執筆環境をDebianLXQtで構築してみた
筆者はアングラで小説の執筆とかしているのですが、大半をベッドに寝そべっている状態で執筆作業をするため専用のPCで専用の環境を整えています。
古くは『Dell LatitudeX1』。WindowsXPにサクラエディタとGoogle日本語入力という組み合わせ。
このPCはファンレスであるため埃が舞い易いベッド上での執筆に向いていました。
ただし、画面サイズ12.1インチはモバイルノートPCとしては良くてもベッド執筆にはちょっと大きい。
あと、時代的に仕方が無いけど、ファンレスとはいえ結構発熱する。
アイドルで約8W。これはこの時代のほぼ最低に近い消費電力ではあるのだけれど。
次が『Sony VaioP (VPCP11AKJ)』。こちらはWindowsをXP,7,10とちょくちょく入れ替えたりしながらの使用。
総合的に一番安定していたのは多分7で、動作が軽快だったのはXP。しかしアイドル時に一番消費電力が下がるのが10という、それぞれに一長一短があった。
アイドルは約4W。Windows10だと3Wになるときもあり。
ただ、今度は逆に画面が小さ過ぎる問題があり、しかも残念なことに縦に凄く狭い画面にも関わらずTN液晶の質が悪いのか狭い縦の上下ですら色味が変わって見えたり、バックライトの光漏れ具合が上下で異なったりするので正直見づらい。
小さなキーボードは非常に完成度が高くて、このキーボードに良質なタッチパッド付けて単体で販売してくれたらこれを一生使う、って位お気に入りだったのだがこのPCでしか使えないのが非常に残念。
外部ディスプレイとかも考えたけど、そんなことしたらベッドで寝そべって書くのにいちいち準備が大変じゃん?
次が『Mouse WN892』。こちらはWindows10で。ここからタブレットPCになって熱源が底面から画面に移ったのでよりベッド執筆環境としては安心な構成になった。
画面サイズも8.9インチと当時の筆者が理想と考えていたサイズ。
しかし、モノは残念な安物で折角恐らくIPS液晶なのですが、解像度が1280x800と低いにも関わらずツブツブ。恐らく開口度が低いのでしょう。色域も非常に狭い印象で画質が悪い。結局目に厳しい。
USBポートが電源繋いだら1つも無いという拡張性の無さと折角の付属キーボードがこれまた質が悪くてキー取り零しが多いしタッチパッドの出来も劣悪。
酷いのがUSB接続の癖に暴走連打したりする。しかもDelキー押したときに暴走する。
最終的に付属キーボードは使わずにBluetoothキーボードを用いるなどという、何のためにキーボード付属のタブレットPCを選択したのか全く分からない結果に。
ただ、消費電力だけは流石CherryTrail。画面オンでもワットチェッカーで1W表示を見ることが出来る。
スペック的には理想だったのに現物の質が悪過ぎてどうにもならなかった残念な例。
で、Androidタブレット移行とかも検討しながらも、筆者の経済的余力の無さも相まって中古PCへ、最初は『FUJITSU ARROWS Tab Q584/H』。
こちら10.1インチにしてなんともバブルなWQXGA2560x1600pixelという解像度。バケモン。筆者のメインPCのディスプレイでさえWQHD2560x1440pixelで止まっているというのに。そう言えばスマホでも筆者は1440x2560の1台持ってますわ。
まぁ、正直無駄なんですけど。
しかも、世代的には『Mouse WN892』よりも一世代古くなるBayTrail。ただし、メモリは4GBに倍増だし、そもそもあちらはCherryTrailの最廉価ランクでメモリもシングルチャネル。こちらはBayTrailの高ランクでデュアルチャネル。だた、古いのでメモリの速度自体はちと遅い、と。
んで、このBayTrail,CherryTrailあたりのタブレットPCというのは結構鬼門でして、CPUは64Bit対応なのに、32BitOSしか許容しないという製品が多々あります。
『Mouse WN892』はRAM2GBだから64BitOSを入れる意味が無いけど、『FUJITSU ARROWS Tab Q584/H』はBIOSで64Bitを弾くようにしていて、ええ、UEFIだけ32Bitで実は64BitOSが動くとかいう話ではなくて、そもそも64BitOSが全く起動出来ないです。
Fujitsuってこういう訳分からんクソみたいなブロック良くやるんですよね。
この32BitOSしか走らないという制約と、もしかしたら高解像度なディスプレイのせいでメモリ分捕られているせいで、RAM4GBなのに実効Freeエリアが約2.7GBしか無いという残念な仕上がりに。
こんなにFreeエリアが少ないと2560x1600なんていう豪勢な解像度持っている意味そのものが消滅するんですけど?
