電動歯ブラシ マルマン PRO SONIC の振動改善
筆者は超昔に一度クソ高い超音波歯ブラシなるものを買って使ってみたことがあったのですが、恐らく筆者の使い方がよろしくなかってであろうのと同時に替えブラシが2本セットで1,200円くらいというボッタクリだったため使用を躊躇うようになりそのままフェードアウト。
以来、20年くらい電動歯ブラシとは距離を置いていました。
しかし、手磨きでの限界も強く感じており、手磨きではどうしても磨き残しが多くなりがちで、それを強く気に掛けてしつこく磨いていると今度は歯茎に猛烈なダメージを負わせがち、という難しさが常に付き纏っておりました。
かと言って、以前のようなボッタクリ電動歯ブラシは続けられる財力がありませんし、100均も手を引いてしまったみたいで入手できないし……
んで、ここ数年電動歯ブラシでは最安値と思われるマルマンの音波振動歯ブラシPRO SONICに手を出してみたのです。
筆者が初めてPRO SONICに手を出したのは「3」のときです。
それから、もうほぼ歯ブラシはこれに頼っている状態で数年が経過しました。
明らかに磨き残しが減りまして、手磨きのときは届いてかつ掻き出す動作がちゃんと出来ないと歯垢の除去が出来なかったのですが、この電動歯ブラシの場合はとにかく届いてさえくれればなんとかなるといった感じでして、磨き残しでザラつきを感じていたような場所も徐々に無くなってきました。
現在はその後継製品であるPRO SONIC COMPACTも買い足しまして、基本的にはこちらの方がより良い感じですのでPRO SONIC COMPACTを主体に使用を続けています。
替えのブラシは共通のものが使えるので適宜入れ替え等も出来て便利です。
しかしながら、総てにおいて手放しで褒められることばかりではありません。
安価な製品だけに仕方が無いことではありますが、ちょっと製品にガタ隙きを感じる場面がありまして、それが例えば電池ホルダーの接触状態が歯ブラシの向きで変わってしまうのか、縦にすると電池の重量のせいか接触が良くなって振動が強くなり、横にすると振動が弱くなってしまう、などという現象が起こったりします。
また、最新のPRO SONIC COMPACTは個体差かとは思いますがケースが振動でビビって常に異音を発するような感じになってしまいます。
どうにかならんかなぁと思いつつ、充電するかと思ってPRO SONIC COMPACTからニッケル水素充電池を抜こうとしたところ、偶然ポロッと中身が取れました。
あ、この製品、簡単に中身取れるんだ。なら、改善出来る余地があるかも、と思い、早速新旧のPRO SONIC COMPACTとPRO SONIC 3を分解してみました。
この中身。実はプラスチックの爪2箇所で留まっているだけですので、その爪が引っ掛からなくなるように変形させるだけでスルッと抜けます。
電池が入っているままだと変形させ難いので先に電池を抜いてから作業した方が良いと思います。
画像は上半分が多分もう廃版になっているPRO SONIC 3。
下半分が現在販売中のPRO SONIC COMPACTです。
こうしてみると新製品であるPRO SONIC COMPACTがコストダウンをしつつ弱点を改良したかのようなブラッシュアップをした製品であることが伺えますね。
例えばスイッチボタンなんかは3のときはちょっと癖があって押し方にちょっとしたコツが必要だったのですが、それがCOMPACTでは簡潔かつ確実に操作できるようになっています。
スイッチ部分の部材が大きくなって、恐らくここはコストアップの部類かとは思うのですが、しかし、びっくり、中身のスイッチ自体は恐らく同じです。
外身の部材の違いだけで随分と操作性も変わるものです。
一方で替えブラシ接合部分土台のメッキリングなんかは普通のプラスチックに変更されていたり、スイッチと電池ボックスとを繋ぐ配線の片方を電池ボックスのマイナス側接点であるバネの針金をそのまま延ばして繋ぐことで電線1本と半田付け1箇所を廃止する上手なコストダウンが出来ていたりします。(実際のコストを筆者は知らないので本当にコストダウンになっているかどうかは不明ですが)
