貼り付けているプラ板を押すだけでもクリック感はあるのですが、なぜか実反応が悪く、もう少しずらしたところに中心点を持ってきた方がまだ反応がマシなので、ここに新たにプラ板を貼り付けました。
これでポインタを不意に動かしてしまうことなくクリック動作することが可能になります。

……さらにやべえ動作が発覚したわ……!(´・ω・`)

この物理クリックボタン、ポインタを動かさずにクリックしようとするとクリック反応してくれません。僅かでもポインタを動かしたところで初めてクリック動作が発動します。

なんだこの超絶クソ仕様! 作った奴脳みそ腐ってんのか! 流石におかしいにも程があるだろ!

なんでこう、次から次へとおかしな挙動が平然と発覚するんですかね?
要はこれ、皆こんなクソキーボードまともに使わないから全部適当で良いや、ってことなんすかね?
タブレットのタッチパネル使え、キーボードのタッチパッドなんて飾りだ、とでも良いたいんですかね? 手抜き極まってるだろ。

ちなみにですね、なんと驚いたことに、このクソ仕様物理クリックボタン、ドラッグ操作は問題無くできます。途中でドラッグ操作の指置き直してもドラッグ継続してくれる。
駄目なのはポインタを動かしたくない純粋なクリック動作だけ。凄え中途半端。

なので、単純クリックは従来の筆者の操作性改善策のとおり、キーボードの方で1つキーをクリックボタンに割り当てて、普段はそのキーでクリック動作を行い、ドラッグ操作をしたいときはタッチパッドの物理クリックボタンを使用する、という使い分けをすれば、なんとか使用することができます。

そんなクソみたいな使い分けしたくないけどな。

しかもですね、なんやかんや言ってこのキーボードでの使い勝手は筆者の工夫により爆上がりしているので、こうして作業していても慣れに応じて次第に作業効率が上がって来ているのですが、やっぱりたまに取り零しとかチャタリングっぽい動作をすることもゼロではないんだよなぁ?

それでもまだなんとか普段遣い出来ないかとか思っちゃってる自分が嫌だわ。
マジで、実際に動かさなければそのサイズ感は大好きなんだよなぁ。
それだけに手抜きに過ぎる作りのクソさのオンパレードに閉口もするんですけど。

……あ、くそっ、こいつ[Ctrl]+[Shift]+[Home]も効かないやん。しかも、右[Ctrl]+[Shift]でも駄目だ。本当なんなんこいつ。
多分[Fn]キー絡みで同時3キー([Fn]キー含めると同時4キー)押しは全滅っぽい雰囲気。
酷過ぎる……

2024-04-08 2024-04-07

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