Windows10 → 11 → AntiX → Xubuntu → 10
定期的に発生する筆者の病気です。
時間の無駄でしかないと頭では分かっているのですが、しかし、気になったものを気にしながら放置し続けるというのも精神衛生上あまり良くないので、必要悪だと思って割り切りましょう。人間なんてらら〜ララララら〜ら〜。
筆者がベッドでの小説執筆に使用しているDELL Venue10Pro 5056。こちら、Windows10には非力なIntel Atom x5-Z8500に4GB RAMという構成のタブレットPCなのですが、最近Windows11へのアップグレードについてMicrosoftから『保証はしないけどインストールは出来るようにしてやる』というレジストリが公開されていることを知って、Windows11へアップグレードしてみたんです。
Windows11はインストールに厳しいシステム要件チェックがあって、それを通過出来るのは筆者の手持ちの中ではメインPCだけだったのですが、このレジストリ操作によってWindows10がインストール出来ているPCは総じてアップグレードすることは可能になったんですね。
と、同時に、細かいことは知りませんが実はWindows11の中身はほとんどWindows10みたいな話をどこかで見掛けて、そう言えば割と似てるし、Copilotとか本来古いバージョンに適用するのが難しそうな新機能が平然とWindows10にも展開されたりと、確かに似ているなあと頷けたので、じゃあこれを機に上げられるやつは上げてみようか、とうちにあるWindows10を上げられるものは上げてしまったんです。
32BitはWindows11には出来ないのでFUJITSU ARROWS Tab Q584/HとLenovo IdeapadS12はWindows10据え置き。
メインPCである『最後の自作PCかもしれない Ryzen 5 5600G + B450M MORTAR MAX』と古いノートPCのSony VaioE (VPCEB4AFJ)、タブレットPCのFUJITSU ARROWS Tab Q507/PE、そしてDELL Venue10Pro 5056。
ちなみに、メインPCやノートPCはストレージの交換ができるので他のOSも使えたりしますし、またメインPCではVirtualBOXでWindows11,10,7,XP,2000などを保持しています。
VirtualBOX上での動きはWindows10よりも11の方が動きが軽快な気がしたので、一斉に上げてしまったのですが、現実はそんなに甘くなかったみたいです。
元々性能が高くは無いFUJITSU ARROWS Tab Q507/PEやDELL Venue10Pro 5056ではより遅くなってしまった印象で、しかも、FUJITSU ARROWS Tab Q507/PEではタッチパッドのドライバが当たらなくなってしまいスクロール操作不可能に、DELL Venue10Pro 5056ではBluetoothドライバが当たらなくなってしまってデバイスそのものが認識されなくなってしまいました。
DELL Venue10Pro 5056はタブレット単品の中古購入でして、キーボードはBluetooth接続のWS0255A-Bでないとベッド上での執筆には不適なのでBluetooth使用不可は超痛手です。
というわけで、泣く泣くWindows10に戻……さずに毒をくらわば皿までの精神でLinux移行を試みてしまいました。
小説執筆用のエディタはサクラエディタを使用していて、結構なカスタマイズをごりごりやっていたので、これを捨てるのは勿体無いというのもありますし、Windowsで使用できるGoogle日本語入力からLinuxで使えるmozcの移行は主に辞書周りで弱くなってしまいます。
今までこのサクラエディタ+Google日本語入力という組み合わせが最強でそこから動けなかったので仕方なくWindow10で使用してきたのですが、最近mozcの弱さがあまり気にならなくなって来たということと、長いことLinuxのエディタを物色してもしかしたらカスタマイズしたサクラエディタに匹敵するくらいのことは出来るかもしれない、という(まだ出来たわけではない)見立てが出来たので、ここで脱Windowsを企てることにしました。
遡ると相当昔からデスクトップLinuxにチャレンジしてきた筆者ですが、本格的に使用し始めたのは2017年10月辺りですので丸7年くらいになります。
Linuxはよく『サポートされなくなったWindowsの代わりに』とか、『古いPCに』とか言う人が多いと思うのですが、そういう後ろ向きな理由では筆者はちゃんと使えるところまで使い込む気にはなれませんでした。
筆者がデスクトップLinuxに移行出来たのはメインPC用としてWindowsよりもパフォーマンスが高く、所持しているパーツの性能が一段上がったかのような効果が得られるため、どうしてもこれを使いこなしたいという動機が出来たからでした。
特にキッカケとなった、『Windows上で動かすInkscapeよりも、そのWindows上のVirtualBOXで構築したUbuntu上のInkscapeの方が断然速い』、という衝撃の事実が筆者を脱Windowsに向かわせた最大要因でした。
確かにWindowsに比べるとLinuxはとっつきにくいところはあるのかと思います。
ですが、Windowsをより使いやすくしようとして散々苦労している人であれば、それと同じ苦労をLinuxに振り向けてあげるだけでWindowsよりも使いやすいLinuxは出来ると思います。
筆者は意図的に遅くしようとするWindowsの動きが嫌いですし、散々待たせたあげく理由も良く分からないままエラーのウィンドウをしれっと出してくるなどなどWindowsの挙動に嫌気が差しているので、それも大いに原動力となっていると思います。
Windowsですと、SSHとかSFTPとかの環境を構築するだけでもソフトウェアが幾つも必要で設定にも異様に苦労した記憶しか無いのですが、LinuxだとFilezilla一本で超絶楽々に環境構築出来て『なんじゃこら凄え便利じゃん』ってなりました。