せめて64BitOS封じたりしていなければもうちょっと解放される可能性もあるだろうに。
んで、中古なので仕方が無いのですが、バッテリーが少しヤレているのと、あと恐らくBluetoothの出力か感度が悪くて、キー押した判定のところで通信切れたりするとそのキー連打状態になって、通信切れちゃってるから止めようが無いという事態に陥ります。まあこの症状は『Mouse WN892』の方が酷かったんだけど。
『Mouse WN892』は特にDelキー押したときに暴走連打することが多くて、折角書いた文章がみるみる削除されるという酷いありさまだったのですが、『FUJITSU ARROWS Tab Q584/H』はDelキーでの暴走連打はほぼ無かったのでまだマシ。
また、暴走連打が始まってもすぐ手が届くディスプレイ下のWindowsマークをタッチすればWindowsキーを押したことになって暴走連打が止まるのでまだ比較的対処がしやすかった。
一世代古いBayTrailなので動作時の消費電力は高い(といっても10W程度)のだが、アイドル時は2Wまで落ちる。解像度を考えると結構立派ではある。
が、やはりチグハグ感は否めず、安心して執筆出来ない環境でもあるので引き続きタブレットPCを物色。今度は『DELL Venue10Pro 5056』。
こちらCherryTrailの中ランクだがデュアルチャネルなので性能的にはずっとマシ。解像度はWUXGA1920x1200でようやく中庸な解像度に。ただし、個人的な感想からするとこれよりもうちょっと粗くても良いとは思う。結局余り小さなフォントでは見づらいので大きなフォントを使用するようになってしまったので。
64BitOSもバッチリ動くし、BIOSで凄く細かい調整が可能。
バッテリーの充電制御なんて結構な自由度がありますからね。筆者は50%-60%の範囲に収まるように設定してバッテリーの劣化を極力抑える方向で調整しています。すると、ACアダプター挿しっぱなしでもほとんど充電されないんですよ。普段はバッテリースルーで直接給電で動いてますからね。
当たりだったので専用のキーボードとかも物色したのですがもの凄く高価だったので諦めました。
でもBluetoothもまともで暴走連打なんて記憶に無い。
一点残念なのは画面の最下部の方だけ色が劣化?黄ばんでる? ただ、筆者は普段黒背景に白字で執筆してますので、白背景にすると目立つのですが黒背景だとほぼ気にならない程度で済んでいます。
で、もうこれをゴリゴリにカスタマイズして現在はこの機種が小説執筆PCとしてずっと働いてくれています。
出来の良いCherryTrailは消費電力も少ないし我慢ならないほど遅いわけでも無いので筆者にとってはとても魅力的。そこでさらにもう一台欲張って購入してしまったのが『FUJITSU ARROWS Tab Q507/PE』。
スペック的にはほぼほぼ『DELL Venue10Pro 5056』とタメなのですが、ほんのり新しいのでほんのりクロックアップしてたりします。
しかも、タッチパッド付属キーボード付き!