んで、仕様上でも変更が明らかにされているモーター部分ですが、外見から分かる点としては振動を産む錘が小さくなっています。
これは振動数を上げたこととの兼ね合いで、恐らく共振周波数を考えるとこういう大きさになるのでしょう。
仕様上はPRO SONIC 3が22,000回転/分であったのに対して、PRO SONIC COMPACTでは28,000回転/分と3割弱ほど振動が速くなっています。
そのせいか、電池寿命は仕様上約90日(1日2回使用、毎回2分の場合)だったものが約70日と2割強ほど短くなっています。
ただですね、単純に使用を続けた個人の感想なのですが、そもそものモーターの特性にも手を入れているような気が筆者は致します。
というのも、筆者はニッケル水素充電池でこの電動歯ブラシを使用しているのですが、PRO SONIC 3のときは割と振動が弱まるのが早くて、弱い振動のまま意外と長く使えるという印象だったのに対して、PRO SONIC COMPACTの方は使用を続けていてもあまり振動が弱くなってきたなぁという感じがしないんですね。
もしかしたら、単純に仕様上の振動数を上げて錘を小さくしたことの効果だけなのかもしれませんが、従来製品がどちらかと言うと乾電池で使用することを前提としたチューニングで、現在のPRO SONIC COMPACTが充電池による使用を見越したチューニングのような気がしてなりません。(個人の感想です)
あ、で、ごめん本題。
このような簡潔な構造をしていますので、材質のガタ隙きの具合とかで上記で言った電池の接触が不十分になったり、振動が上手く伝わらない、あるいはボディと変に干渉して常にビビリ音が発生してしまう、なんてことになったりします。
逆に言うと、これをちょっと手修正してあげるだけでも状況を改善できる可能性があるということです。
例えば電池の接触状態がちょいちょい変わってしまうのならば、バネをもう少し長く延ばしてみるとか。
モーターのボディに貼ってある隙間テープみたいなものの貼る位置を変えてみるとか。(偏心錘とは干渉させないようにご注意ください。錘は回転運動してますのでそれとはぶつからないように)
あるいは、隙きが大きいと思われる部分に何かしらモノを挟んで安定させてみるとか出来るかもしれません。
ただし、特にこの中身と外側ボディとの干渉具合を変更しようという行為は振動特性そのものに影響を与えてしまう可能性があるため、補強場所等は良く考えて行ってください。
というのは本来、電動歯ブラシですので、振動させたいのはブラシ部分だけのはずなのですが、ガタ隙きを詰めたり補強したりした結果持ち手の方に強く振動が伝わってくるようになってしまうかもしれません。そうなってしまうと本末転倒ですので、振動はなるべく先端の方に集中するように細工しましょう。
筆者はガタ隙きが多くて常に外側ボディと干渉するビビリ音を発生させていたPRO SONIC COMPACTの方のモーターに貼ってある隙間テープをもう少し先端寄りに貼り直しました。
また、PRO SONIC 3とPRO SONIC COMPACTの中身を入れ替えたら、どちらも収まりが良く異音の発生も無くなったので、中身入れ替えで使うことにしました。
PRO SONIC 3はちょっとスイッチが押しづらいけど、まあ良いさね。
安価な製品ゆえにこうした工夫の余地が残されているというのがこの製品の美点でもあるので。
あ、ちなみに、手磨きのときはブラシの毛先が広がりまくっていましたが、こちらの電動歯ブラシの毛先はほとんど広がらないのでかなり長期間使えるので、そういう意味でも結構お得です。
でも、調子に乗って毛先が短くなるまで使っていたら奥に届かなくなった、なんて失敗もしたので、良きところでちゃんと交換しなきゃダメですね。反省。