Filezillaに限らず、Windowsで苦労してたことがLinuxではいともあっさり簡単に出来たりするので、勿論Linux特有の苦労する部分はあるにはあるのですが、Windowsでもバッドノウハウだらけだったことを考えるとトータルでLinuxの方が楽だと筆者は思っています。しかも、動作が機敏なので、システムに待たされる時間が短いのがVeryGoodです。
それでも、全てがLinuxでやり切れるわけではなくて、使いたいアプリがWindowsにしか無いというケースもたくさんありました。
しかしながらそれも、この7年の月日の中で徐々にWindowsでなければならないという領域は減らしてこれました。
『AVPCの紆余曲折』みたいにWindowsに頼っていたところもLinux化出来まして、しかも使い勝手も良くメンテも凄く楽になりましたし、動画編集なんかもLinuxで全部出来るようになりましたし、まだもう少しWindowsのアプリの方が便利というモノもありますがほとんどWineで動くのでVirtualBOX上でWindowsを起動する機会もめっきり減りました。
今回、小説執筆環境がLinux化出来るとさらに脱Windowsを進めることが出来ます。
あ、そうだ。今まで脱Windowsの大きな阻害要因だったeTaxですがOSの制限が無くなったので2023年度分の確定申告はXubuntuでやり切れましたよ。こんなところでも脱Windows出来てます。
ただですね、XubuntuってLinuxの中では多分そんなに速い方では無くて、性能が高くは無いFUJITSU ARROWS Tab Q507/PEやDELL Venue10Pro 5056ではあまり速くなった気がしません。起動もあんまり速くなった気がしない。
そこ行くとAntiXのバカっ速がとても魅力的なんですが、バカっ速といってもAtom機ではそれなりに時間が掛かります。それでも比較にならないくらい速いんですけど。ちゃんと測ってはいません。感覚でモノ言ってます。
小説執筆マシンだと使うのはせいぜいエディタとブラウザくらいのものなんだからAntiXで頑張って環境作ろうかと思って途中まで作業進めてたのですが、やっぱり凄く躓くんですよね、それに情報量が異様に少ない。
数少ない日本語記事とか見ても『良く分からないので諦めた』みたいなのばっかりで、結局筆者も同じ『諦めた』人なのでもし検索でAntiXで見に来た人が居たらごめんなさい。
意地張って使えるようにしたとしても、AntiXではメインPCに使う気にはならないので、Xubuntuとの二刀流になってしまいます。
そこに近年益々衰えている筆者のリソースを割くのは、いくらAntiXが速くても割に合いません。
AntiXでは頑張って環境作っても、アップグレードをする手立てが無いので、数年に一度環境構築し直しが必要になります。中には手作業で頑張ってアップグレードする猛者も居るようなのですが。
deb系なのでXubuntuと同じノリ……かと思いきや、こちらはDebianベースでして、結構似て非なるモノなんすよね。同じようにやっても躓くので、結局別の知識を蓄える必要がある。
単純な作業しかしないならIceWMでも十分ですが、メインで使うにはXFCEが欲しい。XFCE入れてゴリゴリ環境構築するなら、それって結局Xubuntuに近付ける行為をするだけなので、なら最初からXubuntu統一の方が断然苦労が少なく済みます。
あまり速くならないなら脱Windowsするメリットも薄いのでは?とも思ったのですが、よくよく思い返すと、Windows10ではタブレットPCのネットワーク接続が失敗していることが多くて、酷いと何度も切断と接続をやり直してそれでも繋がらなくてOS再起動、なんてことをしていたのですが、Xubuntuでは大丈夫そうなので、システムの安定性はむしろ上がっていそうです。
Window用タブレットPCということで特にLinux化は心配なところではありましたが、Suspendもちゃんと動いているようなので、単純にWindowsよりも安定していてかつやや速いということでメリットばっかりですね。
メモリ使用量もOS立ち上がりで1GBを切っていますので、OSだけで2GB前後食うWindowsよりもメモリに余裕が出来、アプリも余裕で動けることでしょう。これはRAMが4GBが少ないPCでは非常に大きなメリットです。
Windows11ではベンチを取らなかったのですが、DELL Venue10Pro 5056でWindows10,Xubuntu,AntiXでGeekbenchを取ったのでその比較を見てみましょう。
Windows10 | Xubuntu | AntiX | |
---|---|---|---|
5 Single | 220 | 224 | 235 |
5 Multi | 813 | 832 | 846 |
Geekbench6はWindow10で取っていないのとガクっと数値が落ちるので割愛。最新のPCだと5より6の方が数値が上がるのですが、このクラスのPCでは下がります。
しかし綺麗にWindows10<Xubuntu24.10<AntiX23.2ですね。
メモリ使用量はWindows10>Xubuntu24.10>AntiX23.2ですので、使いこなせるならAntiXが理想です。でもそんなこと言い始めたらGentooできっちり詰めろとかいう話に成りかねないです。
筆者のリソースを勘案すると現状Xubuntu統一を目指すのが一番効率的かつ筆者の身体に合っている、という結論です。
Arch系とかも気にはなるんですけど先鋭的過ぎるのと、やっぱり何かしら新しいことをやり始めたいときにいちいち壁が高いのはしんどいので、そういう意味でも多分筆者にはArchも無理かなあ。
あ、で、まだ出来てないですけどサクラエディタの代替はKateで頑張ってみるつもりです。もしくはより軽量なGeditでもなんとかなるかも?