……だったんだけど、やっぱFujitsuってFujitsuなんやな……
見た目は良いのにキーボードの質が悪い。キーボードの剛性が無いのでベッドマットの上では入力取り零しが多め。
さらにタッチパネルの出来が酷く、反応が超悪い。強く指を押し付けないとまともに動かないので指の皮がすぐ痛む。
さらに動いてくれないからと集中して指動かしてるとノイズ扱いされて無反応になる。
移動速度を最高にしても遅い。
見た目は良いのにストレスフルなキーボードで筆者がっくりです。
バッテリー保護は95%で満充電扱いにする制御のみ。電源オフで放置しているだけでガンガンバッテリーが放電していく残念なBIOS制御。
普通に作成したUSBのWindowsインストーラーをわざと起動させない制御を組み込んでいる悪。Windowsに戻したかったら専用のリカバリUSBの入手が必要。
本当日本の企業って囲い込み方がクソなの多いよね。
んで、今ではちょっと判断ミスったかなとも思うのですが、『FUJITSU ARROWS Tab Q507/PE』はもうWindowsじゃなくて良いや!って思ってLinux入れてしまったんですね。
判断ミスというのはLinux入れるなら『DELL Venue10Pro 5056』の方が良かったかもしれない、という話なのですが、要は『FUJITSU ARROWS Tab Q507/PE』は一度Linux入れたらWindowsには戻れない。『DELL Venue10Pro 5056』は戻れる。という話の他に『DELL Venue10Pro 5056』の方が変な囲い込みが少ない分Linuxのドライバ周りのサポートが充実しているかもしれない(これは予想であって確定ではない)ということであって、規定のWindowsしか考えていないで作っている『FUJITSU ARROWS Tab Q507/PE』より、汎用タブレットPCとして作っている『DELL Venue10Pro 5056』の方がLinux向きだったんじゃないだろうか?という話なのですが、とにかく『FUJITSU ARROWS Tab Q507/PE』にLinux入れてしまったのでもうWindowsには戻れません。
というわけで、今回ようやくLinuxタブレットPCで小説執筆環境というものをWindows+サクラエディタ+Google日本語入力という鉄壁の環境に遜色ないくらいのところまで頑張って構築しました。というお話になります。(導入長っ!)
何度も挑戦しては諦めてきたのですが、今回ついにDebianLXQtですよ。
これはUbuntuStudio→Xubuntu→Lubuntuと9年掛けて変遷してきたメインPCの今後をDebianLXQtに持って行くための布石でもあります。
まあ、性能とか考えたらCachyOSとか魅力的なんですが、筆者の能力がね、多分CachyOSだと筆者はシステム維持に莫大な時間を取られてPCの効率どころの騒ぎじゃなくなるので、多分筆者には(まだ)向かないOSなんだろうと思う。
また、CachyOSは最新PCには良くても古いPCでは全く速くないので、一応今回も一回インストールはしてみたのだけど、別に速くともなんともないって思ってやめました。
結構悩んだのはAntiX。というか実は途中までAntiXで環境構築してた。
ただ、AntiXも、確かにRAM使用量が劇的に少ない。けどスムーズな作業が行えるところまでシステムを整備するのが結構骨なのと、OS起動速度は別に速いわけではないということもあって、それほどメリットが大きいとは感じなかった。
カーネル5.1系で起動すると速いのだけけれどAntiXで用意されているカーネルは古かろうが新しかろうがCherryTrailのドライバが当たってくれず、VGAアクセラレータも効かないし音も出ない。
Debianカーネルを入れると当たってくれるけど、それならDebianで良くない?って話にもなる。一応、それでもsystemd使ってないからRAM使用量が劇的に少ないという利点はあるけど、systemd使ってないからシステム構築の作法が全く違っていて大変。
さらに、やるかどうかは別にしてアップグレードも難しい。
思うに、AntiXってのは古いPCといってももっともっと古いPCで輝くディストリビューションなのかなって気がします。
CherryTrailは性能的にはもう骨董品レベルですが、世代的にはそこまで古くないんですよね。CPUのプロセスだって14nm。小規模コアだけど4コアある。