Visual Studio Codeは1,2ファイル開いただけで1GBくらいメモリ食ったのでビビりましたし、ちょっとプログラミング寄り過ぎて小説執筆には無駄が多いかつ不足もあるので(一番キツいのが再変換が出来ないというどうしようもない仕様)。
って書いておいて、結局Windows10に戻しました。ちゃんちゃん。
良し、言い訳するか。
筆者の小説執筆環境でサクラエディタのカスタマイズをゴリゴリしているのですが、そのうち特定の文字や文字列をカラーリングするのはLinuxのエディタでも出来るモノが多くありそうです。設定は難しそうだけど。
ですが、サクラエディタにしか見当たらない機能で筆者がゴリゴリ使っている機能が2つあります。
1つは『ルールファイル』。
筆者は小説執筆で段落より大きな区切りとして空行を使用し、それよりもさらに大きな区切り、もしくは回想等の場面切り替えなどでは垂直線を挟んだりします。
この垂直線は筆者は自分で仕様を決めた全角のまま書けるマークダウン方式で『<ー』と書くだけて垂直線を出力できるようにしているのですが、これと章、コメント等(いずれも筆者独自の全角マークダウンで記述)をルールファイルで抜き出すようにしており、見出し一覧みたいな感じにすることが出来ます。
文章が短いときはほとんど使わないのですが、文章が長くなって来るとここのルールファイルで見出しをクリックして該当箇所に飛ぶ、みたいな操作をすることが結構あります。
もう1つは半ページアップ/ダウン。
普通のページアップ/ダウンはほぼ1ページ分近い文量をすっ飛ばしてしまうので、前後関係が掴み難いことがままあるのですが、半ページアップ/ダウンだと半分は前の文章を見られるので超便利です。
一般的にはマウスホイールでスクロールさせた方が楽だし細かく制御できるのでそちらを使う方が圧倒的かとは思うのですが、筆者はベッドに寝そべって物書きするので、手の可動範囲が大きくできません。
タッチパッドの性能が悪いキーボードを使用していることもあってポインタ操作に頼るようなことはあまりしたく無く、そんなときにこの半ページ/ダウンは超絶便利なのです。キー割り当てしてバリバリ使ってます。
これらの機能が他のエディタだと実現困難。いや、もちろん、自分でプラグインとかまで作り込めば実現可能なのかもしれませんが。
昨今のエディタはプログラミング周りの補助機能の充実は著しいのですが、日本語文章入力補助周りってぶっちゃけLinuxではむっちゃ弱いところです。
開発が止まってるし時代遅れみたいに言われがちなサクラエディタですが、ことこの日本語文章入力補助周りに限っていえば他が全く育たないので代えが本当に効かない。
というわけで結局Window10に戻って来てしまいました。スーパー時間の無駄。
ただ、Windows10 22H2のクリーンインストールからやり直したので、システムの無駄は少し減って心持ち動作が軽快になったような気がします。
起動がXubuntuより速い?とか思ったら高速起動がオンになってて、あぁそう言えばこういう姑息なことやるOSだったよなぁ、って思い出しました。
とりあえず、改めてこのDELL Venue10Pro 5056とWindows10とサクラエディタの組み合わせで行けるところまで心中、と同じ過ちを繰り返さないようにここに記録しておきましょう。
まあ、その前はSony VaioP (VPCP11AKJ)とWindows7とサクラエディタで心中でしたし、その前はDell LatitudeX1とWindowsXPとサクラエディタで心中でしたので、もうここらで打ち止めでしょう、きっと。
いつまで書けるか分かったものじゃないですしね。