AntiXがどの当たりをターゲットにしているのか分かりませんが、例えばシングルコア前提で最適化とかされていると、弱いコア4つのCherryTrailでは却って遅くなるんですよ。並列でやってもらった方が速い。
AntiXをインストールして操作していて思ったほど速くないと感じたのには割とそういう、古いのに適しているが故に中途半端に新しいPCには必ずしも有効とは限らないということがあるんじゃないかと。
CherryTrailのドライバがきちんと当たらないからそもそもチップの性能が発揮出来ていないというのもあるし。
試しに動画再生したらビビるもんね。Windowsや他のLinuxでは発生しないコマ落ちがAntiXだと発生したりするので。
というわけで、DebianLXQtですが、これも何回か途中まで進めて諦めて、一旦はLubuntuにしたりもしました。
ただ、Lubuntuはsnap強制があるので出来れば避けたい。snap強制されるくらいならflatpak強制にしてくれ、って感じ。
というわけでもう一回しつこくDebianLXQtですよ。頑張りましたよ。Geminiにもいっぱい頼りました。
GTK2,3,4QT5,6テーマの適用整理、フォントの整備、Kateでサクラエディタと同等のカスタマイズを実現するための整備、mozcは辞書周りが弱いので辞書強化してmozc-serverをコンパイルして置き換え、などなど。
サスペンド周りで動きにおかしいところがあって、復帰後必ず付属キーボードが無反応になる(タッチパッドは動くのに)問題と、電源ボタン押下時の設定を「サスペンド」にしていて電源ボタンでサスペンド復帰させようとすると復帰後すぐにサスペンドしてしまうという問題と、キー長押しとかしてサスペンド復帰させるとシステムハング・アップするなど、ちょっとサスペンド周りの挙動は気を付けないと、って感じ。
あと、改めて『FUJITSU ARROWS Tab Q507/PE』の付属キーボードはハードウェア的にセコいというのがハッキリしまして。タッチパッドにスクロール機能が無いんですよ。ええ、Windowsだとスクロール出来ますけど。ハードウェア的にはスクロール判別出来るような機構が無いらしいんですね。Windowsでは専用ドライバ作ってなんとかしているみたいですけど。その辺りはLinuxは融通が効かないのでここは完全にLinuxの不便ポイント。あるいは筆者がlibinputをもっと勉強すれば克服出来る領域があるのだろうか不明。Geminiは無理って言ってるけど。Geminiは視野が狭いというかこちらがきちんと指示してあげないと局所最適に持って行こうとする癖があるので、聞き方を変えた途端に欲しかった正解に辿り着けることがままある。
タッチパネルスワイプでのスクロールも最初は全く機能しなかったのだけど、あれこれやってほぼほぼ機能するように出来ましたね。
まあ、LinuxならWindowsより起動速いだろうから、Windowsのときは常時起動でサスペンド運用してたけどDebianなら都度起動終了でもイケるやろ?って思って起動時間測ってみましたら。
Debianデスクトップのパネル表示まで約56秒。Windows10ちょっと表示時点がどこか判断が怪しいですが約58秒。大差無かった。
ただ、基本的にLinuxはバーっと動いてすっとアイドルになるのに対してWindowsはいつまでも裏で何かしら動いている、という動作の差があるにはあるので、起動こそ大差無かったものの、例えば起動時点でのメモリ使用量はDebian913MB、Windows2.1GBみたいな感じなのでRAM4GBしかないタブレットPCでは余力に大きな差がある。
ブラウザ等の起動やなんかも初回起動は大差無いのだけれど、ちょっとずついろんな操作で地味に反応良いのがLinuxだったりするので、うーん、どうだろ、まだタブレットPCとしてのLinuxには慣れていないところがあるので、慣れれば多分普通に使えるようになるんじゃないかな?
Windowsだとネットワーク周りで妙に苦労したりするのだけれどLinuxはその辺り強いしLinux同士なんてもう楽楽よ、って感じなので、やっぱり苦労するポイントが違うので一長一短ではあるけれど、やはりトータルで見てLinuxメインでやってる筆者としてはLinuxに寄せて行く方がメリット多いと思うので、引き続きこの方向で頑張って行きたいと考えています。